【インタビュー】気象大学校
気象大学校 教授(教務課長) 蠣原 弘一郎様にオンライン家庭教師マナリンクがインタビューさせて頂きました!
蠣原様は気象大学校卒業後、気象庁において主に情報通信、航空気象、国際関連の業務に従事されました。
現在は気象大学校でコミュニケーション演習の講義のほか、教務課で教務関連事務や広報、採用試験事務などを統括をされています。
御校の校風を教えてください
気象大学校は気象庁の職員に対して気象業務に従事するために必要な教育及び訓練を行う気象庁の施設等機関です。
学生採用試験によって国家公務員として気象庁に採用された職員(学生)に対して、気象業務の基盤となる地球科学、基礎学術、一般教養に加えて、防災行政など気象業務への理解を深める科目を教授しています。
将来の幹部職員として必要な知識・技術を身に付けて、気象業務に関する技術開発や企画・指導を行うことのできる人材を育成しています。
気象分野において優れた人材を確保したいという考えのもと、1922年(大正11)年に中央気象台(現気象庁)附属測候技術官養成所として設立されました。
その後も時代の変遷とともに、気象技術官養成所、中央気象台研修所、気象庁研修所、気象大学校と名称や構成を変えながら、それぞれの時代において気象業務の中核を担う人材を養成する場として、今日までその役割を果たし続けています。
2024年(令和5年)には、長年にわたる功績が認められ、第36回人事院総裁賞(職域部門)を受賞しました。
気象大学校では、気象、地震火山、海洋等、気象庁の業務に関連した専門的な教育を入学金、授業料無しで受けることができます。
また、学生の身分は『学ぶことを仕事』とする国家公務員でもあり、毎月の給与や期末手当(いわゆるボーナス)も支給されます。
制服もなく自由な校風であり、課外活動も盛んで、勉学以外でも楽しい時間を過ごしています。
御校の募集要項やアドミッション・ポリシーについて教えてください
気象大学校に入学するためには、人事院が行う気象大学校学生採用試験(高等学校卒業程度の入学試験)に合格し、採用される必要があります。
採用試験は第一次試験(学科試験(多肢選択式、記述式)、基礎能力試験(多肢選択式)、作文試験)と第二次試験(人物試験)があり第一次試験は全国11か所、第二次試験は全国6か所で行われます。受験料は無料です。
最終合格者は採用候補者名簿に得点順に記載され、この名簿の中から採用者(入学者)を決定します。
https://www.mc-jma.go.jp/mcjma/educational/adopt.htm
気象大学校のカリキュラムは文部科学省の大学設置基準に準じた教養、基礎、専門の各系列の科目を教授する教育課程、実習と講義を通して気象業務の基礎を教授する特修課程から構成されています。
教育課程では大学設置基準に準拠した人文科学、社会科学、外国語などの一般教養および数学、物理学、気象学、地震・火山学などの基礎・専門の学術を学びます。
また、特修課程では、防災行政、業務演習、観測実習、職場実習などの気象業務に必要な専門知識および技術を学びます。
卒業すると学士(理学)の学位を取得することができます。
https://www.mc-jma.go.jp/mcjma/educational/educat.htm
御校の教育課程はどのような生徒様におすすめか教えてください
気象大学校の教育では主に地球物理学を学ぶことで、地球上の自然現象を物理的手法を用いて理解し解明することを目指しています。
また、特修課程を通して将来気象庁の業務に従事するにあたって必要な知識を実践的に学んでいきます。
数学や物理学、地球科学に興味のある生徒様、自然災害から国民の命を守る気象庁の業務に興味のある生徒様におすすめです。
御校にあるイベントを教えてください
【地上気象観測実習(1年生)】
地上気象観測を行うことで、気象現象と観測・予報業務に対する科学的な関心を喚起し、今後の学習に向けた意欲を高めます。
【火山観測実習(2年生)】
火山観測とそれにより得られたデータの解析、また過去の噴火の痕跡や遺構などの見学を通じて火山への理解を深めます。
【本庁職場実習(3年生)】
気象庁の業務の中核を担う本庁の職場でインターンシップを行うことで、気象業務に関する知識のより実践的な理解、防災に対する現場のあり方や業務管理の重要性等を体得します。
【地方気象台職場実習(4年生)】
地域防災支援の最前線である地方気象台の職場へのインターンシップを行うことで、気象業務に関する知識のより実践的な理解、防災に対する現場のあり方や業務管理の重要性等を体得させるとともに、気象庁職員としての使命感を醸成します。
その他、気象庁の様々な官署や施設の見学(全学年)や海洋気象観測船への体験乗船(4年生の希望者)などもあります。
御校の自慢ポイントを教えてください
学生1人に対する専任教官の割合が高いことです。
気象大学校には、国内外の様々な学会の専門委員会の委員に就任している教官が多数いるほか、気象庁の要職への就任経験や国際機関の専門家チームの委員の経験を持つ教官、テレビ出演の経験がある教官も在籍しています。
1年生のうちからセミナーを受講することができ、興味があるテーマを自分で選んで教官のサポートを受けながら深く学習することができます。
また、卒業研究では興味を持った分野の卒業研究課題について、経験豊富な専任教官から一対一で指導が受けられます。
卒業研究の成果については、論文にまとめるほか、気象庁本庁で幹部や専門知識を持った職員に対してポスター発表をしたり、国土交通大臣に概要を説明したりする機会もあります。
研究成果を大学院生などに混じって学会で発表する学生もいます。
2024年度日本気象学会秋季大会では当校学生(4年生)が、独創性が高く顕著な成果の得られた研究に関し優れた発表をした学生を顕彰する「松野賞」の受賞者に選ばれました。
https://www.mc-jma.go.jp/mcjma/topics/topic_20241220.htm
教育に対する熱意や教育方針などを教えてください
気象大学校では、気象業務の第一線で活躍した経験を持つ教官による手厚い教育が受けられます。
また、少人数であり、学生全員に目が届くことから、困ったことや分からない事に対して教職員がきめ細やかなサポートをしています。
気象大学校での4年間の教育を通して、卒業後すぐに即戦力として活躍が期待でき、将来指導的な立場になったときに幅広い視点で物事を考えることのできるような人材を育てています。
最後に、生徒様・保護者様に向けてメッセージをお願いいたします!
気象大学校は学費が無料であるうえ、給与が支給されるため、一般の大学と比較して経済的なメリットが非常に大きいです。また、就職活動を行う必要もないことから、4年間を通して専門的な勉強に専念できるほか、課外活動や趣味など自由な時間も多く確保することができます。
毎年8月にオープンキャンパスを開催していますので、ぜひ気象大学校にお越しください。
お問い合わせ先
気象大学校
所在地:千葉県柏市旭町7丁目4番81号
TEL:04-7144-7185
免責事項
こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。
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