2021年、初の共通テスト英語リーディングを解いてみた
2021/2/9
こんにちは、石井です。
先月、初の大学入学共通テストが実施されました。
特に英語は前年の夏くらいから文科省でゴタゴタがありましたが、なんとか実施に踏み切れましたね。
英語のリーディングの問題と解答が公開されていましたので、まずは何も見ないで解いてみました。
問題概観と感想です。
共通テストの英語全体観
リーディングは80分で、従来のセンター試験と変わりなし。
文法問題やアクセントなど英語の知識を単独で問われる問題はなくなり、英文読解のみの出題です。
大問数は6問で短長合わせて10本の英文の読解です。
英文の質はともかく量が激増したのが今回の共通テストの一番のポイントです。
2021年共通テストの英語リーディング大問別分析
大問1:テキストチャット・Webページ情報の読解(配点10点)
A問題はLINE風のテキストチャットでのやり取りから情報を読み取る問題でした。
センター試験ではお目にかかれなかった現代的な出題ですね。
英文も短く、設問も素直なものでこれはサービス問題でしたね。
B問題はバンドのファンクラブの紹介ページを見て、そこから読み取れる情報についての設問に答えます。
この手の資料読み取りはセンター時代から存在していたので、目新しさはありませんでした。
時間をかけずにさっと進みたいところです。
この時はまだ後にやってくる怒涛の長文地獄に気づいていなかったのです。。
大問2:図表読み取り+意見文の読解&文面のやりとり読解(配点20点)
A問題はバンドコンテストの審査結果の得点表と審査員の意見文の読解でした。
いたってシンプルな内容でしたが、新しい設問がありました。
「fact」と「opinion」を読み分ける設問です。
「fact」を問われている問題は意見文中の事実を根拠に解答しなければなりません。
ここで僕は一瞬固まりました。
普通に「当てはまるものを選べ」問題だと思っていたら選択肢が全部問題文中から読み取れることだったからです。
実際には選択肢の中には「意見」を述べてしまっているものがあったのでここでは不適になります。
反対に「意見」を根拠に解答する問題では「事実」を持ち出してはいけません。
この手の問題は初めて見たので、途中で気づくまでは戸惑いました。
B問題は生徒と学校側の下校時間をめぐる文面でのやり取りの読解です。
設問は非常にシンプルですが、「誰が」その意見を持っているのかを明確にしておかないと引っかかります。
設問3問中2問が主語さえつかめていれば解ける問題でした。
大問3:レビューサイトの読み取り+学校新聞記事の読み取り(配点15点)
問題Aは旅行系レビューサイトでのホテルのQ&Aを読解します。
英文の中に散らばった交通機関の情報を集めて自分で結論を導く必要があります。
これはかなり難しかったと思います。
問題を見てもらえば分かりますが、輸送手段が複数あり、駅も中継があり、交通事情により到着時間がありと分岐を正しく追うのが非常に厄介でした。
ここで時間をとられすぎると最後まで終わらないでしょう。
B問題は生徒がボランティアの募集を呼びかける学校だよりの読解です。
英文がズラーッと並びますが設問では時系列を正しく並べ替える問題がありました。
一箇所を見れば解ける類の問題ではなかったため、読み直しに時間がかかったでしょう。
それ以外は標準的です。
大問4:メールでの旅程案・添付資料(図表)の確認の読み取り(配点20点)
メールで2者間の旅程の確認を行っています。
添付の図表データの読解も合わせて確認する必要があります。
設問が散らばった情報を時系列にまとめたり、図表の読み取りが求められたり、当てはまらないものを選ぶなど設問が意地悪でした。
大問5:記事の読み取り(配点15点)
かなりまとまった量の長文の読解です。
新聞記事をまとめて発表資料を作っていきます。
オーソドックスな出題ですが、またしても時系列問題です。
全体をしっかり読んでいないと答えられないです。
大問6:記事の読み取り×2(配点24点)
最後の地獄坂です。
最後の大問にたどり着いたと思いきやA・B問題どっちもごっつい長文です。
この時点でタイムリミットに間に合わないことを確信した受験生も多かったと思います。
設問はオーソドックスです。
A問題はまだ優しさを感じますが、B問題は設問が非常に難しいです。
英文中から根拠を集めて数の大小関係を考えたり、英文の内容に当てはまるものを選ぶもの(選択肢が紛らわしい!)、文章の意図を考える問題などなど点を取らせまいとしているかのごとくの難しい設問でした。
初の共通テスト英語リーディングは難化した?
各予備校の分析速報だと難化としているところが多いようです。
私も毎年センター試験の問題を解いていますが、難しかったと思います。
まず量で圧倒されます。
従来の2800語から4200語へと増加し受験生の中には解き終わらなかった方も多いでしょう。
文法問題など比較的反射で答えられる問題がないので、息をつく暇なく大量の英文を読まなくてはなりません。
また、設問の形式もセンター試験とはかなり異なるため、戸惑う人も多かったと思います。
何より、試行調査はあったにせよ正式な過去問が存在しなかったため、特に英語に苦手意識がある学生にとっては不安や焦りなどの感情が伴ったことでしょう。
試験本番ではちょっとしたことでガラガラと崩れてしまうものなので、今年の受験生は苦労したと思います。
所感
大学入学共通テスト初年度、センター試験から大きく変わりましたね。
このボリュームの問題を解いて100点というのは少し負担が大きい感じがしますね。
ただし、リスニングの傾斜を極端に軽くしている大学もあるので、リーディングで決まる場合もありますが。
(それでは結局リスニングの配点を高くした意味がない)
個人的にはセンター試験より、こっちの試験のほうが好きです。
センター試験のアクセント問題とか無駄だと思ってましたし、けっこう勉強した人でも文法でコケることってよくあります。
共通テストでは長文問題しかないので、二極化が進みそうです。
英語が得意で長文をたくさん読んできた人にとっては、センターより満点が狙いやすいテストになっています。
一方で、長文が苦手でなんとか文法問題で点稼ぐ戦略の人にとってはかなりきつい試験です。
来年以降の試験がどうなるかまだわかりませんが、とにかく長文読む習慣を付けておかないと歯が立たないでしょう。
長文は早めの対策が肝心です。
私が学生の時は、とにかくたくさんの長文を読んでいました。
特に試験の対策をしなくとも、センター試験・二次試験ともに英語を武器に乗り切ることができました。
長文学習さえしっかり行っていれば、真の実力が身につきますから心配いりません。
ただし、独学だとどんな勉強をしたらいいか、どれくらい勉強したらいいかを考えるのは難しいです。
下の講座で長文読解のトレーニングを行っておりますので、お気軽にお声がけくださいね。
https://manalink.jp/teacher/11011/courses/862
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