現代文模試の作成も担当されていたkuroオンライン家庭教師に実際にオンラインでどのように現代文を指導しているかインタビューしました!
--本日はよろしくお願い致します。先生は現代文の指導が多いんですか?
そうですね、主に文系の科目全般の指導が可能ですが、国語の教材制作、模試制作をしていたということもあり、ご希望いただく科目は国語、とくに現代文が多いです。
--今はどのくらいの生徒さんを担当されていますか?
以前は、対面指導なども行っていたのですが現在はオンラインのみで指導を行っており、短期・継続合わせて約25人担当しています。(2020年5月現在)
生徒さんの学年・目的でいうと、高校受験も担当しますが、中学受験と大学受験を控えている生徒さんの対応がかなり多いですね。
--25人全員オンラインはすごいですね!オンライン指導を始める前ってご家庭からそこまで抵抗は無かったのですか?
最初からオンライン指導を探されているご家庭が多かったので、そこは問題なかったですね。ただ私自身もはじめた5年前は、今ほど周囲にオンライン家庭教師がいる状況ではなかったので、少しずつノウハウを身に着けていきました。
依頼されてくるご家庭の話を聞いていると、現代文の指導ができる先生って少ないみたいなんですね。オンライン家庭教師だとそういった面でも、住んでいる場所に関係なく先生を探せる点がメリットの1つです。
Adobe社のIllustratorというデザイン用のソフトを使って、画面共有をしながら板書していくスタイルで指導しているのですが、最近は恐らくオンラインのほうが対面よりも指導しやすい気がしています。
(実際にkuro先生が授業時に映し出す板書例)
--現代文の場合、教材はどのようにされるのですか?
基本的には過去問や市販の問題集などを扱うので、ご家庭で持っていなければ購入いただき、逆にご家庭からこの教材で教えて欲しいというご依頼であれば、こちらで準備して進めていきます。
オンラインの方がむしろ指導しやすい
--現代文のオンライン指導の場合、どのような流れで指導していくのでしょうか?
基本的には先に生徒さんのほうで問題を解いていただき、それをスキャン(もしくは写メ)したものを授業前日までに送っていただきます。そちらの解説を60分〜90分授業で一緒に進めていく感じですね。
(kuro先生の板書例)
--色分けをする理由は?
単純に分かりやすくするためですね。
この解説でいうと、3つに整理することを行っています。心情の変化の「前」「きっかけ」「後」という感じですね。
正直、こういうふうに書き込んでいくのは手書きより圧倒的にキレイで早いし、こちらとしても慣れていて楽です。
現代文は、筆者がどういうことをどういう道筋で考えているか、その根拠をていねいにたどっていくことが重要です。
板書で色分けするなどして分かりやすくしながら、同じ画面を生徒さんとリアルタイムで共有して指導を進めていくことは、オンラインでの指導ならではだなと感じていますね。
--なるほど。
また、家庭教師の役割の1つとして「この問題はここまでは出来る必要がある」、逆に「これ以上は出来なくてもポイントさえおさえてくれれば次に進んでよい」など、問題ごとに合格ラインを作って導いていくことも重要だと思っています。
特に中学受験は、そういった点などもしっかりリードしていく必要がありますね。
「納得」を積み重ねていく
--先生が生徒をリードしていく上で、心がけていることはありますか?
