
中学受験にはどれくらい勉強時間が必要?
まず、もちろんのことですが、大前提として勉強時間が合否を決めるわけではありません。
受験勉強に費やした時間と、受験合格に相関関係がないと言うことはできませんが、あくまで合否を決めるのは試験当日の点数です。
なので、勉強時間の目標を設定したりすることは有効な方法ではありますが、その勉強時間を達成することだけに囚われてしまい、内容がおろそかになってしまっては本末転倒です。
受験勉強において大切なことは何時間勉強したかではなく、なにを勉強でモノにできたかです。
今回の記事では中学受験を控えたお子さんたちの勉強時間について紹介していきますが、あくまで目安のひとつという感じで捉えていただければと思います!
大手塾の授業時間
受験勉強において大切なことは何時間勉強したかではなく、なにを勉強でモノにできたかと言うことだと先程も述べましたが、この点においては大手の予備校に通っている場合にはそこまで心配いらないでしょう。
大手の予備校では中学受験で勝ち抜くことだけを目的にしているわけです。
その目的のために特化したカリキュラムが用意されており、最短のルートで、効率の良い勉強を進めることが出来るでしょう。
それでは大手塾3社の勉強時間について確認していきましょう。
大手塾3社での授業時間は以下のようになっています。
大手塾の授業時間
大手塾の勉強時間について、「SAPIX・日能研・早稲田アカデミー」の時間割を参考にして紹介します。
- SAPIXの1週間の例
SAPIXでは、クラス替えが頻繁に行われます。クラスによって授業の内容も変わるので、より高いレベルの中学校を受験しようと考えている方は、テストに毎回本気で取り組んで、上位のクラスを維持する必要があります。
クラス替えがあることで中だるみを防いだり、授業の復習を自発的に行い、知識が定着しやすくなります。そのためSAPIXでは東京御三家をはじめとする難関校に、多数の合格者を排出しています。
- 日能研の1週間の例
日能研は、低学年向けの本格的な授業を開講していません。
一方で「勉強は楽しい」「知的好奇心を育てる」ための授業をしています。
本格的に受験勉強をさせたくて日能研に通塾したいという方は、4年生になってから申し込みを行いましょう。4年生になると1日4科目の授業を週に2日行います。
勉強が楽しいと思えないと、4科目の授業を受けるのはなかなか大変かもしれません。
なので低学年時には「勉強は楽しい」「知的好奇心を育てる」ことに重点を置いた授業をしているということもあるかもしれませんね。
- 早稲田アカデミーの1週間の例
早稲田アカデミーは熱血指導が有名で、やる気のある生徒にはとことん注力してくれます。
競争心を刺激し授業への集中力を高めるため、学力に応じた少人数クラスを編成しています。
ここ数年は、早慶だけでなく御三家や筑波など難関中学校への合格実績を伸ばしています。
※コースやクラスにより異なります、あくまで1つの参考です。
比較してみて…
大手塾3社の時間割をみてきましたが、いかがでしたでしょうか?
それぞれの塾によってかなり授業時間や週あたりの回数にばらつきがあることがわかるかと思います。
もちろん、勉強をしている時間というのは塾の授業の時間だけではありません。
この塾での授業時間に加えて、家庭などでの自主学習の時間が追加されます。
そこで次は塾での授業時間に自習学習などの時間も加えたより詳しい受験生の勉強時間についてみていきましょう。
実際の所…何時間勉強してるの?
では、この記事の本題ですね。
実際周りの受験生は、そして実際に中学受験を勝ち抜いたお子さんたちはどれくらいの時間勉強していたのでしょうか?
もちろん、目指している学校の難易度によって変わるのは間違いないですが、ひとつの目安として紹介させていただきます。
小学4・5年生の場合
- 平日 2〜4時間
- 休日 3〜6時間
小学6年生の場合
- 平日 2〜6時間
- 休日 5〜10時間
※学校での授業時間は除く
これくらいの勉強時間を積んでいる小学生が多いようですね。
いや、すごいですね…私が小学生のときなんて10分も机と向き合えれば良い方でしたよ(笑)
もちろんこれはいろいろなレベルの学校を目指しているお子さんが入り混じっている指標のため、例えば御三家のような最難関校を志望する生徒であればもっと多い時間になることが予想できるなど多少の差異はありますが、概ねこれくらいと言った認識で良いかと思います。
学年に応じた勉強時間ってあるの?
