【シリーズ第4回】穴埋めから受験演習までの4ステップ|中3夏の効率的な勉強の進め方

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2025/8/10

前回の振り返り


前回(第3回)では、中3夏の学習配分として基礎8割・受験2割が最も効率的である理由と、その実践方法をお伝えしました。


基礎を固めながら少しだけ受験形式に触れることで、秋以降の伸び方が大きく変わることもお話ししました。


今回は、その「8:2配分」を実際の学習プロセスに落とし込む方法をご紹介します。

テーマは、穴埋めから受験演習までの4ステップです。


4ステップの全体像


中3夏の学習は、大きく次の4段階に分けて進めると無駄がありません。


◎ STEP1:基礎知識の穴埋め

◎ STEP2:基礎の反復練習

◎ STEP3:応用の導入(小さな負荷)

◎ STEP4:実戦演習(時間計測+分析)


この流れは、短距離走ではなくマラソンのように、順番を飛ばさず一歩ずつ積み上げることが大切です。


STEP1:基礎知識の穴埋め


最初にやるべきは、1〜2年生の範囲を含めた基礎知識の抜けを洗い出すことです。


方法はシンプルで、模試や定期テストの間違い直しをしながら「何が分からなかったか」をリスト化します。

例えば数学で一次方程式ができないなら、そのページを教科書や学校ワークで読み直します。

英語で現在完了形が苦手なら、中1の過去形や不規則動詞まで戻って確認します。


ここでのポイントは、新しい問題集に飛びつかないこと

まずは手元の教科書・学校ワーク・配布プリントを使って理解を戻します。


STEP2:基礎の反復練習


穴埋めが進んだら、次は基礎知識を「即答できるレベル」にまで定着させます。

これは暗記と練習の両方が必要です。


数学なら、基礎計算や標準問題を繰り返し解きます。

英語なら、単語暗記テストや文法問題をテンポ良くこなします。

理科・社会なら、一問一答形式で用語を瞬時に答えられるかを確認します。


この段階ではスピードと正確さを意識します。

週ごとに進捗をチェックし、「まだ時間がかかる問題」や「間違える頻度が高い問題」を重点的に復習します。


STEP3:応用の導入(小さな負荷)


基礎が安定してきたら、少しだけ応用問題に触れます。

ここで使うのが第3回で話した「8:2配分」の“2割”の時間です。


数学なら、基礎問題の数字や条件を変えた応用問題。

英語なら、教科書レベルより少し長めの読解や、例文のパターンを変えた英作文。

理科・社会なら、資料やグラフを使った設問などが該当します。


大事なのは、この段階では難問に挑まないこと。

基礎と応用を往復しながら、「基礎がどう応用に使われるのか」を理解します。


STEP4:実戦演習(時間計測+分析)


最後のステップは、入試や模試形式での演習です。

ここでは時間を計り、本番同様の緊張感で解きます。


ただし解きっぱなしは意味がありません。

必ず解説を読み、間違いの原因を分析します。

知識不足ならSTEP1・2に戻り、ケアレスミスや読み違いなら解き方や注意点を整理します。


実戦演習は週に1〜2回程度で十分です。

夏の時期は「演習より分析」に比重を置くと、弱点克服が早まります。


進捗が遅れている場合の調整法


もし夏の終わりに差しかかっても基礎が固まり切っていない場合、無理にSTEP3・4を増やす必要はありません。

秋以降に応用時間を増やすためにも、この時期はあえて基礎に集中する方が結果的に伸びます。


また、予定通りに進んでいても、科目によってはステップの進度が異なることがあります。

数学はSTEP3まで進んでいても、英語はまだSTEP2…というように、教科別に進捗を見て調整します。


まとめ


中3夏の4ステップは、基礎から実戦までを無理なくつなげるための道筋です。

順番を守りつつ、自分の進度に合わせて柔軟に調整すれば、秋以降の成績の伸びに直結します。


次回予告


第5回では、せっかくの両立計画を崩してしまう「3つの落とし穴」について解説します。

やり方だけでなく、続けるための注意点もお伝えします。

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