医学部再受験・編入とは?
そもそも、再受験と編入はどういった違いがあるのかを確認していきましょう。
まずは一番大きな違いは「受験資格」があります。
再受験は基本的には経歴などに関係なく誰でも受けることが出来ます。
その反面、編入(学士編入)は一部の大学を除いて基本的には4年制大学を卒業した学士の資格を持つ人しか受験できません。
細かな受験資格については各大学によって違いますが、一般的な再受験と編入の最大の違いはここにあります。
再受験で合格して医学部に進学した際は、一年次からのスタートなのに対して編入で進学した場合は二年次前期や二年次後期などからのスタートになる点も大きな違いの一つと言えます。
再受験と編入の違いを理解したところで実際に医学部をこれらの方法で社会人が目指すとなった時のことについてもみていきましょう。
社会人の医学部再受験・編入は国内最難関?!
社会人が医学部を再受験・編入で目指すとなると、その道のりは決して容易なものではありません。
国内の試験や検定などをみても、最難関の一つと言うことが出来るでしょう?
ではなぜ社会人が医学部を目指すのが国内でも最難関と言われているのかをみていきましょう。
医学部再受験・編入が国内最難関と言われるわけ
まあ簡単に言ってしまうのなら「医学部だしそりゃ難しいでしょ…」って話ですね。
まず再受験についてです。
再受験はいたってシンプルです、普通に医学部を目指す高校生や浪人生がライバルになります。
ですが、受験生や浪人生というのは勉強にすべてを捧げてます、ましてや医学部を目指している子達の場合はより一層です。
一日の殆どの時間を勉強に費やし、勉強のブランクもありません。
一方社会人の場合は丸一日をすべて勉強に当てるというのは仕事をしている限り現実的ではありません。
たとえ休職していて一日の時間すべてを勉強に費やしていたとしても、一度社会にでて働いていたということは少なからずブランクがあります。
ブランクって怖いもので、勉強に限った話ではありませんが、以前は当たり前にできていたことや、そらで言えたことなどがびっくりするくらい抜け落ちているものです。
勉強時間に充てる事のできる時間や、ブランクなどの点から、ただでさえ弁護士や公認会計士と並んで最難関と言われる医者になるための、登竜門である医学部に社会人が合格するのはとてつもなく難易度の高いことです。
じゃあ社会人にとって、医学部の再受験がそんなに難しいなら編入の方は?
と思った方もいるのではないでしょうか。
理由は後ほど詳しく説明いたしますが…
残念ですが、医学部の編入は再受験よりさらに難関です…
そう考えると社会人が医学部を目指すことがどれだけ難しいかがおわかりいただけたかと思います。
次は再受験と編入試験の倍率をみていきましょう。
再受験・編入の倍率は?
再受験や編入の倍率は、もちろん各大学によって差があります。
ここでは例として大体の平均をみていきましょう。
再受験(一般受験)の場合は3〜7倍の倍率で、平均すると4倍程度の倍率になります。
意外にも、これは一般の中堅〜上位校の学部の倍率と比べると平均的な倍率です。
ですが、編入の場合は一気に倍率が跳ね上がり、20〜40倍、倍率の高い大学では50倍を超えることも珍しくありません。
医学部に合格してやっとスタートライン
もちろんのことですが、医学部に進学出来たからと言ってそこがゴールではありません。
ゴールどころか、やっとスタートラインに立つことが出来たと言えるでしょう。
そこから、進級、卒業の難易度の高い医学部を無事卒業し、研修医などを経てやっと医師として働き始めることが出来るというわけです。
忘れちゃいけない!お金の話
そしてなんと言っても忘れてはいけない、お金の話です。
医学部受験、進学には莫大なお金が必要になってきます。
社会人といえども、ある程度の貯金や、目処がないといざ進学しても払えずに退学…なんてことにもなりかねません。
受験までにかかる費用
まず受験までに、つまり合格を目指すにあたってかかる金額ですが、極論完全に独学で市販のテキストなどで目指す場合は殆どかかりません。
ですがそれは現実的な話ではないですね…
予備校などを利用するのが一般的ですが、年間で100万円が大まかな目安となります。
医学部専門予備校となると年間で300〜500万円、個別指導や全寮制の場合1,000万円弱かかるということもあります。
とてつもない金額ではありますが、現実問題医学部を目指す受験生のご家庭の多くはこれだけお金を捻出しています。
進学後にかかるお金
受かったからと言って安心はしていられません。
進学後にも莫大な費用が必要になります。
医学部に限らずですが、国立大学に進むか、私立大学に進むかで大きく金額は異なり、医学部の場合は特にそれが顕著です。
国立不大学の場合は「標準額」というものが定められており、6年間で約350万円程度で学費が済みます。
これは私立の四年制大学よりも安い学費で、コスパがとてもいいと言えます。
一方、私立の場合急激に金額は跳ね上がり、6年間で2,000〜4,000万円もの学費がかかります。
とんでもない額ですね…
ですが実際問題、これくらいの費用がかかることを念頭に置いておく必要があります。
それでも社会人が医学部に挑戦する価値は十分にある!
