周期算がわからない子が曜日計算で崩れる本当の理由
周期算がわからない小学生の多くは、規則性を見つける以前に「かける」と「足す」の区別が曖昧なまま走っています。保護者の方は、まず次の1問をお子さんに出してみてください。7を50回かけたとき、1の位は何か。
この1問で、周期算のつまずきの多くは見抜けます。残りは、曜日計算で見抜けます。
周期算がわからない原因は、規則性ではなく計算の意味にある
先日、ある小学生の生徒にこの問題を出しました。最初の答えは「350」でした。7を50回「足した」のです。かけ算と足し算を取り違えたまま、50回分の計算をまじめに始めるわけです。実に勤勉で、実に報われません。
ここで僕が言いたいのは、お子さんを責める話ではありません。周期算がわからない子は、センスがないのではなく、問題文の動詞を読んでいないだけです。7を50回かける。この一文を、7×7×7……と並べて書ける子は、実は半分勝っています。
予習シリーズの規則性の単元でも、マンスリーや組分けテストの規則性の問題でも、最初の関門は同じです。何をくり返す操作なのかを、自分の言葉で言えるかどうか。ここを飛ばして「パターンを探しなさい」と言われても、子どもは途方に暮れるだけです。
7を50回かけた1の位を、20秒で出す方法
やり方は拍子抜けするほど単純です。1の位だけを追います。
7の1乗の1の位は7。7×7=49なので、2乗は9。9×7=63なので、3乗は3。3×7=21なので、4乗は1。そして1×7で、また7に戻ります。
7、9、3、1。この4つで一巡します。これが周期です。あとは50回目が、一巡のどこに当たるかを調べるだけです。
50 ÷ 4 = 12 あまり 2
あまりが2なので、一巡のうち2番目の「9」。答えは9です。20秒で終わります。
注意点がひとつだけあります。あまりが0のときは、一巡の最後、つまり4番目に当たります。ここで「0番目なんてない」と固まる子が、毎年一定数います。固まったら、4回目と8回目がどちらも1になることを書き出して確かめさせてください。理屈を語るより、書き出させたほうが早いです。
曜日計算は「7で割る」周期算そのもの
曜日の問題が苦手な子は、周期算の入口にも立てていないことが多いです。理由は単純で、1週間が7日だから7日ごとに同じ曜日が来るという、当たり前の事実を計算に使った経験がないからです。
今日が水曜日なら、30日後は何曜日か。30 ÷ 7 = 4 あまり 2。あまりの2だけ曜日が進むので、金曜日です。4週間分は、何もしなくても水曜日に戻ってくる。使うのは、あまりだけです。
つまずきやすいのが、平年とうるう年です。平年は365日で、365 ÷ 7 = 52 あまり 1。うるう年は366日で、あまりが2。つまり1年たつと曜日は平年なら1つ、うるう年をまたぐなら2つずれます。この一文を知らないまま「カレンダーを書いて調べなさい」と言われた子は、永遠にカレンダーを書き続けます。
僕の生徒でも、7で割ったあまりで曜日を出す発想自体を、授業で初めて知った子がいました。知らないのは恥ではありません。知らないまま入試に行くのが損なだけです。
周期の和は「1周期の和」を基準にして割り算する
もうひとつ、周期算の定番があります。たとえば、1、2、3、4を何度もくり返す数列で、和がちょうど100になるのは何個目までか、という問題です。
1周期、つまり1+2+3+4で和は10。100 ÷ 10 = 10なので、10周期ぶん。1周期は4個ですから、4 × 10 = 40個目です。
ここでも、いきなり全体を足し始める子が崩れます。1周期ぶんの和を先に出す。それを基準に割る。この順番を体に入れておけば、数字が変わっても同じ型で解けます。
明日から親がすべき非情な決断
周期算を教えるとき、公式を覚えさせようとする親御さんがいます。気持ちはわかりますが、公式は忘れた瞬間に何も残りません。逆に、1の位を書き出して一巡を見つけた経験は、残ります。
明日からの決断はひとつです。計算の途中で口を出さず、まず最初の5個、6個を、お子さん自身の手で書き出させてください。その間、親は黙る。これがいちばん難しい。正直に申し上げて、解法を教えるよりずっと難しいです。
非効率な学習を続ける親子は、僕の目には良質な養分に見えます。ただ、その養分から抜け出す方法は、実はとても地味です。書き出して、一巡を見つけて、あまりで割る。それだけです。
周期算も曜日計算も、「まず書き出す」「あまりを見る」の2つで大半は解けます。
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