帰国子女が日本の大学に編入するにはどうすれば良い?

帰国子女が日本の大学に編入するにはどうすれば良い?

海外の大学に通っていたが、将来のことを考えると日本の大学に編入したい、と考える学生がいます。
では、そういった生徒を受け入れている大学はあるのでしょうか。
また、編入するにはどういった試験を受ける必要があるのでしょうか。
ここではそれらについて紹介していきたいと思います。

日本で帰国子女が編入可能な大学はどのくらいある?


編入可能な大学は約400校

帰国子女が日本の大学に編入をする際には編入学試験を受けることになるのですが、こういった試験は東京大学をはじめとする旧帝国大学の国公立大学、早稲田や慶応義塾などのトップ私立大学といった多数の大学で実施されています。
募集人員は「若干名」などと表記されることが多いのですが、だいたい400前後の大学がこういった編入学試験を実施しているため、自分が希望する大学を選ぶことが可能となっています。

ただし、海外で大学に通っていた年数や取得した単位などによって受験できるかどうかが変わってきますし、アメリカやカナダの大学とイギリス、オーストラリアなどの大学では単位の換算の基準が違ってくる場合があります。
事前に大学側に確認をしておくと良いでしょう。

いつ頃編入するのがオススメか


ハテナ

大学によって編入できる時期が違っていますので、それも必ず確認しておかなければいけません。
大きく分けると編入できる時期は「4月」と「9月」という2種類があります。
日本では学校の入学や会社への入社は4月が一般的ですが、欧米では9月が一般的です。
そのため、4月と9月という2種類が用意されているのです。

4月に入学の場合は前年の5月以降に募集要項などが配布されますので、自分が編入学を希望する大学のものを入手して準備をすすめることになります。
そして8月以降に出願、入試が行われ、それに合格すると4月に入学をすることができるのです。
日本の大学や会社は4月がスタートとなるために、そちらに合わせるつもりであれば、4月入学がおすすめです。

もう一つの9月入学ですが、こちらは欧米の大学の日程に合わせたものとなっています。
その年の1~3月くらいに出願をして入試をしていくことになります。
外国で通っていた大学の日程に合わせることができるので、ギリギリまで単位を取得して日本の大学に編入学することが可能となります。
ただし日本では9月に編入学できる大学はそれほど多くはなく、20校前後となっていますので、こちらを希望する場合はかなり受験校が絞られる可能性があります。

編入に必要な準備


荷物をつめた後のバッグ

では具体的に編入学試験を受けるにあたってどのような準備が必要かを紹介していきます。
まず4月入学の場合は前年の8月~翌1月ごろまで出願と入試が行われます。
その際にそれぞれの大学が指定している「受験資格」を満たしているかどうかを確認しておかなければいけません。

そして帰国子女入試を受けるためには、「高校の最終成績証明書」「推薦書」「保護者の海外在留証明書」「現地校の卒業証明書」などさまざまな書類が必要になる場合があります。
時期によっては現地で入手できにくくなる場合がありますので、早めに発行依頼をして準備しておく必要があります。
大学によっては大学指定の推薦用紙に記入しなければいけないということもありますので、早く準備をしておきましょう。

あとは入試に向けて準備をしていくこととなります。
帰国子女入試では「筆記試験」「面接試験」「小論文」が行われることが多くなっています。
筆記試験は受験しようとしている大学によって科目数や実施の有無が大きく変わってくるのですが、面接試験と小論文はほぼ確実に行われています。

入試に合格すると入学手続きを行っていきます。
大学によって、また学部によって入学金や授業料は大きく違ってきますが、目安としては私立大学で100万円前後、国立大学で50万円前後の費用がかかってきます。
こちらも前もって準備をしておきましょう。

私立の編入試験に受ける時の対策方法


パソコンをみて微笑む女性

海外の大学から日本の大学に編入試験を受ける場合や、帰国子女が帰国子女入試を受ける場合などに注意しなければならないこととして、「現場に詳しい人があまりいない」ということがあります。
高校の教師などでも帰国子女枠での入試や編入試験に詳しいという人は少なく、正しいアドバイスをしてくれる人が少ないのです。

そのため、対策はある程度自分でしっかりと行っていく必要があります。
その中でも私立大学の編入試験を受けるときに必要となるのは「面接試験」の対策です。
私立大学の帰国子女編入試験などではほぼ確実に面接試験が行われます。

それは「海外で学んだ語学、文化理解」などを面接によって判断するためです。
一般的には10~20分程度の面接が行われることが多いのですが、さらに長くなるということも多くあります。
出願書類、志望動機書などだけではわからない部分を質問されたり、自己アピールなどが行われますので、それに対応していかなければいけません。

それらの中でも重要となるのが「志望動機」です。
質問の中でも必ず聞かれるものとなっており、「なぜこの大学のこの学部を志望しているのか」を聞くことで、受験生が将来のことをどのように考えているのか、自己分析がしっかりとできているのかということを聞き出す質問となっています。

ただし、この質問には「正解」というものはありません。
受験生がどのように考えているかの問いですので、はっきりとした正解の内容はないのです。
ここで試験官が期待しているのは「自分の考えをどのように順序立てて、はっきりと述べることができるか」ということです。

質問によっては英語などで面接が行われることがありますが、志望動機や自己PRなどは日本語ではっきりと答えることが求められます。
さらに面接では、「自己アピール」「滞在していた国について」「滞在していた国での学習状況」「今力をいれていること」「将来のこと」「入学後の学習計画」などについて聞かれることが多くなっています。

これらは自分で考えをまとめておく、はっきりと話す練習をするということも重要ですが、やはり第三者を相手に面接練習をするということも重要となってきます。
この面接練習は知っている人、身内などが行うと緊張感がなく、グダグダした感じになってしまいますので、第三者が行うのが理想です。
ただ、現在通っている学校などで面接練習を依頼するのが難しいということもあります。
そういった場合には身近な面接練習を頼める人や、塾の講師などに依頼するようにしましょう。

まとめ


いかがでしたでしょうか?
今回は帰国子女の大学編入についてお話してきました。
帰国子女の大学編入というパターンは一般的に見ると数の少ないケースになるので、不安になってしまうのは当然のことかと思います。
なかなかこのケースに精通している人もおらず、結局自分自身で調べ上げたりをしないといけない事が多いですが、今回の記事で紹介してようなことも材料にして、無事大学編入をしていただければと思います。