高校生になると、中学までと異なり、「急に勉強についていけなくなった」という悩みを抱えるお子さんが多くなります。
中学までは地元の公立校に通うお子さんが多く、通学の時間があまりかからなかったのに対して、高校は少し遠い高校に通うお子さんも多く、生活のリズムがとりにくくなったり、授業の中身自体が中学までより難しくなってついていけなくなったりと、理由はそれぞれですが、お子さん自身も親ごさんも周りに相談しにくく、悩みを抱えたままにしがちです。
この記事では、高校になって勉強に急についていけなくなったお子さんや親ごさんに対して、勉強についていけなくなる主な原因や、お子さんの場合、何が原因なのかの分析方法や親御さんとしてどのように対処していったらよいのかなどを紹介していきます。
高校の勉強についていけない…テストで大逆転するために
高校になると、中学までと比べて勉強が難しくなることから、「勉強についていけなくなった」という悩みを抱えるお子さんや親ごさんが多くなります。
まずは、どのくらいのお子さんが「勉強についていけない」という悩みを抱えていて、その内容はどのようなものなのかということをデータで見ていくことにします。
一般社団法人 全国PTA連合会が全国約7200人余りの高校生を対象に行ったアンケート調査の結果からみていきます。
この調査では全国を北海道、東北、東京以外の関東、東京、北信越、東海、近畿、中国・四国、九州の9つに分けそれぞれの地区から普通科高校3校と専門あるいは総合科高校2校の計5校ずつをサンプリングし、1校当たり4クラス、計45校の高校2年生男子3258人、
女子3327人、計6585人を対象に調査を行っています。
調査の結果、高校生活自体は、「まあまあ好き」と「とても好き」という回答が合わせて約75%と約8割の生徒は好きと回答しているものの、「勉強について何か困っていることがありますか」という質問では、男子で47.4%(1544人)、女子で57.7%(1921人)の生徒が「ある」と回答しています。
その内容ですが、最も多かったのが、「精神力、精神状態、能力について困っている」が36%(1155人)で最も多く、ついで「学習方法、学習時間、学習環境で困っている」が29%(949人)、「分からない、ついていけないなどで困っている」が26%(835人)の順となっています。
また、「精神力、精神状態、能力について困っている」の中では、「やる気が出ない」「集中力が続かない」が56%(647人)で最も多く、「学習方法、学習時間、学習環境で困っている」の中では、「学習方法がわからない」「学習時間が取れない」が67%(636人)で最も多く、「分からない、ついていけないなどで困っている」の中では「理数系(特に数学)がわからない」「英語がわからない」が40%(336人)で最も多いという結果でした。
この調査結果から、「高校の勉強についていけない」という悩みは決して珍しくないことや、一番の原因は、自分にあった学習スタイルの確立ができていないことにあることなどがいえます。
まずは、理解する速度と授業の速度があっているかどうか分析してみましょう。もし、理解する速度が追い付いていないと感じるのであれば、基礎的な問題を復習する時間を多くとることで学習スタイルの確立ができてきます。
何も考えずに塾に行かせるのは待って!
お子さんが高校の勉強についていけないとき、「塾に行かせよう」となりがちです。しかし、塾に行かせることだけが問題の解決法ではありません。そもそもお子さんが何に躓いているのかを正確に把握することが必要です。
「自分で学習する習慣を身に着けるのが難しい」ということが原因でしたら、塾に通って勉強する習慣を身に着けるのも有効かもしれません。しかし、学校の授業自体についていけていないことが原因でしたら、塾へ行ってもかえってわからない部分が増えるだけに終わってしまう可能性もあります。
お子さんを塾に通わせる前に、何が原因で高校の勉強についていけなくなったのかを正確に把握しましょう。
落ち着いて現状を把握しよう
お子さんに「高校の勉強についていけない」と言われたとき、親として焦ってしまうのは当然です。しかし、そこは一旦、冷静になってお子さんが何が原因で高校の勉強についていけなくなったのか、ついていけないのはどの部分なのかなどを正確に把握しましょう。
勉強についていけなくなった原因や、どの部分についていけなくなったのかによって、効果的な対処法が異なります。
お子さんの一週間を書き出してみよう
お子さんが高校の勉強についていけなくなった原因を正確に把握するために、まずは、お子さんに一週間のスケジュールを書き出してもらいましょう。「何時から何時までは学校の授業で、そのあと2時間部活があって・・・」というように、目に見える形で書き出してもらうことが重要です。そうすることによって、お子さんが家での勉強に使える時間がわかるとともに、お子さん自身に「その時間を効率よく有効に使おう」という気持ちを持たせることができます。
ついていけていない科目や苦手な科目を書き出してみよう
