やったはずなのに覚えてない…? ——忘却曲線を活かした中学生の復習法と周回タイミング

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2025/7/24


中学生の勉強でよくあるのが、「あれ、これ前やったのに…」という場面。


実はこれ、子どものやる気や能力の問題ではありません。

**「復習のタイミング」**を間違えているだけ、ということがほとんどです。


記憶は、放っておけばあっという間に消えていきます。

でも逆に、タイミングさえ押さえれば、グッと定着させることができます。


今回は、**「忘却曲線」**をヒントにした効果的な復習と周回のやり方をお伝えします。




【ポイント1:人は思った以上に忘れる——忘却曲線とは?】


エビングハウスの忘却曲線という有名な研究があります。


・20分後には約42%を忘れる

・1日後には約74%を忘れる

・1週間後には約77%を忘れる


つまり、「何もしなければすぐ忘れる」のが人間の脳なんです。




【ポイント2:「3・1・7・30」の復習タイミングを押さえる】


忘却を防ぐには、記憶が抜ける前に“軽く”思い出すことが重要です。


おすすめのタイミングはこの4つ:


1.3時間以内(学習したその日のうち)

2.1日後(翌日)

3.7日後(1週間後)

4.30日後(約1か月後)


このリズムを守るだけで、復習効率は劇的に変わります。


しかも、1回5分でも十分効果があります。




【ポイント3:科目別・効果的な復習のやり方】


◆ 英語・社会・理科(用語系科目)

・赤シートや一問一答を使って“アウトプット”で思い出す

・ノートや問題集の空欄を隠して自分で再現できるか確認

・「左欄(キーワード)」だけ見て説明できるか?がおすすめ


◆ 数学

・解いた問題のうち「間違えたもの」だけを集中復習

・「なぜ間違えたのか?」を言語化できると記憶に残りやすい

・数式だけでなく、手順や考え方をノートで再確認


◆ 国語(読解系)

・本文を読み返すときに「設問と答えのつながり」を確認

・自分の答えに対して、「なぜそう思ったのか」を書き足すだけでも復習になる




【ポイント4:周回=完璧にすることではない】


勘違いされがちですが、周回の目的は「100点を取る」ことではありません。


・「自分はどこがあやふやか」を知る

・「今見直しておけば忘れずに済む」と気づく

・「前回より早く・正確に解けるようになった」と実感する


この感覚を積み重ねることが、結果的に成績につながります。




【ポイント5:保護者ができるサポート】


復習や周回は「自分でやる」意識が大事ですが、親の一言で習慣化しやすくなります。


・「昨日やったところ、今日5分だけ見直してごらん」

・「前に間違えたとこ、もう一回見てみた?」

・「今週やった中で、来週も復習した方がいいのはどこ?」と声をかける


「勉強しなさい」ではなく、「どこがあやふやそう?」と問いかけるのがコツです。




【まとめ:記憶は“育てる”もの】


勉強は「覚える→忘れる→思い出す→定着する」のサイクルでできています。


・覚えっぱなしにせず

・忘れる前に思い出して

・“思い出すタイミング”を管理すること


これができれば、自然と周回の質も上がっていきます。


テスト前に焦らなくて済むように、1回目の後に“復習予定日”を入れておくのもおすすめです。

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