家庭教師が見た真実:受験成功家庭に共通する"強い母"の存在
2025/4/13
母と子の温度差:大学受験という人生の岐路で
現代の子育てにおいて、特に大学受験期には親子の温度差が顕著になります。長年家庭教師として多くの家庭を見てきた経験から、この微妙な関係性について考えてみたいと思います。
異なる時代を生きる親子の葛藤
お母様は社会経験を積み、厳しい現実を知っています。大学進学の重要性、そして良い大学に入ることが将来の選択肢を広げるという事実を肌で感じてきました。一方、子供たちは今の時代に生きており、SNSやインターネットから得る情報をもとに「自分らしさ」や「やりたいこと優先」という価値観を育んでいます。
反抗期と重なる受験期。子供は「学歴なんて関係ない」「自分の好きなことをしたい」と主張します。でも、実際の社会はそう甘くないことをお母様は知っています。
本当は誰のため?
「子供の意思を尊重すべき」という考え方が広まる中、お母様の中には罪悪感を覚える方もいらっしゃるでしょう。しかし、私が見てきた多くの家庭では、お母様が強い意志を持って導いた家庭の子供たちが、結果的に良い大学に進学し、充実した学生生活を送っています。
時には涙あり、怒りありの日々かもしれません。でも、お母様のその「うるさい」「厳しい」という姿勢が、実は子供の将来を守っているのです。
「船頭」としてのお母様の役割
家庭教師として気づいたことは、子供の気持ちを理解しつつも、時には「流されない」強さを持つお母様の存在が大きいということ。子供は目先のことしか見えていませんが、10年後、20年後を見据えているのがお母様です。
「今は嫌われても、将来感謝される」—この言葉は多くの卒業生から聞いた言葉です。大学に入った後、「あの時、母が強く言ってくれなかったら、今の自分はなかった」と振り返る子が多いのです。
バランスの取れた船出を
もちろん、ただ押し付けるだけではうまくいきません。子供の気持ちや特性を理解した上で、時には励まし、時には厳しく、でも常に愛情を持って接することが大切です。
お母様の経験と知恵を、現代の形で子供に伝える—それが最高の親の役割ではないでしょうか。
子供が反抗しても、その思いを受け止めながらも揺るがない軸を持つこと。それが結果的に子供を成長させ、将来の可能性を広げるのです。
「子供のため」という言葉の本当の意味を、お母様だからこそ理解していると信じています。その愛に満ちた「船頭」の役割を、どうか誇りを持って担ってください。
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