国語

「ことばの海にもぐる」とは?

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2021/2/11

 はじめまして。五十嵐と申します。自己紹介等はページをご覧いただければと思いますが、簡単に。

 元中学校の国語科教員でした。大学時代の専攻は中世女流日記文学という古典の中でもニッチな分野でしたが、古典全般が好きで、広く学んできています。もちろん、現代文についてもしっかり学んできましたし、中高の国語教員免許だけでなく、小学校の教員免許も持っています。

 国語の教員ながら、フィリピン・セブ島に1年住んだり、現職も英語を使って仕事をしていたりする「ことばの専門家」とでもいうような感じです。


ことばの学習はシュノーケリングだ!

 さて、本題です。自己紹介動画で「ことばの海にもぐること」を私はお話ししました。ここでの「ことば」は英語も日本語もその他の言語も含みこんでいます。私のイメージではことばの学習はシュノーケリングなんかに近いように思っています。はじめはシュノーケリング用のゴーグルの使い方も分かりませんよね。どうやって使えばよいかを習い、どうすれば息ができるかを自分で確かめ、実践してみるということを何度も繰り返して、徐々にシュノーケリングで行ける場所が増え、深いところにも潜れるようになりますよね。そこが、ことばの勉強に近いのです。もう少し具体的にお話ししましょう。


「ことばの海」にもぐってみよう!

 世界はことばでできています。良く上げられる例の一つを挙げましょう。次の動物は何と言いますか?

出典:いらすとや(https://3.bp.blogspot.com/-cayPzg7dMlU/UUGt-HPuSgI/AAAAAAAAO2c/_LlBdHXqMLw/s1600/wani_close.png)


 日本語であれば「わに」だと思います。しかし、英語では「クロコダイル(crocodile)」「アリゲーター(alligator)」「ガビアル(gharial)」の3つに分かれます。英語での区別については、様々なサイトで紹介されているので、気になる人は調べてみてください。

 なぜ、こんなことが起こるのでしょう?不思議に思いませんか?ここに言葉の面白さがあると思います。

なぜこんな違いがあるの?

 ここからは私の推測ですが、たぶん日本のご先祖様は上のような動物を英語のように3つに見分ける必要がなかったのだと思います。なぜなら、おそらく日本に「わに」はいなかったから。一方で、英語を使うイギリスやアメリカでは、この動物が生息しており、何かの目的で見分ける必要があったのでしょうね。だからこそ3つも名前があるのです。

 ちなみにですが、『古事記』『日本書紀』などの昔の日本語で「わに(和邇)」は「さめ」のことを指すこともあります。「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の話にもこの「わに」は出てきます。このお話の舞台である島根県の出雲地方では、今でも「さめ」のことを「わに」と表現する方言が残っていますよ。


「ことばの海にもぐる」とは

 この「わに」の話、どうでしょうか?聞いたことなかった!と言う人も多いのではないでしょうか。「当然知っている」と思っていることばでも、時代や場所によってそれがさすものは大きく変わります。これが少しずつ小学校からステップアップしているだけなのです。小学校で現代の日本語の世界にもぐり、中学校では英語の世界にももぐり、高校では昔の日本語の世界にもより深くもぐるという体験をみなさんはしているのです。


私の授業について

 この「ことばの海にもぐる」という感覚について少しご理解いただけたでしょうか。私の授業では、このようにことばと向き合い、より深みへ自分の力でもぐれるお手伝いをしようと考えています。ご興味のある方は、是非お気軽にお問い合わせください。


ことばの発信者として

 今後、ブログではこのようなことばに関することや、国語・英語の勉強法について発信していきたいと思います。どうぞお付き合いください。また、授業へのお申し込みもお待ちしております。

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