そもそも学年に応じた勉強時間の差はあるのでしょうか?
おそらく多くの人が学年が上がり、受験が近づくにつれてそれと比例して勉強時間が増えるという印象でしょう。
これは確かにその傾向があるので正しいことです。
ですが、学年が上がるにつれて勉強時間を増やす事が必ずしも正解というわけではありません。
学年に応じて勉強時間を変えることよりも下記のポイントを抑えることが重要です。
学年よりも受験勉強をはじめてからの期間で考えるべき
学年ごとに勉強時間をきめるというよりも、受験勉強を始めてからの期間で考える方法がおすすめです。
受験勉強を始めてからの期間、さらに言うと今までに積み重ねてきた受験勉強の総時間から考えるのが適切です。
ここからは、あくまで勉強時間に限った話として聞いてください。
例えば、早期から中学受験を見据えていたA君は毎日2時間の勉強を小学4年生から続けてきました。
一方、B君は小学6年生に進級したタイミングで受験勉強を始めたとします。
二人の間にはすでに約1500時間の差がついているわけです。
大学受験の話にはなってしまいますが、世間ではMARCHに合格するには2000時間、早慶に合格するには3000時間の勉強が必要なんて話も聞きます。
ここでは仮に偏差値60の中学校を志望校に定めたとして、勉強時間の目安が1500時間であったとしましょう。
ここではあくまで勉強時間の観点では、A君はすでに達成していて、B君はこれから一年間で1500時間の勉強時間を積み重ねていかないといけないわけですね。
となると、当然、A君の3倍勉強しないとB君は同等の学力レベルに達せないということですね。
この様にそれぞれのお子さんの今までの勉強時間によって目標とすべき勉強時間が変わるというのは当然のことと言えます。
ですので、学年によって勉強時間を変えるというよりは、今までの勉強時間を考慮してあとどれくらいの勉強時間を設定するのが良いのかを考えるといいでしょう。
とは言っても、受験が近づくにつれて勉強時間が伸びていくのはごく自然なことではありますが…
授業は勉強?
「学校の授業は勉強ですか?」
答えはもちろん「YES」ですよね、当然学校の授業も勉強です。
ですが、受験勉強かという話になると答えは「NO」ですね。
学校の授業は受験勉強ではありません、中学受験に限った話ではありませんが、学校の授業というのは文部科学省の作った学習指導要領に則って進められていて、「必要最低限これだけは学習しよう」というラインなわけです。
なので私立の進学校の中・高などならまだしも、中学受験においては学校の授業時間は受験においての勉強時間には含まないのが適切と言えます。
子供の健康と睡眠時間
ここからは少しベクトルを変えて中学受験における勉強時間と合わせて、睡眠時間についてもお話していきたいと思います。
中学受験に合格するためには当然勉強は大切ですが、睡眠時間を削ってまで勉強をさせてしまうと勉強の効率が落ちてしまいます。
睡眠時間が減ると、成長期の発育阻害、代謝の悪化、疲れやすい、免疫力の低下など、お子さまの心身に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。
わかりやすいのが定期テストなどの一夜漬けですね。
私もよく中・高生のときに経験がありますが、朝まで勉強してパンパンに詰め込んでも睡魔などで脳みそが全く働かず、テストは結局ダメダメ…
こうならないようにしっかりと睡眠時間を確保することが大切です。
受験生活だけでなく今後の人生を考えると睡眠時間を削って勉強することは全くおすすめできません。
それでは子供の健康を守るためには、睡眠時間がどれくらい必要なのでしょうか?
小児期に必要な標準睡眠時間
…思ったより長い!!!
