オンライン講師の仕事について思うこと
2024/10/31
コロナになってオンライン講師の仕事をやるようになり、早いもので4年近くたちました。この仕事について、最近思っていることをまとめてみます。
①生徒さんの未来を背負わない講師をやってると、「来週までに英検合格しないといけないんです!」「どうしても○○高校に入りたいんです」みたいな生徒さんがいらっしゃることもある。かなり時間がない駆け込みだったり、今のレベルでは届かないような目標だったりすることもあるんだけど、私が背負い込まないことが大事だと思うようになった。オンラインレッスンに対する誤解として、結構な数の生徒さんや保護者の方が「レッスンに来るだけで合格できるようになる・上達する」と考えている。1週間に30分とか1時間レッスンに来ただけで、その他の時間ずっと何もしなくて英語とか楽器が上達するはずないんだけど、例えばスイミングとかだったらスクールに通っているだけで一般的には上手になるものだから、混乱が生まれてるのかもしれない。
先生を始めたばかりのころは、高い目標を掲げてるのに全然練習しないピアノの生徒さんに「なんで練習してこないの!?」と昭和的にイライラしていた。今は、「試験とか受けずにただ楽しく続けたい」という生徒さんと「試験に受かる目標がある」という生徒さんの2種類があることがわかって、ただ楽しく続けたい生徒さんには、全然練習とか復習してこなくてもニコニコ優しくレッスンをする。一方で試験に受かる目標を立てている生徒さんで全然勉強してこない場合は、早めにしっかり保護者さんも含めて面談して、レッスンはただのガイダンスであり、合格できるかどうかは家庭での勉強にかかっているということをはっきりお伝えします。
英検に合格したいのに、部活や他の習い事が忙しすぎて家庭での復習時間が取れないという生徒さんもいて、その場合ははっきり、たぶん合格は難しいのでまた時間ができたときに挑戦された方がいい旨をお話しします。
レッスンはとにかく伴走であり、生徒さんの努力を正しい方向にガイドするものでしかない。私の精神状態が毎回のレッスンの質に直接影響するので、生徒さんの合格や不合格、その先の将来まで私が背負いこんだり、生徒さんが努力しないことに対して必要以上にストレスを抱えないように気を付けています。
そんな中で、合格のお知らせがもらえたときはとっても嬉しい✨ただ合格したのは私のおかげだ(めっそうもないことですが)とか、不合格だったら私のせいだとかは思わないようにしています。②適宜値上げする今は個人的に請け負っているレッスンのほかに、家庭教師サイト、英会話サイトに登録してレッスンを請けています。4年前にレッスンを始めたときは手探り状態で、1時間1000円とかからのスタートでした。おかげさまで徐々に実績もついて生徒さんからのレビューも増え、今は1時間3000-5000円の間でレッスンをさせていただいています。
家庭教師の値段設定については、検索してもあまり記事が出てこなくて、公にしづらいトピックだとは思うんですが、私は以下のようなタイミングで価格改定をしています。①年度の変わり目(学年の変わり目)②英検の受験級が上がるとき➂生徒さんが増えて、対応しきれなくなってきたとき
講師側が時給低すぎると思いながらではいいレッスンはできません。また、低い単価でたくさんの生徒さんを抱えて長時間レッスンをしていると、一人一人の生徒さんによいレッスンを提供することもできません。
安いから気軽に受けられるので、復習もしない、授業も平気ですっぽかすでは、お互いの時間とお金を無駄にしていることになります。
日本の伝統的な考え方として「企業努力(サービス提供者側が無理をした状態)でお客様に安くて良いものを提供する」のが良しとされていますが、安ければ安いほど良いというものでもないと思います。高すぎて受けられない、というのも問題ですが、講師側が喜んで授業をできる値段で、納得してレッスンを受けてくださる生徒さんがいるという双方のバランスが大事だと考えています。➂保護者とのコミュニケーションが大事上でも書きましたが、保護者の方と定期的に面談することが重要です。自分ではよいレッスンをしていると思って生徒さんも満足していても、最終お金を出すのは保護者の方なので、保護者に不満があるとよいレッスンとは言えないからです。顔を合わせて面談することで、メールだけではやり取りできない細かい点や意向のすり合わせができて、信頼が生まれレッスンが長続きします。
私はオンライン講師をしながらコミュ障な面もあるので、この保護者さんとの面談というのが少し苦手で避けてしまっている部分もありました。でも家庭教師サイトの規則で必ず定期的な面談をすることとなり、この面談が重要だと気付かせてもらいました。
ときどーーき、講師側に対して不満だらけで威圧的な保護者さんもいらっしゃいますが、ほとんどの場合は「いつもありがとうございます」的に穏便な感じで、リクエストも丁寧に伝えてもらえるので、コミュ障でも何回もやってると慣れてきます。笑
威圧的な保護者さんについては、たぶんどこのご家庭でも夫婦仲とか子育てとかお子さんの教育とかいろんな大変な課題があって、そんな鬱憤がいいやすい相手である講師に向けられているという面もある。そう思って、あまり個人的に受け取ったり「自分のレッスンが良くないんだ」とかは思わないようにしています。レッスンが良くないなら向こうから辞められるはずなので。④合わない生徒さんもいることを受け入れる上に書いたように「家で復習してください」とか「このままだと合格はむずかしいです」などお伝えしても全然姿勢が変わらなかったり、ご家庭との方針がどうしても合わないときもあります。
ある小学生のお子さんは英語が全然好きじゃなくて、他の習い事もたくさんあって疲れすぎてレッスンの中で泣いたり寝落ちするくらいでした。それなのに保護者の方が、英検3級に受かったので次は準2級!と言っておられて面談しても方針のすり合わせができませんでした。
前にも書きましたが、私はお子さんの能力を超えて無理に試験を受けさせることには反対です。
こういう場合はいくらレッスンをしてもお互いに苦しい思いをするだけになってしまうので、稀ですがレッスンをお断りすることもあります。
会社勤めだったらやりたくないことをやらないといけないときもあるけど、在宅でフリーランスで仕事をするようになって、自分の精神衛生を守る手段がある(無理にレッスンしなくていい)のは大きなプラスのひとつです。➄どんなことでも仕事の役に立つ私はYouTubeが大好きで、いろんな動画を毎日平均3時間以上は見ています。今見てる主なジャンルは、①遭難など事故の解説②お笑い➂中田敦彦のYouTube大学④捨て活➄フランス語の豆知識 など。
YouTubeは自分の家にいながらにして他の人のリアルな生活を知ることができたり、自分の世界を広げられますよね。
ただリラックスのために見ているんですが、動画で見た内容から、英会話や日本語の家庭教師をしていて生徒さんとの会話で引き出しが増えて役に立ったと思うことが多い。例えばこの間は、「アメリカのスタバは値下げを今まで絶対しなかったんだけど、物価上昇でコーヒーの支出を削る人が増えて値下げしないといけないようになってきている」という話や「北海道の土地が外国人に爆買いされて日本の中でも日本人が住めない場所が増えてきている」という話を生徒さんとしました。
家庭教師はただ勉強を教えるだけじゃなく、お子さんにとっていろんな話題や世界のできごとに興味を広げてくれるような扉にもなれる存在だと思うので、YouTubeを見ている時間も仕事の準備になっています。笑
子どものころ少しだけ英語の先生になりたいと思ってた時期はあったけど、大人になってからは、正直自分が先生になるとは思ってなかった。
夫と結婚して、コロナがあって成り行き上始めたんですが、世界のどこでもおうちから好きな時間に働けて、自分で時給を設定できる最高の仕事です。
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