国語を軽視する受験生たち

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2023/3/8

大学入試で課される教科のうち、主要な三教科は英語・数学・国語ですが、なかでも、受験生たちが重点的に勉強するのは英語と数学でしょう。

予備校や塾、家庭教師における需要を見ても、その傾向は顕著です。

英語と数学は年間を通して学ぶ一方、国語は受験日が近づいてきてから手をつけるという受験生が多いのです。


受験生たちが英語と数学に力を入れることは当然、間違った判断ではありません。

しかし、主要三教科のうちで国語だけ、おろそかにされ、後まわしにされることが多い現状には、疑義を呈する必要があると感じます。


「国語は日本語だから何とかなる」とお考えの方も多いのではないかと思いますが、蓋(フタ)を開けてみたら「どうにもならなかった」ということになりかねません。

「国語はセンスだから勉強してもしょうがない」というのも間違いです。

学ぶべきことをきちんと学び、根拠のある答えを導き出す訓練をする必要があります。


軽視されがちな国語の共通テストの平均点は105.74点(2023年度/河合塾Kei-Netより)。

およそ半分の正解率でしかありません。

平均点を取ることができた受験生も、日本語で書かれた文章について日本語で問われた問題に対して、半分近く間違って答えているわけです。

「どうにもならなかった」という受験生がたくさんいたのではないでしょうか?


現代文の点数は、きちんと勉強したとしても、すぐには伸びないことが多いです。

漢字や語彙・専門性の高い文章を読むための知識・読み方・解き方を定着させるためには、それなりの時間がかかります。

古文では、古文単語・古文常識・古典文法などを覚えたうえで、読解問題を解く訓練が必要になります。

漢文は最も短い期間で対策可能ですが、それでも、語順や句形(句法)・漢文常識などを覚え、読解問題を解く訓練は必要ですから、少しずつ勉強しておいた方が無難です。

(共通テストなら)高得点~満点がねらえる漢文でしっかり点数を稼げないと、大きな損失になります。


現代文・古文・漢文のどれであっても、基本的な知識を押さえたうえで、読解問題を解く訓練をするという手順に変わりはありません。

これは、皆さんが英語の勉強でしていることと大差ありません。

(他の先生もブログに書かれていらっしゃいますが)英単語や英文法を覚えずに、いきなり長文読解ができる受験生はいないはずです。

ですが国語となると、基本的な知識を覚えたり、読解の方法を学んだりすることを軽視して、なんとなく文章を読み、なんとなく解こうとする受験生が多いのです。

それでは文章の構造や内容を理解できず、点数が伸びないのも当然ではないでしょうか?


さて、ここまで読んできて、皆さんはどのように感じましたか?

国語の勉強にもそれなりの時間がかかることを、ご理解いただけたのではないかと思います。

実は、早めの対策が必要なのです。


ちなみに、多少難しいと感じる文章でも読めるようにしておくと、大学に入ってからの苦労が軽減されます。

大学では卒業論文を書く力を求められることになりますが、その前提として、専門書や学術論文を読んで正確に理解できなければなりません。

また、専門分野以外の授業でもレポートを課されることがありますので、様々な分野の参考文献を読む機会があります。

大学入試までに現代文の読解力を身につけ、たくさんの文章を読む訓練をしておくと、大学で学ぶうえでの基礎力が養われます。


こうした点も含めて、国語の勉強はおろそかにしてほしくないのです。

英語や数学、その他の教科の勉強も大変だとは思いますが、ぜひ、国語の勉強についても見直してみてください。

・早めに勉強を始めましょう!

・コツコツ積み上げるつもりで勉強しましょう!

・何を身につけるべきなのかを意識して勉強しましょう!(必要ならば指導を受けてください)

その努力は決して無駄にはならないはずです。 

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