その次に、お子さんにどのような科目が苦手なのかを確かめてみましょう。可能であれば、その苦手科目のどの部分が苦手なのかも確かめることができれば一番良いです。そうすることによって、どの科目のどの部分を特に勉強したらよいかを把握することができます。国語など教科によっては自分自身でもどこがわかりにくいのかはっきりとしないことも多いので、お子さん自身にもどの部分が特にわかりにくいのかわかっていない場合は、担任の先生などに聞いてみるのもよい方法です。
実践編:授業に追いつけるようになるために
前項では、お子さんが高校の勉強についていけない原因を把握するための方法を紹介しました。この項では、把握した原因を基に、どのように対処していけばよいのかを紹介します。
学習の習慣を身に着けよう
学習の習慣が身についてないことが原因のお子さんの場合は、まずは、学習の習慣を身に着けることから始めるのがベストです。
とはいっても、いきなり勉強する習慣を身に付けるのは難しいので、まずは、すでに習慣になっている事柄に少しだけ行う事柄を足していくことから始めるとよいです。そうすることで、無理なく習慣づけることができます。例えば、自由時間の前に10分間だけ簡単な計算問題を解くといったことが有名です。
また、新しい習慣を身に着けたいときに有効な手段の一つとされているのが「ポモドーロ・テクニック」です。
「ポモドーロ・テクニック」とは、時間管理術の一つで、フランチェスコ・シリロが2009年に著書や自分の公式ホームページで提唱した方法です。
まずは、行う事柄と目標を決めて、タイマーを25分間にセットします。セットした25分間は決めた事柄に集中し、タイマーがなったら5分間くらい休憩します。これを4回繰り返したところで少し長めの休憩を取ります。この時に2つの約束事があり、1つ目は、様々な事情から途中で中断した場合は、最初からやり直すこと、2つ目は、メールチェックなどが理由の「内的中断」の場合は行う事柄と目標自体があまり重要ではない事柄であると考えて目標設定などをやり直すことです。
「ポモドーロ・テクニック」を実践するためのアプリなども多く出回っており、ポモドーロテクニックアプリの無料おすすめ8選【AndroidとiPhone】などのサイトで紹介されています。中でもおすすめなのが、「Flat Tomato」です。iPhone用なのですが、シンプルでわかりやすく、集中したいときにも邪魔になりません。タイマーはマナーモードにしておくこともできます。
また、上へのスワイプでカレンダーを表示することができ、右上に表示されている日付を下へスワイプすることで、メモ機能を使うこともできます。ただ、初期設定は英語になっていますので、最初に日本語に設定し直す必要があります。
「Flat Tomato」はiPhone用ですが、このサイトでは、ほかにも「Focusi」などのiPhoneとAmazonの両方に対応しているアプリやAndroid用のアプリも紹介されていますので、参考にしてみてください。
わからないことを質問できているか確認してみましょう
これまで述べてきたことももちろん重要なのですが、最も重要なのが、お子さんが高校の授業でわからないことをきちんと質問しているかどうかです。わからないことをそのまま放置してしまうと、次の授業の内容も分からなくなり、そのまた次の授業もわからなくなり・・・ということを繰り返してしまいます。
もし、お子さんがわからないことを質問しようとしても、わからなかったところ自体を忘れてしまっているようでしたら、授業中などにメモを取るようにすすめてみるのもよいでしょう。
「後ですればいい」とあと伸ばしにしてしまうと、肝心の質問しようとした時に忘れてしまっているということになりかねません。そうなると、ますます授業についていけなくなってしまいます。そのようなことを避けるためにも、メモを取ることは有効な手段です。
お子さんが自習に限界を感じているようだったら
もし、ここで述べてきたことを試してみても、お子さんが自分で学習することに限界を感じているようであれば、まずは学校の担任の先生などに相談してみることをおすすめします。
それでも解決しないようであれば、プロの家庭教師に依頼してみることが有効な手段です。そもそも、「学校の授業についていけない」ということは、集団での授業という授業形式がお子さんに合っていない可能性が高いです。そのため、集団授業形式の塾に通わせても、同じようなことになってしまうことが多いです。
その点、プロの家庭教師であれば、マンツーマンでの指導ですので、お子さんに合った質の高い授業をしてもらえます。
マナリンクでは、プロのオンライン家庭教師を多数紹介しておりコースも豊富で、「志望校に合わせて学習プランを立て実行しよう」といったコースを受け持つオンライン家庭教師もいるなど、お子さんにあったコースを受け持つ先生を見つけることができます。
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