よく思うんですが、生徒さんは全体像がわかっていないことが多いので、「すべての問題を100%理解しないといけないのに、解説を見ても全く理解できない。だから国語は苦手だ」と思いがちだということです。
こうした状態は、ある意味、生徒さんが国語の問題に「主導権を奪われている」と思うんです。でも、本来は、「主導権」は生徒さん本人にあるべきです。
どういうことかというと、国語の読解の学習は、「自分が正しい答えにたどりつけたかどうか」というよりも「自分がその答えの出し方に納得したかどうか」を基準にすることが重要なんじゃないかなと思います。
その「納得」は、最初は正しくない部分もあるかもしれません。しかし、継続していけば、その「納得」を積み重ねていくことで、徐々に正しい方向に軌道修正されていきます。逆に言えば、そのプロセスを踏んでいかない限り、自力で正解を出せるようにはなりません。
ポイントは、「徐々に」正しい方向に向かうということです。「国語は、短期間で成績が上がらない」とよく言われるのは、そういう事情があるんだと思います。
たとえ、いくら先生が「正しい解説」を行ったとしても、それがご本人の「納得」の役に立たなければ、意味がないと思っています。
現代文読解は毎回同じ「作業」の繰り返し
--現代文の指導依頼で、毎週オンライン指導をされる生徒さんなどもいるかと思うのですが、現代文の場合ってどのような指導スケジュールになってくるのでしょうか?
毎週、繰り返し新しい読解問題にチャレンジしていきます。評論、小説、随筆、などの単元に分けることはありますが、他の科目のように単元毎にスケジュールを組んでいくというよりは、毎週毎週新たな問題を生徒さんに解いていただき、その解説を一緒に考えていきます。
毎回、解答していく「作業」は同じ内容といっていいほど単純なんです。でも、初めて見る文章だと、なかなか正しく「作業」できないんですよね。
--具体的には、どういう作業なんですか?
一つご紹介すると、抽象的な表現や比喩表現を、くわしく具体化すること、です。
例えば、ある文章で、「さくら」ちゃんという名前に込めた思いを説明していたとして、「『さくら』という名前に込められた思いを説明せよ」、という問題があるとします。
(kuro先生の板書例)
その時に説明として必要なのは、
①「桜」についての説明=比喩
と、
②「思い」の説明=具体化
この両方です。
このように比喩表現を具体的に説明するためにどうすればいいか、を一緒に考えて、そこで考えたことを「次の問題にどれだけ活かすことができるか」を見ていきます。
--なるほど、少しずつ分かってきました!ただ私もそうだったのですが、現代文が苦手だったとしてもどの点が苦手なのかって、現代文という科目は自己分析がなかなかできなかった苦い記憶があります...。
そうですね、現代文の指導を希望される生徒さんの中にもやっぱり「何から始めていけばいいか分からない」と悩まれている生徒さんもいます。
特に記述問題や作文などで、どのように勉強していいか分からないというお問い合わせは多いですね。記述や作文などは、一律に○や×をつけられる問題ではないので、やはり信頼できる指導者に細かくアドバイスを貰いながら添削をしてもらうことが1番効果的です。
通信教育の添削とオンライン家庭教師による添削との違い
--添削においては通信教育などでも可能だと思うのですが、オンライン家庭教師の添削の良さはどこにあると思われますか?
もちろん料金などは通信教育などのほうが安いでしょうが、添削をするまでの過程を生徒さんと共に進められる点ですね。そうすれば、なぜその答えを選んだのかを自分で説明できるくらいまでに理解を深めることができます。
よくあるのは間違って、解答をみて、「何となく」理解して終わり。これでは次に向けた作戦、武器が何もないまま進んでいくので、先につながらないんです。
--確かに、答え合わせをして、なんだかしっくり来ないけど、まあそういうものなのかなと片付けた記憶は多いです・・・笑
そうなんです。筆者や話題によって、いろんな文章がある中で、常に正解を見つけ続ける力は、一朝一夕では身につかないですよね。
だからこそ、文章を読んでいく中で細かく思考の過程を一緒に確認していきながら、すべての文章に共通する読み方を毎回毎回確認していく。そしてそれを踏まえて次の問題にチャレンジしてみる。そういうプロセスの中で添削指導していくことのメリットは大きいと思います。徐々に本質的な力がついてきます。
その部分をリアルタイムできめ細かく見ていくことができる点が、通信教育と違うところなのかなと思います。
--現代文は答えを探していく過程を丁寧に確認・修正していってこそ、初めて力がつくのだということが分かりました。kuro先生、本日はありがとうございました!