夏休みは本物に触れる体験を
2025/8/4
私の授業を受けてくださっているみなさん、そして興味を持って覗いてくださったみなさん、ありがとうございます。
プロフィールにもあるように、私はもともと公立学校の教員でした。終業式後の教務、進路、生徒指導部からの訓話は、夏休みを控えた学生にとって「短ければ短いほどいい」そんな時間です。
それでも長くなりがちな各主任たちの話の中で、ある進路指導主事の話が今でも耳に残っています。
「夏休みは、何か一つ、必ず本物に触れる体験をしてください。」
あの夏以降、何度も思い出す言葉です。「自分自身にも、我が子にも、今年も何か一つ、本物に触れる体験をさせてやれるだろうか」と。
先週はお休みをいただいて、サントリーホールにオーケストラを聴きにでかけました。東京に住んでいた頃は未就学児連れで断念していましたが、ようやく念願が叶いました。(メインは娘の通院なのですが…)
世界的に有名な指揮者とチェリスト、オーケストラもすばらしかったです。才能は選ばれた人に授けられる、でもその選ばれた人たちも弛まぬ努力の果てにそこにいる。当たり前のことですが、改めて実感します。
普段は活字ばかり追っていますが、目と耳から慈雨のごとく心に降り注ぐ美しい音に心が洗われました。小学6年生は時折、隣で船を漕いでいましたが…25歳までは半額で楽しめるので、せっせと連れ出します。
7月の夏期講習で読んだ、ダヴィンチの「最後の晩餐」、奥州藤原氏の「中尊寺金色堂」、切り取られた画像でよく知っているつもりだけれど、一度も訪ねたことがありません。国語は文章で時代を超え、世界を旅します。文章で知ることも、動画や画像で観ることも悪くはありません。でもこの夏は、何か一つ本物に触れる体験を、どうぞみなさんも楽しんでください。