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『なぜ、あれほど勉強しても算数の点数は上がらないのか?』―点数が取れる生徒の「思考の目的語」を分析する。

2025/11/12

こんにちは。オンラインで個別指導をしているヒロユキです。神奈川で塾を経営しつつ、もう10年ほど、中学受験や高校受験の世界で生徒さんたちを見てきました。

さて、今日は保護者の方から最も多く寄せられるご相談の一つについて、分析してみたいと思います。

「塾にも通わせ、家でも一生懸命に机に向かっている。それなのに、なぜか算数のテストの点数だけが上がらない」

これは、非常によくあるケースです。 親御さんから見れば、不可解な現象かもしれません。まるで、毎日水をやっているのに、なぜか育たない不思議な植物のようです。

才能がないのでしょうか? やり方が根本的に間違っているのでしょうか? 僕が大手塾の最上位クラスから個別の生徒さんまで、長年指導してきた経験から言うと、答えはもっと別の、非常にシンプルな場所にあります。

『なぜ、あれほど勉強しても算数の点数は上がらないのか?』―点数が取れる生徒の「思考の目的語」を分析する。

結論から言えば、それは**「点数への意識」**の差です。

同じ時間、同じ教材を使っていても、生徒さんの頭の中はまったく違います。

点数が上がらない生徒の「思考」

まず、点数が伸び悩んでいる生徒さんの思考を観察してみましょう。 彼らも決してサボっているわけではありません。目の前の課題を「処理」しようと必死です。

彼らの思考は、おおむねこのようになっています。 「この問題、解けるかな…」 「(難しいな)早く終わらないかな…」 「これはわからない。答えを見ようかな…」

彼らにとっての「目的」は、目の前の問題を「終わらせること」なんですね。 これは、料理で言えば、レシピに書かれた「玉ねぎをみじん切りにする」という作業だけを見ていて、「美味しいカレーを作る」という最終目的を見ていない状態と似ています。作業が終われば、そこで思考も止まってしまいます。

点数を取る生徒の「思考」

一方で、安定して点数を取る生徒さんの思考は、まったく異なります。 彼らは、目の前の問題の「向こう側」を常に見据えています。

彼らにとって、目の前の問題集の1問は、「練習」ではなく、「本番のリハーサル」であり、「シミュレーション」です。

彼らの思考は、こうです。 「この問題、もし次の模試で出たら、自分は確実に解けるだろうか?」 「実力テストで出た時に、時間内に解けるか?」 「次の週のチェックテストで、このパターンに対応できるか?」

思考の主語が「問題」ではなく、「テストで点を取る自分」になっています。

さらに、思考は続きます。 「もし、この問題が少し応用されて出たらどうだろうか?」 「数字や形が変わったら、どう解こうか?」 「万が一、本番で解き方を忘れてしまったら、どうするか?」 「そもそも、忘れてしまわないためには、どう理解しておけばいいか?」

彼らは、問題を解くことすべてに対して、「テストで点数を取るため」という明確な「目的意識」を持って勉強しています。 解けたら終わり、ではないのです。「本番で再現できるか」までがワンセットです。

「目的意識」は、どうインストールするか

もちろん、こんな話をしても、「うちの子にそんな意識は持てない」と思われるかもしれません。

それは、その通りです。 小学4年生や5年生の生徒さんに、最初からこのレベルの「目的意識」を求めるのは、野球のルールも知らない子に「次の配球を読め」と言うようなものです。無理もありません。

彼らにとっての「勉強」は、まだ「目の前の課題をこなすこと」以上のものではないのですから。

そこで、僕たち塾講師や家庭教師の役割があります。

その**「目的意識」を生徒さんの中に持たせ、それを強く育て、そして目的を達成するための「実行手段」へと導く**こと。 これが僕たちの仕事だと考えています。

一方的に解法を教え込むのは簡単です。しかし、それでは生徒さんの思考は「作業」のままです。

ですから、僕は授業中、生徒さんに「問いかけ」を続けます。 「良いですね、解けました。では、この問題がもしテストで出たら、どこが一番引っかかりそうだと思いますか?」 「もし、ここの数字が変わったら、同じやり方で解けると思いますか?」 「この解き方、1ヶ月後にも思い出せそうですか? 思い出すために、どこが一番大事なポイントでしたか?」

この「問いかけ」こそが、生徒さんの意識を「目の前の作業」から「未来のテスト本番」へと向かわせる「導線」になります。

「解ける」から「点にできる」へ

僕の授業を半年ほど続けてくれている生徒さんたちは、面白いことに、僕が問う前に自分から言い出すようになります。

「先生、この問題は解けたけど、テストで出たら時間がかかりそうです」 「これは、まだ自分で解けそうにないので、もう一度教えてほしいです」 「このパターンは、スラスラ解けるように練習してきました」

彼らは、僕に言われるまでもなく、自ら「テストで点が取れるか」という基準で物事を判断し、そのための「実行手段」を自分で設計し始めるわけです。

こうなれば、もう大丈夫です。 彼らは「勉強のやり方」ではなく、「点数を取るための仕組み」を手に入れたことになります。

点数が上がらないのは、才能のせいでは決してありません。 「点数への意識」という仕組みが、まだインストールされていないだけなのだと、僕は思います。

そのインストール作業、そして必要なOS(原理原則の理解)を整えることなら、僕が長年、最も得意としてきた分野です。

もしお子様の学習が「作業」で止まってしまっていると感じたら、一度ご相談ください。その「意識」を変えるお手伝いができるかもしれません。

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