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馬鹿ほど先をやりたがる〜東大・早慶と march の決定的な違い〜

2025/11/18

受験指導を20年以上続けてきて、確信を持って言えることがあります。**成績上位者と中位者を分ける最大の違いは、「先に進む速度」ではなく、「完璧にしてから進む姿勢」**だということです。

英単語学習に見る「馬鹿の法則」

具体例を挙げましょう。英単語の宿題で100語ずつ範囲を増やしていく学習法があります。ここで驚くべき現象が起こります。

テストで90%しか正解できていないのに、次の100語に進みたがる生徒がいるのです。私が「まだ10%残っているから復習しよう」と言っても、「もう大体覚えたので次に行きたいです」と答えます。

一方、早慶や医学部に合格していく生徒たちは違います。彼らは95%では満足せず、100%正解できるまで同じ範囲を何度も繰り返します。MARCHレベルに合格する生徒でも、最低95%の正解率で次に進みます。

なぜ10%の取りこぼしが致命的なのか?

ここで算数をしてみましょう。

1000語まで学習を進めたとき、90%の正解率で進んできた生徒は、100語を覚えられていない計算になります。

「100語くらい大したことない」と思いますか?

実は、この100語こそが勝負を分けるのです。

「みんなが覚えられない単語」こそが入試に出る

受験生全員が苦手とする単語があります。それは決してあなただけが覚えられないのではありません。むしろ全受験生が苦戦する、本当に重要な単語なのです。

大学入試はまさにここを突いてきます。

  • 誰でも知っている基本単語 → 差がつかない

  • みんなが覚えられない難単語 → ここで差がつく

あなたが「90%でいいや」と飛ばした10%の中に、この「みんなが覚えられない単語」が含まれているのです。

早慶・医学部組とMARCH組の決定的な違い

私の指導経験から、明確なデータがあります。

早慶・医学部合格者:

  • 正解率100%で次へ進む

  • 「完璧主義」ではなく「完璧主義者」

  • 1つの単語帳を10周以上繰り返す

MARCH合格者:

  • 正解率95%で次へ進む

  • 「ほぼ覚えた」で満足する

  • 1つの単語帳を5周程度で終える

それ以下の大学:

  • 正解率90%以下で次へ進む

  • 「大体わかった」で次に行く

  • 1つの単語帳を3周で「やった気」になる

この5〜10%の差が、偏差値10以上の差を生むのです。

「先に進みたい病」の正体

なぜ成績が伸びない生徒ほど、先に進みたがるのでしょうか?

理由は簡単です。「進んでいる感」が欲しいからです。

  • 新しい範囲に進む = 成長している気がする

  • 同じ範囲を繰り返す = 停滞している気がする

しかし、これは完全な錯覚です。

実際は逆なのです。

  • 新しい範囲に進む(穴だらけ) = 成長していない

  • 同じ範囲を完璧にする = 確実に成長している

「穴だらけの1000語」vs「完璧な500語」

極端な例を出します。

Aさん: 1000語を90%の精度で覚えた(実質900語) Bさん: 500語を100%の精度で覚えた

模試ではどちらが点数を取るでしょうか?

答えは明確にBさんです。

なぜなら、入試で問われるのは「どれだけの範囲をやったか」ではなく、「どれだけ確実に使える知識を持っているか」だからです。

成功する学習法:「100%の法則」

今日から実践してほしい学習法があります。

  1. テストで100%正解するまで次に進まない

  2. 95%で満足している自分に気づいたら要注意

  3. 「大体覚えた」は「覚えていない」と同義

  4. 同じ範囲を繰り返すことを恐れない

  5. 「遅い」のではなく「確実」だと認識する

早慶・医学部に合格する生徒の共通点は、常に100%の正解率で進む習慣を持っていることです。

まとめ:急がば回れが最短ルート

「馬鹿ほど先をやりたがる」

この言葉の本質は、目先の進歩に目を奪われ、本質的な実力向上を見失うという人間の愚かさを表しています。

受験は、範囲を終わらせる競争ではありません。どれだけ確実な知識を積み上げられるかの勝負です。

あなたが今90%の正解率で次に進もうとしているなら、立ち止まってください。その10%の中に、あなたの合格が隠れています。

早慶・医学部に行く生徒は、今日も100%を目指して同じ範囲を繰り返しています。

最後に、あなたに問いたい

想像してみてください。

あなたが病院で手術を受けることになりました。執刀するのは、医学部時代に「95%覚えたからまあいいや」と次々に先へ進んでいった医者です。

あなたは、その医者に自分の体を任せられますか?

「大体の血管の位置は覚えています」 「主要な神経は95%把握しています」 「薬の投与量は90%正確に覚えています」

こんな医者に、あなたの命を預けられますか?

絶対に嫌ですよね。

手術室では、「大体」や「ほぼ」は通用しません。1%のミスが、患者の命を奪います。

実は、受験も同じなのです。

あなたが今、90%や95%で満足して次に進もうとしている姿勢は、将来「95%の医者」「90%の弁護士」「85%のエンジニア」になる道を歩んでいるということです。

プロフェッショナルとは、100%を積み重ねた先にしか存在しません。

早慶・医学部に合格する生徒たちは、すでにそのことを理解しています。だから彼らは100%にこだわるのです。受験勉強を通じて、プロとしての「完璧を目指す習慣」を身につけているのです。

さあ、あなたはどちらの道を選びますか?

「大体できた」で満足する95%の人生か、「完璧にする」ことにこだわる100%の人生か。

その選択は、今日のあなたの行動から始まっています。

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