びっくりしました(笑)
8〜10時間の睡眠が推奨されているんですね。
ですが私の意見としては、もちろんこれを参考にして長く睡眠時間を確保するのは大切ですが、受験期の睡眠時間についてより大切だと考えることがあります。
それは自分に合った最適の睡眠時間を見つけることです。
上記の時間寝てしまうと私だったら逆に頭がボーっとしたり体がだるくなったりしてしまいます…
実際私は大学受験の際は毎日4時間半睡眠の生活を1年弱していました。
これが自分の見つけ出した一番調子のいい時間でした。
有名な話だとタレントの武井壮さんが45分間の睡眠を1日で3回取るなんて話が有名ですね(さすがにこれかなり特異だと思いますが…)
要するに、長くても短くても起きている間の活動(勉強)のパフォーマンスを最大限高めてくれる睡眠時間を見つけようってことですね。
体内時計の話
朝方、夜型の人って少なからずいますよね。
受験生でも夜型の人ももちろんいます。
ですが、基本的には受験生に夜型はおすすめしません、小学生なら言語道断ですね。
朝になると目が覚め、日中は活動し、夜になると眠くなる基本的なパターンを毎日過ごしていると思います。
これは体内時計が働いてくれているおかげであり、ほかにもホルモンの分泌や自律神経の働きなど、全身の機能も調整してくれています。
睡眠不足や不規則な生活をしていると、体内時計が上手に働かず、疲労感や集中力の低下など身体に悪影響を及ぼします。
そして、いつかは必ずパフォーマンスの低下に繋がります。
ついつい夜遅くまで勉強をしてしまったりということがあるかもしれませんが、小学生が朝方の体内時計を作れるように心がけましょう。
週末に沢山寝れば問題ない?
「平日の睡眠時間が短くても、週末にまとめて眠れば問題ない」と考える方もいると思いますが、それは間違いです。
体内時計は日々のパターンを記憶しているので、平日と休日の過ごし方が変わってしまうと上手に働いてくれません。
帰宅した後に夕方仮眠したら勉強の効率は上がる?
結論から話すと、勉強の効率は上がります。学校から疲れて帰宅して、そのまま勉強するよりも、仮眠してスッキリした状態の方が集中力が増加するためです。
ただし、仮眠を取るのであれば、20分以内にしましょう。20分以上寝てしまうと、体内時計が夜型になり、夜寝ようと思っても寝付きが悪くなることもあるためです。
理想的な中学受験をする子の1日のスケジュール
睡眠が大切であることを踏まえた上で、中学受験をするこの理想的な1日のスケジュールを紹介します。塾の有無や平日・休日のパターンに分けて紹介しますので、参考にしてください。
- 平日に塾がある日
- 土日に塾がある日
- 平日で塾がない日
- 土日で塾がない日
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4パターンの1日のスケジュールが詳細にわかる
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上記4つのパターンにおける理想のスケジュールモデルを掲載!
実際にスケジュールを立てる際の注意点なども詳細に解説してあります!
スケジュールを制して受験も制しましょう!
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重要なのは時間の設定より…
中学受験においては勉強時間の目標を細かく設定するよりも、より効果的で重要なのは質の高いスケジュールを作成することです。
塾でも、受験ブログでも、受験情報誌でもことごとくこれは言われてますね。。。
周りのライバルたちと勉強時間を競うよりも、お子さんに向き合ったスケジュールを作成する方が圧倒的に志望校合格というゴールに繋がるかと思います!
質の高いスケジュールを作成する事ができればお子さんの受験勉強へのモチベーションのアップや、勉強の効率の大幅アップにも繋がります!
最後に…
いかがでしたか?
今回は中学受験の勉強時間について、そしてそれに付随して睡眠時間や一日の時間割についてもお話してきました。
ですが、冒頭にも述べたように、重要なのは何時間勉強してきたかではなく本番の試験で何点取れたかです。
誰よりも勉強時間を積んできたお子さんが落ちてしまうことだって容易に起こりえます、受験とはそういうものです。
ですが、結局勉強をとにかくすることが中学受験で勝ち抜く唯一の方法です。
なので勉強時間に囚われすぎずに、日々勉強を積み重ねて行きましょう。
そうすれば勉強時間もあとから付いてくるはずです。
ここまで読んでくださったみなさんにはコツコツと着実に勉強を積重ねて合格を掴み取っていただければ幸いです!