プロを指名できるオンライン家庭教師

いまさら聞けない!シュタイナー教育ってなに?

いまさら聞けない!シュタイナー教育ってなに?

シュタイナー教育についてご存じでしょうか?これまでの教育の在り方が見直されている現代において再注目されている教育方法についてまとめました。

お子さんの教育方針について色々と考えたときに、「シュタイナー教育」が思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。

のびのびとした教育方針で学べて、なんだか良さそうというイメージがあり、お子さんに受けさせたいと思っている方もいると思います。
この記事では、改めてシュタイナー教育とは、どんなものなのか、そもそもシュタイナーとはどんな人物なのか、シュタイナー教育を行なっている学校にはどんな学校があるのか、シュタイナー教育のメリットとデメリットなどについて紹介していきます。

シュタイナー教育とは?


シュタイナー教育とは、オーストリアの哲学者であり、思想家でもあったルドルフ・シュタイナーが提唱した教育思想などを日本に紹介するときに付けられた名前です。

ドイツでは日本語に訳すとヴァルドルフ教育という名称が使われています。

シュタイナー教育を行っている学校では、教育は独自のシステムで養成した教員が行なっており、「教育は一つの芸術である」という考え方が基礎になって独特のカリキュラムや芸術教育などが行われます。

シュタイナー教育の特徴


一口にシュタイナー教育といっても、学校や教育者などの解釈によって具体的な内容は様々です。

しかし、大まかなところでは、共通しているところもあります。

共通していることの一つが、12年間の一貫教育です。

初等教育と中等教育を分離せずに、12年間一貫して教育を行うのが特徴です。

また、入学から思春期までの8年間は原則として同じ教員がクラスの担任となり、扱いが難しくなるとされる期間を受け持ちます。

シュタイナー教育の1番の特徴は、独特の芸術教育で、「芸術活動を通じて学ぶ」という考え方です。

つまり、シュタイナー教育では、教育も芸術の1つであるという捉え方なのです。
この、独特の芸術教育の代表格が「オイリュトミー」や「フォルメン」、「エポック授業」です。

「オイリュトミー」とは、シュタイナーが考え出した、音楽のリズムに合わせて体を動かしながら図形、感情などを表現する科目です。

意味は「美しいリズム」と言うもので、自然な体の動きや様々なものとの調和を学ぶのが目的です。

「フォルメン」とは、直線、曲線、渦巻きなどの組み合わせで作られた幾何学模様を様々な色で描画して、指先を訓練したり、集中力を養ったりする教育のことです。

こちらもシュタイナーが考え出した教育法の一つで、位置付けとしては、数学や美術の基礎ということになります。

「エポック授業」とは、小学校から高校まですべての学年で行われる授業で、毎日1時間目に110分間、国語・算数(数学)・理科・社会の4教科を半月から1ヶ月に渡って集中的に学びます。

シュタイナーとはどんな人物なのか


それではこのシュタイナー教育という独特の教育法を考え出した、シュタイナーとはどのような人物なのでしょうか?

シュタイナーは、19世紀後半から20世紀前半にかけてオーストリアやドイツで活躍した哲学者であり、教育者、神秘思想家でもあります。初めはニーチェの思想に近い自由思想の立場でしたが、のちに「人智学」と言われる精神運動の運動家になりました。

彼の功績で一番有名なのが、彼が考え出した独自の「シュタイナー教育」です。現在は世界各地にシュタイナー教育をする学校があり、それぞれの国で根付いています。

歴史を見てみる


シュタイナー教育にはどのような歴史があるのでしょうか?

シュタイナーは、1907年ごろから子供の教育に関する論文を発表していたのですが、その論文の考えが広まることはありませんでした。
当時の教育界から無視されていたからです。

そんな中、転機が訪れたのは、シュタイナーの「人智主義」に共感していたエミール・モルトというドイツでタバコ工場を経営する実業家との出会いでした。シュタイナーは彼に依頼されて工場の附属学校として労働者の子弟ための学校を開設することになりました。

この学校はあらゆる子供たちに開かれており、男女共学で、12年の一貫教育という当時としては珍しい学校でした。
その後、第二次世界大戦中はナチスドイツによって一時解体されましたが、戦後復活し、1970年代にシュタイナー学校は急速に数を伸ばしました。

現在では、世界全体では780校、ドイツ国内だけでも180校の姉妹校があります。

日本には、大正時代にシュタイナーの思想が入ってきたのですが、戦時中は一時誰にも振り向かれなくなりました。1960年代ごろから再び徐々に振り向かれるようになり、1970年代からは広く一般にも広まるようになりました。

どんな教育理論なのか?


