偏差値60への最短経路:算数は「全部書かない」のが正解
「式を全部書きなさい」
この呪いの言葉が、どれほどの将来有望な「計算マシン」たちの芽を摘んできたか、想像に難くありません。 すべてを書くことは、子供にとって苦痛以外の何物でもなく、脳のメモリを無駄な「事務作業」に割かせる愚行です。
こんにちは。国際大学大学院(IUJ)で国際関係学を修め、戦略的な視点から中学受験を攻略するヒロユキです。 今回は、偏差値40台から60への壁を突破するための「戦略的記述」について解説します。
結論から言いましょう。 算数で勝つのは、全部書く子ではなく「要所だけを残す子」です。
すべてを書かせることが「算数嫌い」を量産する
多くの親御さんや、指導力の乏しい講師は「プロセスが大事だから全部書きなさい」と指導します。 しかし、これは戦略的な視点が欠如しています。
子供にとって「書く」という行為は、大人が思う以上にエネルギーを消費する重労働です。 頭の中で答えが出ているのに、それを1から10まで紙に写す作業は、彼らにとって苦行でしかありません。 この苦痛が積み重なった結果、算数そのものが「面倒で嫌いなもの」へと変質していくのです。
そもそも、すべてのプロセスを書き出す必要などありません。 重要なのは、論理の「転換点」だけを記録することです。
偏差値60に届く「戦略的記述」の正体
僕が推奨するのは、全部ではなく「間違えそうなポイントだけを自分へのメモとして残す」スタンスです。 これを「戦略的記述」と呼びます。
例えば、以下のようなポイントです。
問題文の条件(単位の変換、人数の違いなど)
自分が「ここ、うっかりしそうだな」と感じた箇所の数字
複雑な図形の、補助線一本だけ
これらは、いわば戦場に立てる「道しるべ」です。 すべてを記録する必要はありません。自分が迷子になりそうな分岐点にだけ、印を置いておけばいいのです。
この方法には、2つの大きなメリットがあります。
脳のリソースを「思考」に集中できる 書く負担が減る分、そのエネルギーを難しい応用問題の攻略に回せます。
ミスを自分で発見できる 「どこで間違えたか分からない」という事態は、論理の迷子です。 戦略的な印さえ残っていれば、自分の思考を数秒でトレースでき、短時間で修正が可能になります。
「どこで間違えたか」を即座に特定する技術
「式を書かないと、どこで間違えたか分からないでしょ」という指摘は、半分正解で半分間違いです。 「全部書かない」から分からないのではなく、「急所を残していない」から分からないのです。
偏差値60を超える子は、自分独自の記号やメモを持っています。 それは、他人に見せるための「式」ではなく、自分のミスを封じ込めるための「印」です。
計算の途中で出てきた重要な数字に丸をつける。 比の値を四角で囲む。 これだけで、万が一答えが合わなかったとき、自分の論理のどこにバグが発生したのかが瞬時に可視化されます。 この「自己修正能力」こそが、難関校入試という情報戦を勝ち抜くための必須スキルなのです。
明日から親ができる「賢い観察」
今日から、お子さんのノートに「正しい式」を求めないでください。 代わりに、こう問いかけてみてください。
「君がミスしそうなところだけ、自分にメモを残してみたら?」
最初は、どこが急所か分からないかもしれません。 それでいいのです。 間違えた後に「あ、この数字をメモしておけば間違えなかったね」と、事後的に戦略を練る。 その繰り返しが、実戦的な思考力を育みます。
親の役割は、軍規を正すことではなく、兵士が最小限の力で最大限の戦果を挙げられるよう、環境を整えることです。
無駄な作業を削ぎ落とし、最短距離で偏差値60へ。 そのための「非情な効率化」を、今すぐ始めてください。
戦略のない努力は、ただの浪費です。 お子さんのノートを「事務書類」にするのは、もう終わりにしましょう。
本日も、戦略的な一日を。 ヒロユキがお届けしました。