【シリーズ第5回】両立を崩す3つの落とし穴|中3夏の勉強で避けるべきこと
前回の振り返り
前回(第4回)では、基礎から受験演習までを効率的につなぐ4ステップを紹介しました。
順番を守って学習を積み上げることで、基礎と受験の両立が実現できるという話でしたね。
しかし、この流れを実践していく中で、多くの中3生が共通して陥る失敗があります。
今回は、その典型的なパターン=両立を崩す3つの落とし穴を紹介します。
落とし穴1:基礎だけで夏が終わる
真面目な生徒ほど陥りやすいのが、「基礎を固めること」に集中しすぎて、応用や実戦形式に触れないまま夏を終えてしまうケースです。
もちろん基礎固めは最優先です。しかし、試験は基礎問題だけではありません。入試問題や模試は、基礎を応用して解く設問が多く、本番形式の経験値が必要です。
例えば、数学の公式や解法は覚えていても、試験時間の中で複数の問題を取捨選択する感覚は、演習を通じてしか身につきません。
対策:夏の終盤には短時間でも実戦形式を入れる。過去問や模試問題を1〜2問だけでも解いて、時間感覚と出題形式に慣れることが大切です。
落とし穴2:受験演習だけに走る
逆パターンが、過去問や応用問題に時間を割きすぎてしまうケースです。
基礎が不安定な状態で応用ばかり解くと、点数は安定せず、むしろモチベーションが下がります。
例えば英語の長文演習で、単語や文法の理解不足が原因で正解できないと、「長文が苦手」という誤った自己判断につながります。本当の原因は基礎不足なのに、それを見逃してしまうわけです。
対策:演習後は必ず間違いの原因を分析し、不足している基礎知識に戻るサイクルを作る。これが「基礎⇄演習」の循環です。
落とし穴3:計画倒れで配分が崩れる
夏は時間が多い分、スケジュールを詰め込みすぎる傾向があります。
最初の1週間は順調でも、部活動や家庭行事、体調不良などで予定が崩れた瞬間、配分が乱れます。結果、基礎と受験のバランスが大きく偏ってしまいます。
対策:計画は1週間単位で立て、予備日を必ず設定する。忙しい週でも8:2の配分を意識し、科目ごとにどこが遅れているかをチェックして翌週で調整する。
自己チェックリスト
両立が崩れていないかを確認するために、週末に次の3つを見直しましょう。
☑️ 今週の勉強配分は8:2を保てたか
☑️ 各ステップ(基礎→反復→応用→実戦)の進捗は科目別にどうか
☑️ 配分や進度の崩れを翌週でどう修正するか
この習慣を入れるだけで、計画倒れのリスクは大きく減ります。
まとめ
落とし穴は、事前に知っていれば回避できます。
基礎偏重、演習偏重、計画倒れ——この3つを避けることが、両立を長く続けるコツです。
そして何より大切なのは、毎週の振り返りで自分の学習状況を把握することです。
次回予告
第6回(最終回)では、この夏のテーマである「覚え直し」と「演習習慣化」について解説します。
夏の努力を秋以降に活かすための、毎日のルーティン作りのヒントをお届けします。