肉まんと文法と情熱と —法政大学で私が出会った宝物たち
2025/4/26
法政大学での英語教師時代を振り返って
法政大学のデザイン工学部で英語を教えていた日々を思い返すと、今でも心が温かくなります。キャンパスの活気、学生たちとの触れ合い、そして何より自由な校風—法政大学は私にとって特別な場所でした。
授業が始まるチャイムが鳴り終わったある日、教室の後ろから何やら美味しそうな香りが漂ってきました。振り返ると、一人の男子学生がセブンイレブンで買ったであろう肉まんを堂々と頬張っていたのです。「授業中に食べるの、やめてよ」と隣の女子学生が眉をひそめていましたが、彼は「朝ごはん食べてないんだよ」と涼しい顔。このような自由な雰囲気も法政ならではでした。
クラスには様々な個性の学生がいました。世界大会に出場している有名選手もいて、試合で忙しく成績は振るわないものの、その努力と誠実さには感心させられました。一方で、英文法に異様に詳しい男子学生は、毎回「先生、このbe動詞の使い方は仮定法過去完了形と何が違うんですか?」など細かな質問を投げかけてきて、私自身も勉強になることが多々ありました。
授業の雰囲気を明るくしてくれたのは、いつも何かを話してくれる「潤滑油」的存在の男子学生でした。彼のおかげで硬くなりがちな授業も和やかなものになりました。女子学生の中には、毎回完璧なメイクで現れる子がいて、彼女の洗練された英語と相まって、教室に華を添えていました。
思い出深いのは、ある日突然「先生、うちのサークルに来ませんか?」と誘ってきた男子学生のこと。詳しく聞くと、なんとも怪しげな活動内容で、思わず苦笑してしまったものです。また、帰国子女の学生の流暢な発音を聞くたびに、「さすがだな」と感心したものです。
法政の付属から進学してきた3人組は頭の回転が速いにもかかわらず、とても謙虚で、「先生、もう一度説明してもらえますか」と素直に質問してくれました。私と同郷で1浪して入ってきた学生は、毎回「先生のジャケット、センスいいっすね!」と声をかけてくれて、疲れた日でも元気をもらいました。
印象的だったのは、他の授業では評判があまり良くないという女子学生が、私の授業ではとても熱心に取り組んでくれたこと。「先生の説明わかりやすいんです」と言ってくれた言葉は今でも宝物です。
法政大学の魅力は、こうした多様な学生たちの個性が尊重され、自由に伸び伸びと学べる環境にあります。デザイン工学部の革新的な教育方針も、学生たちの創造性を育む土壌となっていました。キャンパス内に入れば、どこからともなく聞こえてくる笑い声、真剣な議論、そして熱意あふれる表情—それらすべてが法政大学の魅力を物語っています。
私が法政で過ごした日々は、単なる「教える」という枠を超えた、かけがえのない時間でした。今、社会の第一線で活躍している元学生たちを見るたびに、法政大学での経験が彼らの礎になっていることを実感し、教師冥利に尽きる思いです。
もし大学選びに迷っている方がいたら、自由な校風と多様な学びの場を提供する法政大学を、胸を張っておすすめします。あなたの可能性を最大限に引き出してくれる、素晴らしい大学のひとつだと確信しています。
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