医学部に合格する人の1日の勉強時間は?

医学部に合格する人の1日の勉強時間は?

大学受験は言ってしまえば難航必至の荒波への大航海と言えます。
その中でも、特に群を抜いた難易度を誇るのが『医学部』です。
今回はそんな医学部受験を控える受験生はどれくらいの勉強量を積んでいるのか、医学部の一般的な難易度などを深堀りしてご紹介して行きたいと思います。


医学部を受験する上で、実は各大学ごとの特徴や傾向を知ることが非常に重要ということを知っていましたか?
実は大学によって、現役生が合格しやすい・浪人生が合格しやすい…など傾向があります。
医学部受験に臨む上でそのことを知り、自身にあった志望校を決定することは非常に重要です。

医学部受験に限った話ではなく大学受験全般に言えることではありますが、重要なのは「どれだけの時間勉強するか」よりも「結果につながる勉強をできるか」が重要です。

厳しい話ですが、積み重ねた勉強時間の多い人から受かるわけではありません、本番の試験で得点の高い順に合格するわけです。

あくまで目的は「本番の試験で高得点を取り合格すること」であり、「長時間勉強をする」というのはあくまで手段にすぎないわけです。

ですが、積み重ねた勉強時間は「これだけの勉強をしてきた」という自信にも繋がりますし、一概には言えないもののやはり、勉強時間を積み重ねれば積み重ねるほど学力も向上します。

そこで1つの目安としてまずは「受験生の平均的な勉強時間」を一緒に見ていきましょう、きっと良い指標になり、モチベーションもアップすることでしょう!


受験生の平均的な勉強時間


大学受験の時にどのくらい勉強していたかという調査があります。
全国大学生活協同連合会が行った調査によると

高校三年生の6月~10月頃は3-4時間が40%、5-6時間が18%、9-10時間が3%となっています。1-2時間勉強していたのは30%で高校3年生の夏まで部活動を続けていたりする人が一定いることが推測されます。
12月~2月頃は1-2時間が16%と大きく減り、3-4時間が26%、5-6時間が30%、9-10時間が8%となっています。
参考元:全国大学生活協同連合会

では休日の勉強時間はどうでしょうか?

今の時代、大学や大学院に進学する人自体は珍しくなくなりました。大学進学する人は平均的に休日6時間以上の勉強をしている人が多いです。
文部科学省のデータによると、休日の勉強時間が二極化していることがわかります。もちろん大学のレベルにもよりますが、ある程度の量をこなす必要はあるでしょう。
参考元:21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児) 第18回調査

やはり大学進学を目指す場合、休日は6時間以上の勉強をしたいところです。

医学部受験生の勉強時間

医学部志望の場合も受験生であることには変わりません。基本的にはある程度の勉強量が必要です。平日の勉強時間は間違いなく平均よりも多く勉強しているでしょう。休日は6時間以上の勉強をしている人が多いです。

1日が24時間であるのは誰もが同じ。医学部志望が他の受験生と比べて、極端に多い勉強時間を確保できるかというとそうではありません。
受験科目が多いので、無計画に勉強をすると、すぐに時間が足らない悩みにぶつかります。闇雲に勉強時間が長ければいいわけではなく、医学部合格が目標な以上、結果につながるための内容が重要です。
医学部志望の場合、何をどれだけやるかといった計画性がより重視されます。
また、医学部は2023年度から「地域枠の設置・増員」をしながら日本全体で医学部定員を段階的に削減することが決まっています。(2020/11時点)
これにより、定員が減る可能性があるため、出願傾向に注目しておきましょう。

医学部の受験科目について


医学部の受験科目と一括りにしても、受験方法が多様化しているため、自らの志望に沿った戦略を立てる必要があります。
まずは志望校を決めてそこの受験要綱を把握するところから始めてみましょう。下記は一般的な内容です。

共通テスト


医学部受験を考える場合、共通テストで躓いては目標達成が難しくなります。基礎が中心とはいえ、躓いてしまわないよう計画的に力を蓄えておきましょう。
共通テストでは最大で8科目を受験。国公立大の医学部は5教科7科目が基本です。

  • 国語
  • 数学1・数学A
  • 数学2・数学B
  • 理科から2科目(基礎のみの受験は不可能)
  • 英語(外国語)
  • 地理歴史・公民から1科目


受験科目が多いため、バランスよく作戦を立てて学習しなければなりません。

共通テスト


大学入試本当の戦いといっていい二次試験では、医学部以外の大学同様、より高度な内容が求められます。
二次試験は英語(外国語)・数学・理科2科目の学科試験と面接が基本。大学によっては、それに加えて国語が課せられるところもあります。
二次試験の数学では数学3の内容も要求されるため、共通試験と比べて難易度が上がります。

国立大学


国立の医学部は総合型・学校推薦型の選抜が多くなっています。総合型とはペーパーテストの結果だけでなく、受験生の適性や学習意欲を評価する制度で、AO入試ともいわれる方式です。
一般選抜の場合、後期試験を廃止する大学が増加しているため、基本的には前期で勝負することになるでしょう。
また、医学部特有の入試方法で地域枠入試というものがあります。条件が細かく、募集人数も少ないですが、知っておくに越したことはありません。事前に確認しておきましょう。
前提として多くの大学では、共通テスト8割以上が求められます。

