【2025年最新】大学入学共通テストの「ステルス強制」問題を徹底調査 | 高校教師のタレコミや文科省とのコネは本当か?
【保護者必読】共通テスト"全員受験"の裏側|高校が語らない本当の理由

目次
はじめに:なぜ多くの高校で共通テストが「事実上の義務」になっているのか
共通テストとは何か?制度の基本を理解する
「ステルス強制」の実態:高校現場で何が起きているのか
文部科学省とのコネ・癒着疑惑は本当か?
なぜ高校は全員受験を推奨するのか?
受験率と志願者数から見る実態
推薦合格者も受験を強いられる問題
まとめ:「ステルス強制」は存在するのか
はじめに:なぜ多くの高校で共通テストが「事実上の義務」になっているのか
「私立大学専願なのに、なぜ共通テストを受けなければならないのか?」
「推薦で合格が決まっているのに、共通テストを受けろと言われた」
こうした声が、全国の高校生から上がっています。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は制度上、任意の試験です。しかし、多くの高校で「事実上の強制」「ステルス強制」と呼ばれる状況が発生しているのです。
この記事では、2025年最新の情報をもとに、共通テストの「ステルス強制」問題を徹底的に調査しました。高校教師からのタレコミはあるのか?文部科学省や大学入試センターとのコネは存在するのか?データと証言をもとに、真相に迫ります。
共通テストとは何か?制度の基本を理解する
共通テストの公式な位置づけ
大学入学共通テストは、独立行政法人「大学入試センター」が主催し、全国の大学と共同で実施する試験です。毎年1月中旬の土日2日間、全国一斉に実施される日本最大規模の試験です。
重要なポイント:
国公立大学:一般選抜受験者は原則として共通テスト受験が必須
私立大学:共通テスト利用方式を設定している大学が多数(2023年度は全622校中535校)
制度上は任意:高校卒業のための試験ではなく、大学進学希望者向けの選抜試験
2025年度からの変更点
2025年度(令和7年度)の共通テストから、新学習指導要領に対応した新課程での実施が始まりました:
新教科「情報Ⅰ」が追加
出題教科・科目が6教科30科目から7教科21科目に変更
Web出願への完全移行(2026年度から)
「ステルス強制」の実態:高校現場で何が起きているのか
現役教師や生徒からの証言
インターネット上では、共通テストの「ステルス強制」を訴える声が数多く見つかりました。
実例1:私立大学専願でも受験を迫られる
あるnoteの投稿(2024年9月)では、受験業界経験者が甥の受験指導をする中で気づいた問題を以下のように証言しています:
予備校の対応:
「予備校のチューターからは私大しか受けない受験生も必ず『共通テスト対策模試』を受けろと言われている。」
高校の対応:
「私が異様に感じたのは、高校の教師までもが、生徒の国公立・私立の志望いかんにかかわらず共通テストを受験することを当然視(あるいは義務化?)していることである。」
この投稿者によれば、予備校も高校も、私立専願者に対して共通テスト受験を推奨・事実上強制している状況があるといいます。さらに、3大予備校すべてで「私大マーク模試」が廃止され、「共通テスト対策模試」に一本化されているという問題も指摘しています。
ただし、この「強制」はセンター試験時代から存在していました。 2017年の北日本新聞の報道では、富山県の複数の高校(高岡南、富山南、石動、呉羽高校など)が「3年生全員に出願を呼び掛けている」「生徒全員に受験を勧めている」と報じられています。高岡南高校の教頭は「進学に必要なだけでなく、3年間の勉学の成果を発揮する機会でもある」と説明しつつ、「強制的なものではない」としていました。
つまり、「ステルス強制」は共通テストになって始まった問題ではなく、センター試験時代から一部の高校で行われていた慣行なのです。
実例2:推薦合格者への強制受験
Yahoo!知恵袋には、推薦で大学に合格した生徒からの切実な訴えがありました:
「私の高校では推薦で合格した生徒は大学の授業についていくことができないから共通テストを受けさせて少しでも苦労しないように対策をさせるという目的で強制されます。」
「新型コロナの影響で合格が決まっている人は中心部に行くのが怖いから共通テストは受けないという人や、親が医療従事者で受けに行くことができない人、家庭が苦しくて給与型奨学金の審査が通ったにも関わらず共通テストを強制され自分のアルバイト代から出した人もいます。先生たちは家庭の事情なんてお構い無しです。」
実例3:「3年間の集大成」という建前
別の塾のブログ(2024年6月)では、高校側の言い分として以下が紹介されています:
「学校の言い分としては、3年間の勉強の集大成だから、受験の方式に関係なく、全員共通テストは受けるべきだそうです。本音としては、一般入試に向けて勉強を頑張っている生徒がいる中で、推薦などで進路を早々に決めた子が遊んでいる様子を見せたくないなどでしょうか。」
「ステルス強制」の手法
高校が用いる「ステルス強制」の手法は巧妙です:
明示的な強制はしない:「義務」とは言わない
クラス全体での一括申込:「みんな受けるもの」という雰囲気を作る
保険として推奨:「選択肢を広げるため」という名目
進学実績への配慮:学校の評価を高めたいという動機
文部科学省とのコネ・癒着疑惑は本当か?
