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早稲アカ?Z会?グノーブル?おすすめの夏期講習はどれ?

2024/6/21

今の世の中は「名の通っているところ」のお世話になっていれば間違いないという考え方が一般的になっていますから、大学受験対策としての夏期講習は、 Z会とか、河合塾とか、グノーブルとか東進などの大手で受講すれば大丈夫だろうと考える人が多いのが実情です。

しかし「再現性」が求められる教科に関しては、個別指導塾か家庭教師のほうが結果的に費用対効果が高かったという人もいます。

それがなぜなのかについて、以下にお話したいと思います。


再現性とは何か?

それこそ大手予備校のホームページや塾のホームページに「再現性」という言葉がしばしば出てきます。

再現性というのは、教員が「この問題はこのように考えて、このように解くのです」と教えたこと、すなわち「正しい思考の順番」どおりに自力で問題が解けるかどうか。これを再現性といいます。

私は「読む」と「書く」――すなわち現代文、古文漢文、小論文、英語を教えますので、それらを例にとると、例えば、現代文というのは、一定の思考の順番にもとづいて選択肢を消去することによって、必ず正解にたどり着けるように問題が設計されています。

「国語は本文に答えが書いてあるから満点を指せる」というのは、つまりそういうことです。

つまり、大学受験が求めている「考え方」を「脳の中にインプットする」ことが求められます。

私は数学が全くできないのでよくわかりませんが、おそらく数学も同じではないかと思います。

大手予備校や塾では、思考の順番までは教えてくれます。しかも、ものすごいプロの先生が教えてくれたりします。

しかし、教わったことを家でひとりで再現しようと思った時、できない。

そこにつまずきが発生します。

そのつまずきはどうすれば解消できるのか?

教員と生徒で二人三脚でやっていくしかありません。

例えば、「ここまでは宿題で考えることができたけど、この先の考え方がよくわからない」とか、「なぜそういった考え方をするのか今でも納得できない」といった「その人独自の考え方のクセ」というかつまずきを徹底的に矯正していく。

これをやるかやらないかが、受験の勝敗を分けます。


推論する力を

上記のことは、単なる受験テクニックを磨くことだけではありません。

特に「読む」と「書く」の科目において受験用の思考回路を脳にインプットすることは、単なるテクニックを超えた「推論する力」を養うことになります。

ある程度のレベルの大学受験問題は、この推論する力がないと正解にたどり着けないように設計されています。

大阪大学の古文を例にとりましょう。

古文いう科目は、助動詞と助詞をマスターし、重要古語を覚え、敬語を覚えれば解けるでしょ? と思ってる人が多いものです。

しかし、じつは、長期間にわたって推論する能力を養わないと解けません。

推論というのは「確実な情報から不確実な情報「X」が「何を言ってるのか」を導き出す能力のこと」です。

大阪大学の古文の問題文には必ず、何を言ってるのかまったくもって判然としない箇所があります。神戸大学もそういう箇所があったように記憶しています。

しかも、たいていそこに傍線が引かれ、「傍線部の解釈を書け」というような問題が出ます。

傍線部に含まれている重要古語を学校で習っていないから解けなくても仕方ないだろう。点を落とすべき問題だ、ということでは決してありません。

傍線部の前後から「推論で」傍線部が何を言っているのかを導き出すのです。

つまり、「この受験生は推論する能力を持っているのだろうか?」ということを、大学側は見ているのです。

なぜなら、推論する力がないと大学教育についていけないからです。高校の先生はこんなこと、言わないと思いますけど。


夏期講習で受験のみならず生涯使える力を養う

先にも触れたように、推論する力は特に、大学に入ると非常に使えます。

大学に入るとひとりで概説書や専門書を読み解いてレポートを書く必要があります。その時に「著者が何を言っているのかわからないから読み飛ばしました」では、たいした成績がつきません。推論する、すなわち洞察することが求められます。

それだけではなく、社会に出ても推論する力は使えます。

「書いてあることしか読めない人」と「書いてあることから、推論を通して、著者が本当に言いたいことを導き出せる人」とでは、その後の人生の在り方はまるで違ったものになります。

前者は表層的なことに一喜一憂する人生になります。

他方、後者は、目に見えるさまざまな事象の裏側を推論で導き出せるわけですから、それに見合った人生になります。


というわけで、ネームバリューに依拠して夏期講習を選ぶのも1つの方法でしょうけど、「再現」できるまで手取り足取り教えてくれる教員に夏期講習を依頼するのも1つの方法と言えるのではないでしょうか。

ぜひご家庭で、どのような夏期講習を受講するのか、話し合われてみてはいかがでしょうか?

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