私立大学


私立大学の医学部では、一般選抜の多様化が進んでいます。2期入試が導入されたり、共通テスト、外部試験の結果を使ったりと、大学によって様々です。
国立より受験科目が少ないのが特徴で、例えば岩手医科大学は国語がなく、共通テストの
利用もありません。
大学によって科目に割り当てられる得点が異なる場合があるので、自分の得意科目に応じて有利な大学を受けるのも作戦です。
例えば自治医科大学の一般選抜は、英語の配点が25点なのに対し、理科の配点が50点となっています。
得意科目で勝負したい場合や、苦手科目をカバーしたい場合は、科目ごとの配点にも目を向けてみましょう。その際、科目ごとにかける勉強時間の配分を考えましょう。

国立志望でも私立志望でも、医学部への受験勉強は時間をかけたぶんだけ必ずしも点数が伸びるわけではありません。
もちろん最低限の量は欠かせませんが、重要なのは「どれだけやったかではなく、どれだけ点数につながったか」です。
医学部合格という目標がある以上、結果を出さなければ実りのある勉強とはいえません。計画を立てて時間を使うのが大切です。
タイムマネジメントをきちんとおこない、何をどれくらいやるのか具体的に意識して過ごしましょう。

いつごろから医学部を目指すべきなのか


医学部受験という目標を立てるのに、いつからだと遅すぎるという明確な基準があるわけではありませんが、思いつきで合格できる難易度ではないため、早い段階から準備をしている人が多いです。
勉強計画を長期的に立てるためには、医学部を目指すのは早ければ早いほどいいでしょう。例として高校3年間の勉強計画を紹介します。

高校1年生は基礎をしっかり


医学部志望といっても、最初から専門性の高い勉強をするのは効率がいいとはいえません。どのような選択をするにしても、重要なのは基礎力です。高校1年生の間は時間をかけて基礎を伸ばすといいでしょう。
各科目の基本をしっかりと身につけて、よりレベルの高い問題と戦えるように準備しておきます。簡単な問題の取りこぼしをなくすのは、受験で大事なポイントです。

高校2年生のうちに高校で習う範囲を終わらせよう


受験勉強が本格化する3年生では、自分の受験科目や苦手分野に絞るなど、自分に合わせた時間の使い方をしたいところ。そのために高校2年生のうちに、高校生で習う範囲をひと通り終わらせておきましょう。
通っている学校のカリキュラムに合わせて、同じ速度で勉強する必要はありません。
現代は学校外でも学ぶ手段がたくさんあります。
そのようなものを利用して自分のタイミングで勉強を進め、学校はペースメーカーのような役割だと考えてもいいと思います。
下記にオンラインで学べるコンテンツをいくつか紹介します。

高校3年生は終わりきらなかったところと志望校・共通テスト対策


高校3年生になるといよいよ受験が目前に迫っています。
前述の通り、2年生のうちに高校生で習う範囲を一度終わらせておくのがベストですが、医学部を志望したのが遅かったり、思うように勉強が進まなかったりするパターンも考えられます。
その場合、受験スケジュールは決まっているので、焦らず計画を練りなおす必要があります。
自分の現段階でのパフォーマンスを踏まえて、現実的な志望校を設定した後は、共通テストや二次試験の対策を始めましょう。今まで蓄えた基礎力を活用し、より具体的な受験勉強をする段階です。
受験する大学に必要な科目や、伸びる余地がある苦手科目に絞って、重点的な学習をしていきましょう。どの科目にどれくらいの時間を使うかの配分が重要になってきます。

合格するための計画とは


医学部受験で大切なのはなによりも計画性です。そのためには闇雲に勉強をするのではなく、具体的な目標設定が欠かせません。
まずは志望校を決めて、早い段階でリサーチを開始しましょう。志望校の合格ラインや入試傾向を知ることで、具体的に何をしなければいけないのかがわかってきます。
今の自分に足らないものはなにか考え、それを補うような学習計画を立てましょう。

朝型?夜型?


人によって勉強に集中できる時間帯は異なります。自分がパフォーマンスを発揮し、集中力を持続できるタイミングを把握しておきましょう。
自分が朝型なのか夜型なのか、その情報1つとっても、時間の使い方、スケジュールの立て方に大きく影響してきます。
自分のことを一番よく知ることができるのは、もちろん自分です。自らを正確に把握することで、自分自身をハックしましょう。

楽しく勉強しよう


受験勉強はとても大変で苦しいというイメージがあると思います。まして医学部受験となれば、辛い期間になると考え、思い詰めてしまうかもしれません。
しかし、自分を精神的に追い込んでしまうとパフォーマンスが低下し、中々結果を出せず焦ってしまう悪循環に陥ってしまいます。
もちろん受験勉強は大変ですが、せっかくなら勉強を楽しみましょう。時間をかけて自分の能力を磨ける期間は、人生でそれほど多くありません。集中できる環境を整えてリラックスして学習しましょう。

医学部受験のためには、計画性が大切だということがわかったと思います。1日が24時間であるのは誰もが平等です。
医学部を志望している人の中には、自分をマネジメントするのが苦手だという人もいるでしょう。1人で考えても、勉強スケジュールの立て方がわからない、本当にこのやり方でいいのかわからないと不安になるのは、ある意味自然なことです。


最後に…


いかがでしたか?
今回の記事では医学部受験のについてご紹介してきました。
大学受験最難関の医学部を目指すのは生半可な気持ちでは到底出来ることではありません。
しかし、「医学部合格」という最終的な目的を見失うこと無く、しっかりとそれに向けて勉強をしていけば、結果的に勉強時間も他の受験生に負けないくらいの数字になるはずです。
日々コツコツと勉強をしていき、医学部合格をこの記事を読んだ方々が掴み取れるよう筆者も祈っています!