公的な証拠は見つからず
結論から言えば、文部科学省や大学入試センターと高校の間で、共通テスト受験を強制するための不正なコネや癒着があったという公的な証拠は確認できませんでした。
調査した範囲では:
大学入試センターの公式サイトに、高校への強制に関する記述なし
文部科学省の大学入試情報サイトにも、強制的受験を促す文書なし
高校教師からの内部告発や公的な暴露も確認できず
ただし、ベネッセと文科省の癒着疑惑は別に存在
共通テスト自体とは直接関係ありませんが、教育業界では別の癒着疑惑が過去に報じられています:
2019年:英語民間試験をめぐる癒着疑惑
2019年11月、東京新聞などが報じた内容:
ベネッセの関連法人に旧文部省事務次官が理事長として再就職
文科省退職者も参与として在籍
英語民間試験導入に関連して「官民癒着」の指摘
2018年:費用肩代わり疑惑
文部科学省が米国人への謝礼等416万円をベネッセに肩代わりさせた疑惑も発覚しました。文科省は「問題なかった」と結論づけましたが、識者からは「癒着を生む恐れがある構図」と指摘されています。
重要な点: これらの癒着疑惑は共通テストの「受験強制」とは直接関係ありませんが、教育行政と民間企業の不透明な関係性を示す事例として留意すべきです。
なぜ高校は全員受験を推奨するのか?
高校が共通テスト受験を「事実上強制」する背景には、いくつかの構造的要因があります。
1. 進学実績競争
高校は進学実績(特に国公立大学や難関私立大学への合格者数)で評価されます。共通テストを受験する生徒が多いほど:
国公立大学への出願可能性が高まる
私立大学の共通テスト利用方式での合格チャンスが増える
結果として学校の進学実績が向上
2. 「保険」としての位置づけ
高校側の論理:
私立専願でも、共通テストを受けておけば国公立大学への道が開ける
後から「やっぱり受けておけばよかった」と後悔させたくない
「生徒のため」という名目での推奨
3. 予備校のビジネスモデル変化
ある投稿者の分析によれば:
「少子化に伴う受験生・浪人生の大幅減少の中で、従来どおりの『私大マーク模試』を作成・実施するのは予備校にとっては運営コスト的にペイしない、ということなのかもしれない。共通テストの実施を機に、模試の種類を削減できればビジネス的には万々歳なのだろう。」
4. 社会的圧力と受験文化
日本では大学進学が社会的に重視される
「高校に通っているなら共通テストを受けるのが普通」という文化
同調圧力と「みんなやっている」という空気
受験率と志願者数から見る実態
2025年度の最新データ
2025年度(令和7年度)の大学入学共通テストは、1月18日・19日に実施されました。
志願者数と受験率:
志願者数:495,171人(前年比+3,257人、+0.7%)
受験者数:462,066人
受験率:93.31%(前年度93.03%から+0.28ポイント)
現役生志願率:45.5%(過去最高、前年度から+0.3ポイント)
データが示すこと
現役生の志願率が過去最高
2025年3月に高校を卒業する生徒のうち、約45.5%が共通テストに出願
これは高校生の約半数が共通テストを受験していることを意味する
受験率は回復傾向だが、センター試験時代には及ばず
センター試験時代(2020年度)の受験率:94.51%
2019年度:94.69%
共通テスト導入後、受験率は一時低下したが回復傾向
私立専願者や推薦合格者の「共通テスト離れ」は一定数存在
受験率が94%台から93%台に低下
「早期に進学先を決定した者」や「私立大学専願者」の敬遠が指摘されている
志願者数の推移
年度 志願者数 前年比 令和3年度(2021) 535,245人 - 令和4年度(2022) 530,367人 △4,878人 令和5年度(2023) 512,581人 △17,786人 令和6年度(2024) 491,914人 △20,667人 令和7年度(2025) 495,171人 +3,257人
共通テスト導入後、志願者数は減少傾向でしたが、2025年度は7年ぶりに増加しました。
推薦合格者も受験を強いられる問題
推薦合格者への「強制」の実態
推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)で早期に進路が決まった生徒に対しても、多くの高校が共通テスト受験を求めています。
問題点
費用負担
共通テスト検定料:3教科以上で18,000円
