【シリーズ第6回】夏のテーマ|覚え直しと演習習慣化で秋以降の伸びを決める

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2025/8/10

前回の振り返り


前回(第5回)では、定期テストと受験勉強の両立を崩してしまう3つの落とし穴についてお話ししました。

「基礎だけで夏が終わる」「受験演習だけに走る」「計画倒れで配分が崩れる」——これらはどれもよくある失敗ですが、事前に知っておけば回避できます。


そして今回は、この夏シリーズの締めくくりとして、**夏の努力を秋以降に確実につなげるための“覚え直し”と“演習習慣化”**について解説します。

これを実践できるかどうかで、秋の模試や冬の仕上がりが大きく変わります。


覚え直しの重要性


人は新しく覚えたことの半分以上を、たった1週間で忘れてしまうと言われています。

夏に一生懸命覚えた基礎知識も、放置すればあっという間に薄れてしまいます。


例えば、夏休みに英単語を100個覚えても、2週間後に確認したら半分以上が曖昧になっていた…という経験はありませんか?

これは特別なことではなく、人間の記憶の仕組み上、自然な現象です。だからこそ、意識的に覚え直すサイクルが必要になります。


覚え直しの実践法


おすすめは「翌日・3日後・1週間後」の3段階復習です。


◎ 翌日:新しく覚えた内容を軽く確認。間違えた部分だけ集中チェック

◎ 3日後:もう一度全体を通して復習し、知識を長期記憶に送り込む

◎ 1週間後:定着度をテスト形式で確認。正答率8割未満なら再度翌日からやり直し


このサイクルを回すと、短期記憶から長期記憶への移行がスムーズになり、秋以降も忘れにくくなります。

特に理科や社会の用語、英単語や古典単語のように「暗記比率の高い科目」に効果的です。


演習習慣化のポイント


演習は「たくさん解く」より「毎日解く」ことの方が大切です。

1日5問でも構いません。それを毎日続けることで、試験当日の頭の回転や集中力が自然と養われます。


ポイントは次の3つです。


◎ 解く時間よりも振り返りの時間を重視する(解説を読み、自分の弱点を特定)

◎ 苦手科目は1日の学習の前半に行い、後回しにしない

◎ 演習用ノートを作り、間違えた問題をまとめておく


この「間違いノート」は、冬の直前期に見返すと強力な武器になります。


習慣化を邪魔する要因と対策


習慣化を妨げる最大の敵は「モチベーションの波」です。

やる気がある日は問題なくても、疲れている日や予定が詰まった日には勉強を後回しにしがちです。


対策としては、タスクを細分化し「最低ライン」を設定します。

例えば、「英単語5個だけ」「計算問題1ページだけ」など、どんな日でもこなせる量を最低限として決めておきます。

こうすることで、ゼロの日がなくなり、習慣が途切れません。


さらに、時間不足には「毎日の固定時間設定」が有効です。

朝起きてすぐ、学校から帰ってすぐ、寝る前など、自分の生活リズムに合わせた固定枠を作ります。


成果が見えにくいと続かない場合は、「記録の可視化」が役立ちます。

カレンダーに学習時間や演習量を記入したり、アプリで正答率の推移をグラフ化することで、自分の成長が目に見えてわかります。


まとめ(シリーズ総括)


このシリーズを通してお伝えしたのは、次の流れです。



受験は長期戦です。夏にやったことは、秋・冬の土台になります。

覚え直しで知識を固め、演習を習慣化して“解く力”を磨くことで、最終的な得点力が大きく伸びます。


そして何より大切なのは、「やり方」を知ったら、それを毎日続ける仕組みを作ることです。

この夏に築いた基礎と習慣は、必ずあなたを志望校合格へと近づけます。


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