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センター試験廃止で2021年からの入試はどうなるのか?

センター試験廃止で2021年からの入試はどうなるのか?

こんにちは。本当に今年は災害が多い年で嫌になってしまいますね。
身の安全の確保が当然最も大切なのですが、強い雨や風の音で勉強に集中できないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
適度に気分転換して、焦らずに頑張っていきましょうね。

さて今日のテーマは、2017年に決定されたセンター試験廃止についてです。
現在大学入試センターが実施しているセンター試験ですが、2020年の1月の実施を最後に廃止となり、2021年からはセンター試験に代わる新しい大学入学共通テストが導入されることになりました。
(問題作成はこれまでと変わらず大学入試センターがおこないます。)

今回は、センター試験の廃止によって何がどのように変わっていくのか見ていきたいと思います。
(この記事は2018年に執筆された記事です。)

まだ決まっていない部分も多い


奥まった道路

高校教育・大学教育の変革が叫ばれて久しい昨今において、センター試験の廃止は長年検討されてきたことでした。
それだけに、今回の廃止の決定に関しては「やっと」という声もある一方、いまだに反対意見も根強いのが事実です。

センター試験廃止に伴う変化について十分な情報を集められていないために、他の受験生に差をつけられる(もしくはすでに差がついてしまっている)のではないかと心配になっているのではないでしょうか?
ですが現時点で「十分に情報収拾ができている」人はいませんので安心してください。

テストの方向性が示されていないのは、受験する側としては不便ですが、おそらく今詳しい情報を手にしている人はほとんどいないでしょう。

記述式問題を導入


紙に書かれた電球

新しい大学入学共通テストに伴う大きな変更点の一つは、記述式の問題が導入されることです。
まずは国語と数学、数年後には英語においても導入する予定だということです。

数学の問題は、教科書や問題集などに出てくるいわゆる「文章題」とあまり変わらないです。
イメージ問題に、
「スーパームーン」(2016年に話題になった、月の軌道における地球への距離が最小になるタイミングに満月または新月が重なり、地球から見た月の大きさが最大になる現象)
が登場するように、日々の生活の中で見られる現象や生活に密接に関わる事柄に関連した問題が多く登場するようになると言われています。

これは、「数学の良さ・おもしろさ」を受験生に伝える意図があるためと言われています。
また国語の記述式問題では、およそ80〜100字程度の記述が求められます。

イメージ問題からもわかるように、グラフを読んで分析する文章を書くなど、数学や他の教科における知識や思考を利用して考えを表現する、といった、教科をまたがって深い思考を促す問題が出ると言われています。

ちなみに、「100字程度の文で表現力が測れるのか」といった批判も根強いことから、今後さらに記述の字数は増える可能性がありますが、おそらく当分は100字程度で収まるでしょう。

英語の4技能


辞書と地図

英語においては、従来のリーディングとリスニングだけでなく、ライティングとスピーキングを含めた4技能を測るようになります。
英語においてはこの4技能を測るために、民間の英語資格試験の結果を利用できるようになることが話題になっていますが、実は大学入試センターの方でも従来通り独自問題を作成します。

現時点で発表されている情報を見る限り、民間の英語資格試験を利用するか否かは受験生の選択に委ねられているようです。

民間の英語資格は受験料が決して安価でないことから、経済的不公平が生じるとして批判もあります。
また大学入学時に必要な英語力を、ビジネス用途の資格試験で果たして測れるのか?と心配する声もあがっています。

東京大学は民間の英語資格試験の結果を採用しないと決定しました。
英語については今後、大学ごとに方針が発表されますので、志望校決めの重要な要素として注目していてください。

イメージ問題では、ライティングとスピーキング共に、何か一つのテーマについて賛成か反対か自分の意見を述べ、理由も説明するということを求められています。
そのため新しいテストでは、自分の考えをまとめ、根拠を示しながら伝えられる力が必要となるでしょう。
ライティングの問題は、いわゆる英文エッセイ課題といえます。

今後高校の英語の授業でも、英文エッセイを書く訓練が多く行われたり、課題が出たりする機会が増えるのではないでしょうか。

変革の背景


夕暮れの風景

ではなぜ、大学入試においてこのような変革が行われるのでしょうか。

現在高校教育では、「学力の3要素」を身につけることが重視されており、新しい大学入学共通テストでは、この「学力の3要素」がよりいっそう身につくようにする狙いがあります。

学力の3要素 =
1. 十分な知識・技能
2.それらを基礎にして、答えが一つに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力などの能力
3.それらの基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

またさらに国立教育政策研究所は、この「学力の3要素」を、「課題を解決するための」資質・能力という視点で構成し直し、「21世紀型スキル」として提案しています。
21世紀型スキルは、「実践力」「思考力」「基礎力」の3つで構成されます。

まず実践力とは、自らの行動や生き方を主体的に調整・選択し、他者と効果的なコミュニケーションをとり、社会の一員としての自覚を持って行動する力を意味します。

その実践力を支えるのが思考力です。
思考力とは、
・論理的、批判的に思考して問題を発見・解決する力
・新しいアイデアを生成したりする創造力
・自分の問題解決法や学習方法を振り返るメタ認知
・また次は何を学ぶべきか見つけ出す適応的学習力
などから構成されます。

そしてさらにその思考力を支えるのが、基礎力となります。
基礎力とは、読み書き・計算・知識といったものを状況に応じてツールとして使いこなす力を指します。

最近では、ICTスキル・情報リテラシーも、そう言ったツールに含まれる重要な要素だとされています。

ここまで「学力の3要素」と、それが元になった「21世紀型スキル」について説明してきました。
センター試験廃止&大学入試変革の狙いは、こういった力をより身につけさせるところにあるのです。

特に大学入学共通テストでは、思考力・判断力・表現力・主体性を重視しています。
そのため、
数学や理科は
・生活の中の体験
・身近な話題
英語は
・スピーキング
・ライティング
国語と数学は
・記述問題
が登場する、というわけなのです。

最後に


麦と山

教育の変革や大学入試制度の改革は、長年にわたって議論されてきた大きなテーマでした。
それだけに、実際にセンター試験廃止→新たな制度導入となると、様々な意見が噴出してまとめきれておらず、公になっている情報も未だ少ないのが現状です。

筆者は失敗した政策と言われている「ゆとり教育」を受けた世代です。
いつの時代も教育機関に振り回されるのは、「結局主人公であるはずの生徒だよなあ。」とやるせない気持ちになります。

欠陥があると言われた教育を受けて、親の時代には存在しなかった不安に苛まれながら生きて、けれどもなんとか自分の足で立って、ささやかながら幸せといえる生活を送ることができています。
もちろん今幸せになれていない同世代もいるし、筆者も今後不幸のどん底に陥る可能性だってあります。
それでもなんとかやるしかないし、大丈夫じゃないかなと思っています。

ゆとりゆとりと馬鹿にされながらも、一生懸命勉強したり働いたら、「頑張ってるね。」と人に評価してもらえて、自信がつきました。

もしもこれから施行される教育制度や共通テストに欠陥があったとしても、一生懸命勉強に取り組んでいるあなたのことを、きっと誰かが見ているし、わかってくれる人がいます。

不安なことがたくさんあっても、今まで頑張ってきた自分や、未来の自分を信じて、毎日の勉強に取り組んでいきましょう!