シュタイナー教育の根本にあるのは、「自由な生き方のできる人間の育成」です。もちろん、ここでいう「自由」とは、決して自分勝手な行動を指すものではなく、自ら考え、自らの意思で行動するという意味です。

その元になっているのは、7年周期説と4つの気質説です。

7年周期説とは、0~21歳までの21年間を3つの周期に分ける考え方です。

7歳までの7年間


体を動かして意思を育むことを重視します。そのことによって想像力の発達につながるとされています。

また、この時期はまだ記憶力が育っていないことから、大人の真似をさせることも重視されます。

8歳から14歳  


心や感情を育むことが重視されます。この時期は音楽・美術・詩などの芸術に多く触れさせます。

15歳から21歳
 

思想や自我を育む時期とされています。この時期になると、思考力を養う目的で論文の書き方などを学んだり、パソコンやテレビに触れたりします。


4つの気質説とは、人間の魂から本体までを「自我・アストラル体・エーテル体・肉体」の4つに分ける考え方で、7歳まででエーテル体が、14歳まででアストラル体が、21歳までで自我が自立するという考え方です。

海外のシュタイナー教育の例


シュタイナー教育を行う学校は世界各地にあります。

この項では、ドイツ・アメリカ・日本のシュタイナー教育を行う学校の例や、学費、卒業生などについて紹介します。

ドイツ(Waldorfpadagogik)


ドイツは世界初のシュタイナー学校が設立されたところでもあり、現在でも多くのシュタイナー学校があります。

秋には秋祭りなども催されて、その時にはほぼすべての教室が解放されます。教室の黒板なども普通のものと異なり、柔らかい曲線・曲面で作られています。秋祭りには、いかにも芸術重視の教育校らしく、創造性に溢れた様々な作品がマーケットに出品されたりします。

エスリンゲンのシュタイナー学校の様子はこちら

アメリカ(Waldorf education)


アメリカにも123校のシュタイナー学校があり、同じくシュタイナー教育が行われています。サマーキャンプなども行われており、日本のシュタイナー学校と異なる部分はあるものの、Facebookなどでは楽しそうにシュタイナー教育を受けている子供たちの様子を見ることができます。

アメリカのシュタイナー学校Ak Luum Waldorf Schoolのホームページfacebookはこちら

同じくアメリカのシュタイナー学校The Mountain Laurel Waldorf Schoolのホームページはこちら

日本のシュタイナー教育の実態


日本では1970年代ごろから本格的にシュタイナー教育への関心が高まり、1987年に東京の新宿で日本初のシュタイナー学校が開校しました。

1990年代になって、不登校児童・生徒の問題が浮き彫りになり、行政としても対処する必要に迫られたため、学校法人認可の規制が緩和されて、日本のシュタイナー学校でも2校に学校法人の認可がおりました。

その後、日本のシュタイナー学校は徐々に増え、社会的にも認知されていくようになり、シュタイナー学校を選択できる機会も増え、現在に至っています。

シュタイナー教育を実践している学校の紹介


日本では、前項で紹介した日本初のシュタイナー学校「東京シュタイナーシューレ」が学校法人の認可を受けて、学校法人「シュタイナー学園」として小中高一貫教育を行っています。

シュタイナー学園では、1年を通じてオープンデーや体験授業、座談会、オイリュトミー講演会など、様々な行事を行なっており、シュタイナー教育を体験することができます。

また、公式オンラインストアでは、学園の日常の写真集や、学園で行なっているエポック授業に関する書籍などを購入することができます。

シュタイナー学園の公式ホームページはこちら

学費ってどのくらい?


前項のシュタイナー学園の場合、学費は、入学金が45万円、入学後の9年生までの授業料と施設維持費、教材費などを合わせて51万6千円で両方合わせると96万6千円です。東京都内の私立中学の平均的な授業料と施設関係費、入学金を合わせた費用が177万9千870円ですから、私立の中学校の平均と比べるといくらか安いということになります。
参考元:しゅふJOB

卒業生について


NPO法人として活動している「京田辺シュタイナー学校」の場合、2019年の3月で卒業生が201人になります。

NPO法人ですと、高等部を卒業しても高校卒業資格を得ることができないので、11年次生の時に「高校卒業程度認定試験」に合格するようにカリキュラムが組まれていて、この試験に合格後に短大や大学、専門学校などへ進学して自分のやりたい仕事を目指す卒業生がほとんどです。

卒業生のついた職業は様々で、木漆工芸作家に弟子入りした方もいれば、外務省に就職した方や、「地域起こし協力隊」に参加した方もいます。

全体としては、やはり芸術系の職業についている方が少し多めです。


シュタイナー学校を卒業した有名人には、映画評論家で監督でもある、斎藤 工さん、小説家のミヒャエル・エンデさん、女優のジェニファー・アニストンさんなどがいます。みなさん芸術関係の世界で活躍している方ばかりです。

メリット


シュタイナー教育では、自然さや暖かみを大切にします。

そのため、シュタイナー学校では、自然を活かした環境が整備されており、建物も木材など自然の素材を活かしたものになっています。

また、0?7歳までの8年間は担任が変わらないので、落ち着いた環境で学べるというのもメリットです。

デメリット


シュタイナー教育でお子さんを育てようとすると、方針に合わせて、様々な道具を手作りしたり、オーガニック中心の食生活を推奨される等で生活の仕方をを変化することがあるかもしれません。

さらに、幼稚園から高校まで一貫して教育を受けさせるのが良いとされていることから、転勤などでの引越しがあるとせっかく入学したのに教育環境を変えざるを得なくなることもありえます。

まとめ


望ましい教育方法として話題になることの多いシュタイナー教育ですが、どのような教育現場にもあるように、メリットとデメリットがあります。

家庭の環境やお子さんの性格によって、向き不向きがありますので、この記事でシュタイナー教育のことをよく理解した上で、進学を検討されるといいでしょう。