【先生選びのご参考に】小6受験生、9月以降の学習への私の考え方

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2023/9/8

小学6年生からの問い合わせや相談が多くなる9月以降。夏も終わり、焦りが出てくるのは当然だと思います。様々な相談を頂く中で、塾や先生によって色々な考え方があるのだなぁと改めて感じるとともに、私自身の考え方を記しておくことで、少しでも先生選びの参考になればと思いました(特にこの時期「こんなはずじゃなかった」…というミスマッチはなるべく避けたいですよね!)

私自身、四谷大塚の教材に慣れていることもあるので、今回は四谷大塚のカリキュラムなどを軸にしながらいくつかの項目について話をしていきたいと思います(例えば日能研やSAPIXなどの教材も承知はしていますが、話が大きくなると収拾がつかなくなりますので…)


■家庭教師(マナリンク)の使い方について

 どういった形で利用するのかをある程度明確にして頂いた方が、学習効果としても高まるし、私自身もやりやすいというのが本音です。感触としては「塾の授業をメインとしながら、私たちを補強やセカンドオピニオンとして利用したい」という方が多いと思います。「船頭多くして船山に上る」という言葉がある通り、どこの学習・進学指導を軸にして受験を進めるかを明確にした方が良いと私は考えています(もちろん、必要とあらばアドバイスはしていきます)

 私自身、マナリンク(家庭教師)の経験は浅いですが、今まで指導させていただいた中で「先生ならどう考えるか率直に言ってください」というお言葉を何度か頂きました。実際、私自身、立ち位置に合わせ、言うべきことと、思っていても口に出さないことがあります。ですが、そのようなお言葉を頂いた際には、なるべく真摯に、自分の考えをお答えするようにしています。


■志望校対策について

 夏も過ぎると、「過去問対策」「志望校の傾向対策」といった相談を受ける機会が増えます。各塾や講師によって指導のやり方があると思うので、「メインとする指導に従ってください」というのが私の基本スタンスです(その補助や穴埋めをしていきます)

 ですが、私自身の考えとしては「少なくとも10月の合不合判定テストまでは、過去問演習にとらわれる必要は無い」というものです。今まで指導してきた中で、志望校の過去問を過去20年以上扱った年がありました。電話帳(全国の有名中学の入試問題が載っている分厚い過去問集です)を端から扱った年もありました。結論から言えば「結局大差ないなぁ」です。むしろ、過去問をあまり扱わず、予習シリーズをやり続けた年の方が結果が良かったかもしれません。

 もう一つ言っておきたいことがあります。「偏差値が足りなかったけど、対策のおかげで逆転合格出来た」というような話や記事を目にすることがあると思います。印象に残りやすいこともあって、その話を鵜呑みにする方もいらっしゃるようですが、ここで断言します。「それはあくまでもレアケース。本当に実力が足りなくても合格できるテクニックがあるのなら、とっくに塾業界はそうなっている」です。

 もちろん、そういったテクニックを持っている先生もいらっしゃるのかもしれません。ただ、少なくとも私の知り合いの中で、そこまでのテクニックを持った先生には出会えていません。(ちなみによく食事に行く元同僚の先生は、某日本最大手塾の開成コース担当で、毎年2桁前後の開成合格を出していますが…その先生も「開成対策は塾のテキスト(プリント)をどれだけしっかりやるか」と言っていました。)


■9月以降の指導について

 ここからは取捨選択が必要となってきます。もっと言うと、「捨」が大事になってきます(なぜなら時間は限られているから)。その上で私自身意識していることがあります。

①志望校の問題に向かっているか?

⇒6年生の9月以降は残り時間との勝負です。どんなに分かりやすい授業、掘り下げた指導をしても、志望校の問題レベルに届かなければ意味がありません(そんな指導誰でも出来ます)

現状と志望校の乖離を少しでも埋めていく。その道を示すことが私たちに必要な力と考えています。

②残り時間を逆算しているか?

これも①と同様で、どんなにいい授業をしても、受験の日に間に合わなければ意味がありません。例えば受験まで残り100日、やるべきテキストの内容は200ページであれば、一日2ページのペースでやるのは当然です。それを一日1ページのペースで扱えば、確かに良い授業は出来るかもしれませんが、ただの自己満足です。困難でも一日2ページやる。そのための方策、削る部分を考える、出し入れすることが私たちの役目です(あるいは、現実的にそのペースは無理だと告げることも…つらいですが仕事だと思っています)

③4教科トータルで考えているか?

合否は4科(2科)のトータルで決まります。自分が担当している教科がいい成績をおさめても、結果的に不合格だと悔しさだけが残ります。私自身、塾で沢山の生徒たちの進学相談をしてきました。その中で、「合格する可能性を1%でも上げる」ということを考えたとき、自然と4教科トータル(及びトータルの学習計画)を考えることとなります。


■合不合判定テスト(公開テスト)について

9月以降の合不合判定テストは、活用するべきと考えています。

①弱点や穴埋めするべき単元を確認する。得点できなかった原因を考える

→今後の学習の指針とする

②生徒と一緒に振り返り・反省会をする

→生徒本人に受験への意識を持たせる

ご要望あれば、私の方でやらせて頂きます。


■オリジナルテキスト・プリントなど

 この言葉が出ると身構えてしまいます。というのも、私自身、前職の塾で教材作成などをしてきましたが、四谷大塚(あるいは他塾テキストなど)を超えるものは作れませんでした。瞬間的に、ピンポイントで良いものは作れたかもしれませんが、トータルしたらやはりかないません。

 それは当然で、あちらはプロ集団が教材作成部門を作って作成しているのです。オリジナルテキストやプリントは否定しません(私より力ある先生方も多数いらっしゃると思います)が、それをメインに据える指導にはどうしても違和感を持ってしまいます。


■最後に…

思うところや考えることは沢山ありますが、一番は「子供たちが少しでもいい形で入試を迎える」ことだと思っています。塾、家庭教師(マナリンク)…沢山の選択肢があります。私自身、業界内に身を置いているので、色々な情報が入ってきます。ですが、業界と無関係(多くのご家庭がそうだと思います)の保護者の方には、なかなか理解されない部分だと思います。

マナリンクには力を持った先生方が沢山いらっしゃいます。ぜひご気軽にお問い合わせください。その上で、ご判断いただくのが良いのかなと思っています。

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