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塾に利用される生徒、利用されない生徒

2025/3/4

私は地元である世田谷区の「1:2」の「個別」指導塾のアルバイトから、教員のキャリアをスタートさせました。まったくの未経験でしたから、採ってくれる塾がそこしかなかったのです。高級住宅街にある塾でしたので、名の通った中高一貫校の生徒さんを多数指導することができ、あっという間に実績ができたので、今こうやって、1人でオンライン塾を経営できています。


大手フランチャイズの1対2とか1対3の個別指導塾というのは、生徒さんの数が多くても経営が厳しそうでした。おそらくフランチャイズの胴本がしっかりとお金をもっていくのでしょう。生徒さんでにぎわっていても、トイレやバックオフィスで使用しているものを見れば、もっとお金をかけるべきところにお金をかけたらいいのに、と思ったものです。経営の素人の私がそう思うのですから、フランチャイズ経営は簡単ではないのでしょう。


私はそういうのが嫌いです。生徒さんが最低20人いないと家賃すら払えないというような塾経営などしたくありません。そもそも、そういうビジネススキームを作るから、生徒のことを利用するという発想が生まれてくるのだと思います。どんなに善良な教員だって、今月の家賃の支払いに困っていると、利用できる人を利用してしまおうとういう発想になってしまうと思うからです。


私は生徒のことをお客さんと思ったことがありません。同じ目標に向かって走る仲間だと思っています。もちろん保護者のこともそう思っています。生徒さんと、保護者さんと、私の3者が一体となってはじめて勝ち得るもの、それが合格だと私は思っているからです。


さて、塾に利用される生徒さんというのは、やる気に乏しい指示待ち人間です。指示待ち人間が塾に来たとなれば、塾の営業マンはおそらく、闘志を燃やすはずです。定期試験前に追加で5コマ、基礎ができていないから夏期講習は20コマ。冬期講習は15コマ。合計で〇〇万円の追加費用が必要です。みたいな計算を即座にするはずです。それもこれも、その生徒さんが指示待ち人間に見えるからです。


反対に、塾に利用されない生徒さんというのは、「次、何やればいいですか?」と前のめりに聞いてくる生徒さんです。こういうのはとても面白いもので、前のめりに聞いてくる生徒さんとか、生まれ持った知力の高い生徒さんを前にすると、多くの教員は多少緊張するものです。そして「嘘をつけない」と思うのです。このへんは人間対人間の非常に人間くさい話です。


というわけで、塾に利用されない人になってください。ちなみに、あまりに素直すぎても、塾に利用されます。毎年12月に入ると、地元の塾でこれだけお金を使ったのに成績がちっとも伸びない、と言って私のもとに駆け込んでくる生徒さんが必ずいます。ものすごく真面目な生徒さんですし、親御さんもものすごく真面目です。しかし、共通テストの正答率が50%もない。といった状況です。

統計を取ったわけではないのでわかりませんが、私の印象では、地方の偏差値50くらいの生徒さんの中に、そういう生徒さんが多いように思います。まじめにまじめにコツコツやってきても、結局学校のカリキュラムの外に出ることができない。真面目なものだから地元の塾がいいだけ追加コマをとらせる。しかし、学校も地元の塾も、勉強の本質や受験勉強の本質を教えているわけではないから、成績が上がらないということです。

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