共通テスト数学の対策こそ言語化を意識せよ!
2025/8/24
はじめに
大学入試共通テストにおける数学は、多くの受験生にとって最大の壁です。
「公式を覚えたはずなのに解けない」「模試では時間が足りない」「ケアレスミスで点が伸びない」——そんな声を毎年耳にします。
こうした悩みの根本にあるのは、思考の整理不足です。
ただ問題を解くのではなく、自分の頭の中の考えを「言語化」して整理しながら学習することこそ、共通テスト数学攻略の最大のカギになります。
この記事では、私自身の指導経験や東大大学院での研究経験を踏まえながら、言語化の重要性、具体的なトレーニング法、そして言語化がもたらす未来について徹底的に解説します。
第1章 なぜ共通テスト数学で点が取れないのか
1.1 「理解」と「暗記」の混同
共通テスト数学の受験生の多くは、「公式を暗記すれば大丈夫」と考えがちです。
しかし実際の試験では、ただ公式を覚えているだけでは太刀打ちできません。たとえば、二次関数の最大最小を問う問題では、単純に軸や頂点を覚えているだけでは足りず、状況に応じて「どう式を立てるか」を柔軟に考えなければならないのです。
この「考え方をその場で組み立てる力」が不足していると、基礎問題ですら混乱してしまいます。
1.2 思考を飛ばすことの危険性
解法を丸暗記していると、途中の「なぜそうなるのか」という部分を飛ばしがちになります。
しかし共通テストは大問が長く、設問が細かく分かれているため、思考のプロセスを段階的に問われるのが特徴です。
つまり「答えだけ知っている」学習は通用せず、「途中の説明ができる」学習をしてきた生徒が有利になるのです。
第2章 「言語化」がもたらす3つの効果
2.1 思考の可視化
言語化とは、頭の中でぼんやりと流れている考えを、言葉や文章として表に出すことです。
これにより、
・自分の理解の穴を発見できる
・無意識に飛ばしていた部分を補える
・論理の筋道を整理できる
といった効果があります。
例えば「この図形の面積を出すには台形の公式を使う」と思った時、なぜ台形とみなせるのかを言葉にしてみる。これだけで理解度は格段に上がります。
2.2 記憶の定着
人間の脳は「ただ読む・聞く」だけよりも、「説明する・書く」行為の方が記憶に残りやすいとされています。
受験勉強においても同じで、「解き方を言える状態」にして初めて、その知識は本当に自分のものになります。
2.3 応用力の強化
共通テストの問題は見慣れたパターンばかりではありません。
しかし、言語化して考え方を整理してきた生徒は、新しい問題に直面しても「何を手掛かりにすれば良いか」を言葉で説明できるため、応用が効くのです。
第3章 共通テストにおける「言語化学習」の実践法
3.1 解答プロセスを声に出す
問題を解くときに「まず与えられた条件を整理する」「次にグラフの形を考える」「だから二次関数の平方完成をする」といった具合に、手順を声に出してみましょう。
慣れると自然に「考え方の筋道」が頭に浮かぶようになります。
3.2 「なぜそうなるのか」を一行書く
ノートに答えだけを書くのではなく、「なぜこの式を立てたのか」を短く書き添えます。
例:「△ABCが二等辺三角形だから、底角が等しい」
こうした一行メモが積み重なれば、復習時に「考え方の地図」が手元に残ります。
3.3 仲間に説明するつもりで解説する
実際に他人に説明すると、自分が理解していない部分が一瞬で露わになります。
家庭学習でも「自分は先生だ」と思ってノートに解説を書いてみると、理解の深さが格段に変わります。
第4章 基礎強化メソッドと「言語化」
私が指導している基礎強化メソッドは、まさに「言語化」を軸にしています。
図と式で状況を整理:図を書き、式を立てることで、目に見える形に変換します。
なぜその手順かを言葉にする:「なぜ平方完成が必要なのか」「なぜ面積比で考えるのか」を必ず言葉にする。
解答の要点を声に出す・書く:自分なりの言葉でまとめ直すことで、理解を定着させます。
この3ステップを繰り返すことで、知識が「使える武器」に変わります。
第5章 受講生の事例
実際に私が指導してきた生徒の多くも、最初は「公式丸暗記」型でした。
しかし授業で「言語化」を徹底した結果、
・模試の得点が安定し、共通テスト本番で9割を突破
・「今までは解法暗記だったけど、考え方が分かるようになった」と自信を獲得
・難問に対しても「どこから手をつけるか」を説明できるようになった
といった成果を挙げています。
第6章 言語化をしない未来
もし「言語化」を意識せずに学習を続けたらどうなるでしょうか。
・問題文を読んでも、どこに着目すべきか分からない
・解法暗記の限界で、初見問題に対応できない
・模試や本番で点数が安定せず、第一志望を逃す
逆に、言語化を習慣化できれば、試験本番に強く、応用力のある「本物の数学力」が身につきます。
第7章 まとめと行動への提案
共通テスト数学は、ただ公式を覚えるだけでは突破できません。
大切なのは、思考を言語化し、理解を自分の言葉で説明できる状態にすることです。
そしてそれは、共通テストにとどまらず、大学入学後の学習、さらには社会に出てからの問題解決力にもつながります。
もし現時点で「数学が苦手」「点が安定しない」と感じているなら、今すぐ「言語化学習」を取り入れてください。
一人では難しいと感じる方は、ぜひ私の講座にご相談ください。初回は相談だけでも大歓迎です。お子さまの状況に合わせて、最適な学習プランをご提案いたします。
おわりに
共通テスト数学の対策こそ言語化を意識せよ。
それが合格をつかむ最短ルートであり、努力を結果に結びつける確実な方法です。
今この瞬間から「解き方を説明できる自分」を目指して、一歩を踏み出してみませんか?
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