すでに合格している生徒にとっては不要な出費
感染リスク
1月中旬は風邪・インフルエンザ・新型コロナの流行期
不要な外出で感染リスクを負う
時間の浪費
合格後の時間を有意義に使いたい生徒にとっては機会損失
心理的負担
「受験しないのはおかしい」という同調圧力
「大学の授業についていけない」という決めつけ
高校側の建前と本音
建前:
「3年間の学習の集大成」
「高校教育の到達度確認」
「大学進学後のため」
本音(推測):
クラス運営の都合(推薦合格者が遊んでいる姿を見せたくない)
共通テスト受験率を高く保ちたい
進学指導の一環としての「管理」
まとめ:「ステルス強制」は存在するのか
調査結果のまとめ
項目 結論 「ステルス強制」の実態 存在する。センター試験時代から一部の高校で行われており、共通テストでも継続。私立専願者や推薦合格者にも受験を推奨・事実上強制 文科省・大学入試センターとのコネ 公的な証拠なし。制度的な強制や不正な癒着は確認できず ベネッセと文科省の癒着 過去に疑惑あり(英語民間試験、費用肩代わり問題)。ただし共通テスト強制とは直接無関係 高校教師からのタレコミ 公式な内部告発はなし。ただしネット上に多数の証言 強制の背景 進学実績競争、受験文化、予備校のビジネスモデル、社会的圧力 歴史的経緯 2017年時点で既にセンター試験の「全員受験推奨」が報じられており、新しい問題ではない
「ステルス強制」が生まれる構造
共通テストの「ステルス強制」は、政府や行政による陰謀ではなく、日本の教育制度と受験文化が生み出した構造的問題です:
高校の進学実績競争
「大学進学=成功」という社会通念
予備校・教育産業のビジネスモデル
同調圧力と「みんなやっている」という空気
これらが複雑に絡み合い、制度上は任意のはずの共通テストが「事実上の義務」となっているのです。
今後の展望と提言
生徒・保護者にできること
受験の必要性を冷静に判断
本当に必要か、費用対効果を考える
私立専願なら共通テスト利用方式の有無を確認
学校に意見を伝える
疑問があれば担任や進路指導教員に相談
保護者会などで問題提起
情報を共有する
同じ悩みを持つ生徒・保護者とつながる
SNSやネットで経験を共有
高校・教育機関に求めたいこと
透明性のある説明
「なぜ受験を勧めるのか」を明確に説明
受験しない選択肢も認める
個別事情への配慮
経済的困難、家庭の事情、感染リスクなどを考慮
一律の「強制」ではなく、選択の自由を保障
進学実績至上主義からの脱却
生徒一人ひとりの適性と希望を尊重
「合格実績」だけでない教育の価値を追求
最後に
大学入学共通テストは、本来、大学進学を希望する生徒のための選抜試験です。しかし現状では、進学実績競争や受験文化の中で「事実上の義務」と化しています。
この問題に「悪者」はいません。高校も、予備校も、文部科学省も、それぞれの立場で「生徒のため」と考えて行動しています。しかし、その善意が積み重なって、生徒に過度な負担を強いる構造が生まれているのです。
必要なのは、制度の透明化と、一人ひとりの選択を尊重する文化です。
私たちは、この問題について議論を続け、より良い教育環境を作っていく必要があります。
参考資料・出典
大学入試センター公式サイト
文部科学省「大学入試情報提供サイト」
河合塾 Kei-Net「共通テストについて理解しよう」
東進ハイスクール「2025年度大学入学共通テスト実施状況概略」
Yahoo!ニュース 石渡嶺司「センター試験の強制は受験料のムダ?それとも意義あり?」(2017年9月29日)
note「共通テスト受験の『ステルス強制』が目にあまる、という話」(2024年9月)
Yahoo!知恵袋「共通テストは強制までして受けさせるべきなのでしょうか?」
町田市鶴川の個別学習塾 FOCUS01「全校生徒に共通テストを強制的に受けさせる風潮」(2024年6月)
東京新聞「英語試験法人に天下り 旧文部省次官ら2人」(2019年11月7日)
マネーボイス「ベネッセ、文科省と蜜月関係か」(2020年9月)
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記事作成日: 2025年12月6日
最終更新日: 2025年12月6日
この記事は、公開情報とインターネット上の証言をもとに作成されています。個別の高校や教師を批判する意図はありません。教育制度全体の問題として、建設的な議論のきっかけになれば幸いです。