受験生は知らない!外部英語試験で"甘い汁"を吸わせる大学の真の狙い

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2025/4/20


「英検優遇」の真相!なぜ大学は外部英語試験に傾倒するのか?

外部英語試験導入の表向きの理由


近年、多くの日本の大学が入試に外部英語試験(英検、TOEIC、TOEFLなど)を導入しています。大学側が公式に掲げる理由は「グローバル人材の育成」や「実用的な英語力の測定」です。確かに表面的には理にかなった説明に聞こえます。


受験生にとっての「甘い誘惑」

しかし、この制度変更の実態はどうでしょうか。多くの受験生にとって、外部英語試験の活用は「甘い誘惑」となっています。なぜなら、英検などの外部試験で一定のスコアを取得すれば、入試本番で英語を解く必要がなくなるからです。さらに最近では、外部試験の英語スコアで英語科目を完全免除し、残りの2教科だけで合否を判断する大学が増加しています。


受験生はこの「抜け道」をすでに見抜き、計画的に外部試験で英語の得点を確保し、残る2教科だけの戦いに集中するという戦略を立てています。つまり、「英語は外部試験で済ませ、本番では他の科目に集中する」という極めて合理的な受験テクニックが確立されつつあるのです。


大学側の隠された本音



では、なぜ大学側はこのような制度を推進するのでしょうか。ここに大学側の隠された本音があります。


実は、大学側も「英語力」自体の重要性に疑問を持ち始めています。日本の大学生が卒業後、実際に英語をフルに使用する場面はかなり限定的です。就職先で日常的に英語を必要とする人材は全体の一部に過ぎません。さらに、AI翻訳技術の飛躍的進歩により、英語力の必要性は以前より相対的に低下しているという現実もあります。


大学が本当に求める「地頭の良さ」

大学側が密かに方針転換を始めている理由はここにあります。大学は「英語力」よりも「地頭の良さ」を持つ学生を求め始めているのです。理系なら英語よりも数学や論理的思考力、文系なら英語よりも国語力や分析力など、将来社会で真に役立つ基礎的な知的能力を評価したいと考えています。


しかし、長年続いてきた「英語重視」の入試制度を急に変更することは、社会的にも大きな混乱を招きます。そこで大学側は、外部英語試験の導入という形を取ることで、実質的に「英語の比重を下げ、他の教科や能力の評価比重を上げる」という移行策を選んでいるのです。


結論:外部英語試験制度の真の意味

つまり、外部英語試験導入の真の狙いは、「英語力そのものを測る」ことではなく、「英語という科目の比重を下げ、他の能力評価に集中できる環境を作る」ことにあります。大学は「英語ができる学生」よりも「地頭が良く、将来性のある学生」を選抜したいと考えているのです。


受験生には「英語は外部試験で済ませられる」という甘い誘惑を提示しつつ、実は「残りの教科でより高いレベルの能力を見せてほしい」というのが大学側の本音なのです。


この視点から見ると、外部英語試験導入は単なる入試テクニックの問題ではなく、日本の高等教育が「何を重視すべきか」という本質的な方向転換の過渡期を示していると言えるでしょう。大学も受験生も、この変化の本質を理解し、真に求められる能力の開発に注力することが重要なのではないでしょうか。

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