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内職の”し過ぎ”は良くない件

2025/4/9

〜受験数学の本質に向き合うために〜


こんにちは!今回は「内職(ないしょく)」についてのお話です。

学校の授業中、こっそり自分の参考書を開いたり、受験用の問題集を解いていたり…。

「授業が簡単すぎるから」「今この範囲は受験に出ないから」

そんな理由で内職をしている人、もしかしてあなたもそうじゃないですか?


もちろん、受験を見据えて“今やるべきこと”に取り組もうとする姿勢は素晴らしいです。

でも……その内職、“やりすぎて”いませんか?




1. 「授業=時間のムダ」と思っていない?


たしかに、進度の遅い授業や、既に理解している範囲を再度説明される時間は、もどかしいかもしれません。

でも、その時間をただスルーするだけでは“本質的な理解”に届かないことも多いのです。


学校の授業は、基礎を再確認したり、別の視点からの説明を受けられるチャンスでもあります。

“内職”が習慣になると、

・難問を「とりあえず解くだけ」になってしまう

・一見効率が良いようで、理解の「抜け」が残りやすい

・学校の先生の「ヒント」や「指導」を活かせない

こうした”学びのチャンス損失”が起こってしまいます。


2. 「自分でやったほうが早い」は本当?


これは受験生に多い“落とし穴”です。

確かに、自分のペースで進めるほうがスムーズに感じるかもしれません。

でもその「速さ」、表面的な“処理速度”だけになっていませんか?


数学は「速く解く」ことも大切ですが、それ以前に「正確に理解する」「根本を見抜く」ことが最重要です。

たとえば「図形問題のパターンを覚えた」だけでは、角度や長さの関係がちょっと変わっただけで手が止まります。

一方で、「この補助線はなぜ引くのか?」という視点をもって考えた人は、応用力を持って問題に対応できます。



3. 「内職の量≠実力の量」


数学において、「自分で勉強している時間が多い=実力がついている」とは限りません。

本当に大事なのは「正しい方向に、正しい方法で」取り組んでいるかどうか。

・適切な復習ができているか?

・自分がどの分野を苦手としていて、何を克服すべきかを把握できているか?

・解法の意味を理解して、初見の問題に応用できる力が育っているか?

これらの視点を持たないまま問題集を進めても、“表面的な演習”に終わってしまうことが多いのです。



4. じゃあ、内職って絶対ダメなの?


いえ、内職=絶対悪とは言いません。

むしろ、授業が明らかに自分のレベルに合っていない場合、

「今の自分に必要なこと」に取り組むのは正しい判断です。


しかし、内職をするには“条件”があります。

・今の自分に何が必要かを明確に把握している

・授業の内容を無視するのではなく、補完的に学んでいる

・先生に敬意を持ちつつ、自分の方針を貫いている

この3点がクリアできていないと、「ただやっているだけ」になってしまいかねません。


5. 大切なのは「戦略とバランス」


これから受験本番に向けて、あなたの数学の力を伸ばすには、

ただ“問題を解くだけ”ではなく、自分に合った戦略で取り組むことが不可欠です。

・授業では、基礎の確認と整理の場

・家では、思考力を育てる実践演習の場

・模試や過去問は、自分の現状を測る場


それぞれの役割をしっかり見極めて、一つ一つの学習の「意味」と「目的」を意識してみてください。



🔻まとめ:内職は「手段」であって「目的」ではない


あなたの学力を伸ばすために、今やっている勉強は“目的”を持てていますか?

授業を軽視せず、上手に活かしながら、足りない部分は自主的に補う。

そのバランス感覚が、受験数学の得点力を決定づけます。


「内職の“し過ぎ”は良くない」――

これはただの注意喚起ではなく、あなたの学びを“深める”ためのアドバイスです。


ぜひ、自分の学び方を一度見つめ直してみてくださいね。

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