ここまでの話を聞くと、難易度や莫大な費用ですでにこころが 折れかけてしまっている方も多いかもしれません。
ですが、当然ですがこれだけの労力と費用を払ったその先には莫大な恩恵が待っています。
医学部の費用は〇〇歳からでも回収可能?!
まずはやはり金銭面ですね。
医師の給与は御存知の通りとてつもなく高額です。
医師の平均年収は厚生労働省によると1,378万円。
一例として、この平均年収をもとにすると、60歳まで医師として働くとして、現在年収500万円の社会人が医学部合格までに3年と1,500万円、医学部卒業までに2,500万円かかったとします。
その場合かかった費用は4,000万円、そして3年分の勉強のために犠牲にした1,500万円の年収を合わせると5,500万円となります。
もちろん、はじめは年収が医師でも600万円程度からのスタートであったりもするため、今回の例はかなり大雑把ですが、単純計算3年間でもとを取ることが出来ます。
こんな大雑把な例まで出してつまり何が言いたいかと言うと、医師を目指すのに年齢は差ほど関係ないということです。
医学部を目指して勉強しだしてから、医師として独り立ちするまで15年かかったとしても、30歳から始めても45歳です、充分に回収は可能な年齢と言えるのではないでしょうか?
何よりもやりがいのある特別な仕事
そして、やはり金銭面でも変えることの出来ない特別なやりがいが医師という仕事にはあります。
人の命を救う事ができる仕事は数少ない特別な仕事です。
そこには決して他の仕事では得ることの出来ないものがあるということは確かです。
社会人が医学部を目指すには再受験・編入どっちがおすすめ?
では話は戻りますが、結局社会人が医学部を目指すなら再受験と編入どっちが良いんだって話ですね。
結論から言うと、筆者は断然再受験をおすすめします。
これは決して再受験の方が簡単と言っているわけではありません。
編入が難易度高すぎるという話です。
編入はまず募集人数が少ないためとてつもない倍率になります。
そして、周りのライバルたちもとてつもなく強力です。
再受験の場合にはライバルは言ってしまえば高校生か浪人生です。
ですが、編入の場合には学問をきっちりと修めている社会人がライバルになってきます。
社会人と言っても、ただの社会人ではないです、博士号を取られている薬学博士、農学学士や、歯科医師などです。
この人たちとほんの少数の席をかけて戦わないといけないわけです。
また、試験科目も一見編入試験のほうが楽そうにみえるかもしれませんが、超絶ハイレベルな生物学ベースの試験があり、さらに超絶ハイレベルな英語力も求められます。
それが特にプラスになるというわけではなく、それがボーダーラインです、そこからさらに周りのライバルたちは研究成果などを提出してきたりします。
どうですか?
これなまだ一般的な試験で受験生や浪人生たちと競うほうがまだ勝算があるのではないでしょうか?
医学部再受験・編入には充分な準備が必要
医学部の再受験、編入には当然ですが、万全の準備が必要不可欠です。
情報収集は必要不可欠
医学部を目指すには情報収集は必須です。
受験は情報戦の様相を呈して来ている側面もあるため、予備校や医学部出身、現役生などにアドバイスを得ることが非常に重要です。
最後に…
いかがでしたでしょうか。
今回は社会人の医学部の再受験と編入についていろいろとご紹介してきました。
社会人が医学部を目指すことはかなり難易度が高く、厳しい現実もありますが、実際合格を掴み取って医師への道を進んでいる方は少なからずいらっしゃいます。
それだけの労力や費用、時間に見合うだけのリターンが医師にはあります。
ぜひこの記事を読んだ方が、医師への夢を掴み取ってくれることを筆者は願っています!