共通テスト英語リーディングの特徴と対策

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2022/4/28

共通テスト英語対策講座開講!

皆さんこんにちは。この度、共通テスト英語対策のコースを開講することとなりましたので、共通テスト英語リーディングの特徴と対策についてシェアしたいと思います。長くなりますが、最後までお読みいただければ、共通テスト英語リーディング対策に向けての大きな指針が得られます。


1. 共通テストリーディングとCEFR

(1)CEFRとは

Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)の略称で、ヨーロッパで使用されている外国語の習熟度を測る指標のことです。A1・A2・B1・B2・C1・C2の6段で評価されます。それぞれのレベルは以下の表を参照してください。

*ブリティッシュ・カウンシル、ケンブリッジ大学英語検定機構より引用

(2)共通テストリーディングのレベル

共通テストは、高校教育を通じて、大学教育の基礎力となる知識及び技能や思考力・判断力・表現力がどの程度身についたかを問うことを目的とした試験です。そのため、共通テストで出題される問題はA1〜B1レベルとなっています(第1〜3問:A1・A2レベル / 第4〜6問:B1レベル)。国公立二次や難関私大はB2レベルまで出題されますが、共通テストでは出題されません。したがって、共通テスト対策と国公立二次・私大対策の勉強は重なるところはあるものの、求められているレベルが異なる以上、スタンスを変えて行うべきです。

2 . 共通テストリーディングで求められている力

(1)基礎的な語彙力 

 結局のところ、英語は語彙力が正義です。語彙力がある人がどんな入試においても強い。「知らない単語は前後から類推」といった甘っちょろいことは言わずに、強靭な語彙力をつけましょう。掲載語数が2000語程度の単語帳を一冊仕上げた後は、テキストや過去問で出てくる単語をしっかりと覚えていく方法で構いません。

(2)基礎的な文法力

センター試験と異なり、共通テストではいわゆる「文法問題」は出題されません。そこで、「文法問題が出ないなら、文法を勉強する意味ないじゃん!」と勘違いする生徒が出てくるのですが、これは非常に危険です。なぜなら、共通テストでは、文法知識そのものを問う問題は出ないものの、文法知識を活用できているかを問う問題が出題されるからです。また、後述するように、文法知識を使って文の構造を正確かつ素早く掴む力がなければ、分量が多くなった共通テストの問題を最後まで解答することは難しいといえます。しっかりと文法知識を身につけましょう。なお、ここでいう文法知識とは、ただ単に文法問題を解くための知識ではなく、読解に活かせる「使える文法知識」のことです。

(3)文構造理解力

上述したように、共通テストの文章のレベルはA1〜B1レベルであるため、国公立二次や難関私大で出される英文の内容・構造ともに複雑な文章は出題されません。しかし、共通テストは従来のセンター試験と比べて読解の分量が多くなっており、スピーディーな読解と設問処理が求められています。そこで、英文の内容を正確かつ素早く掴むためには、文構造理解力が必要不可欠です。まずは、英文を読解する際に徹底的に文構造を考えて精読する練習をし、平易な英文を読む時には、それをだんだんと無意識化していくことで、読解のスピードが向上します。「速読」を意識しすぎるがあまり、雑な読みになっては本末転倒です。しっかりと、文構造を明らかにしながら英文を読解する練習を行いましょう。

(4)情報処理・検索能力

共通テストで出題されるA1〜B2レベルは、日常生活レベルの英語力です。したがって、学術的な内容の英文を読み、じっくりと思考して答えを出す、といった国公立二次・難関私大型の設問は出題されないということです。共通テストでの設問は、英文の大意を素早くつかんだり、必要な情報を検索して探し出す力などが求められています。そこで、(1)〜(3)までの語彙力・文法力・文構造理解力に加えて、情報処理能力が求められているといえます。

3. 共通テストと国公立二次・難関私大対策の相違

共通テストと国公立二次・難関私大の試験は、語彙・文法力など、基礎的な部分で求められている力は一部共通しますが、基礎を土台としたその先で求められている英語力は全く異なります。したがって、共通テストの勉強と国公立二次・私大の勉強は、やり方をしっかりと区別して行うことが重要です。共通テスト用の対策だけをして国公立二次・私大の問題を解こうと思っても、歯が立ちません。基礎を身につけた後の共通テストの勉強は、「共通テストのためだけのもの」と割り切って行いましょう。

・共通テスト:語彙力・文法力を土台とした日常生活に求められる英語運用能力

⇒英文の内容は比較的平易 / 設問は情報処理的なものが多い

・国公立二次 / 私大:語彙力・文法力を土台とした学術研究に求められる英語運用能力

⇒英文の内容・構造ともに複雑で難しい / 設問は論理的思考力・表現力等を試すものが多い

4. 共通テストリーディングの攻略法

(1)スキミング・スキャニング的読解

上述したように、共通テストのリーディングと国公立二次・難関私大のリーディングでは、読み方の「姿勢」を変える必要があります。共通テストでは、スキミング的読解で、ディスコースマーカー(談話標識)などを参考にしながら、パラグラフごとの要点・大意をつかんでいくとともに、長文を読む前に設問をしっかりと把握してキーワードを掴み、スキャニング的に答えの該当箇所を探し出すことが求められています。ただし、この読み方に慣れきってしまっては、国公立二次・難関私大の問題に対応できなくなる可能性があるので割り切りが重要です。

・スキミング(skimming)

文章の要点をすくい取り、全体のおおまかな流れをつかむ読解法のこと

・スキャニング(scanning)

自分が探し出したい情報をキーワードをもとに英文の中から特定し、見つけ出す読解法のこと

(2)設問形式への慣れ

やはり、共通テストの設問形式に慣れることは非常に重要です。過去問や試行調査、各社が作成している模試等を活用して、共通テストの形式やそれぞれの設問の解き方・時間配分を把握しておきましょう。基礎的な語彙・文法力が身についていれば、あとは数をこなして慣れていくことをオススメします。なお、国公立二次や難関私大対策で十分な英語力が備わっている人は、共通テスト対策については、そこまで時間をかけなくても問題ないと思います。逆にいうと、共通テスト対策をそこまで行わなくても「勝手に」高得点が取れてしまう、というレベルを目指しましょう。

(3)言い換え表現

共通テストだけでなく、英語の読解系問題では、言い換え表現に注意することがとても重要です。中でも、本文→選択肢の言い換えは特に頻出です。すなわち、選択肢に出てくる表現は、解答根拠となる本文中の記述を言い換えたものである場合がほとんどです。本文の表現がそのまま選択肢で使われることはないため、言い換え表現を常に意識するようにしましょう。

・正解の選択肢:本文の内容の言い換え

・ 不正解の選択肢:本文の内容のすり換え or 本文に記述なし


いかがでしたか?本ブログの内容が、皆さんの共通テスト対策に役立てば幸いです。私の共通テスト英語対策コースにご興味のある方はぜひ、お問い合わせください。

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