最後の入学式から最後の卒業式まで:京都ノートルダム女子大学が紡ぐ最終章

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2025/4/28

京都ノートルダム女子大学

2026年度以降の学生募集停止を決定


60年以上の歴史に幕を閉じる女子高等教育機関


2025年4月28日


2025年4月22日、学校法人ノートルダム女学院は理事会において、2026年度以降の京都ノートルダム女子大学における学生募集停止を決定しました。長年にわたり女子教育に貢献してきた同大学ですが、近年の入学者数減少という厳しい現実に直面し、この重大な決断に至りました。


歴史と建学の精神

京都ノートルダム女子大学は、ノートルダム教育修道女会を母体として1961年に創立されました。創立以来60年以上にわたり、カトリック精神を基盤とした教育を展開し、特に英語教育や国際教育に力を入れてきました。また、情報教育や女子のライフキャリア教育にも注力し、社会で活躍する多くの卒業生を輩出してきました。


近年の改革と現状


同大学は時代のニーズに応えるべく、近年も積極的な改革を進めてきました。2023年4月には社会情報学環(定員20名)を新設し、2025年度には女性キャリアデザイン学環(定員30名)を開設。2026年度には国際言語文化学部を人文学部(定員60名)へ改組し、現代人間学部(定員210名)では生活環境学科の名称変更も予定していました。


しかし、こうした努力にもかかわらず、入学者数が定員を下回る状況が続き、回復の見通しが立たなかったことから、学生募集停止という厳しい決断に至りました。


在学生へのケアと今後の展望


学校法人ノートルダム女学院は、現在在籍している全ての学生が卒業するまで、教育内容はもちろんのこと、就職支援や進路確保に全力を尽くす姿勢を示しています。最後の学生が卒業するまで、同大学の教育理念に基づいた質の高い教育を提供し続ける方針です。


なお、同法人が運営するノートルダム女学院中学高等学校およびノートルダム学院小学校については、今後も変わらず教育活動を継続することが確認されています。


女子大学を取り巻く厳しい環境

京都ノートルダム女子大学の募集停止は、日本の高等教育機関、特に女子大学が直面している厳しい現実を反映しています。2020年度以降、募集停止となった4年制大学は京都ノートルダム女子大学を含めて11校にのぼり、そのうち女子大学は5校となります。

• 2024年度:恵泉女学園大学(東京都)、神戸海星女子学院大学(兵庫県)

• 2026年度:学習院女子大学(東京都:学習院大学と統合)、名古屋柳城女子大学(愛知県)、京都ノートルダム女子大学(京都府)


少子化や共学志向の高まり、女子教育の意義の再検討など、女子大学は多くの課題に直面しています。こうした状況の中、各大学は独自の強みを生かした教育改革や大学間連携、場合によっては統合や募集停止など、さまざまな選択を迫られています。


終わりに


京都ノートルダム女子大学は60年以上にわたり、カトリック精神に基づく女子教育を通じて社会に貢献してきました。その歴史に一つの区切りが付けられることになりますが、同大学が育んできた教育理念や卒業生たちの活躍は、今後も日本社会に大きな影響を与え続けるでしょう。最後の学生が巣立つその日まで、京都ノートルダム女子大学の教育活動を見守りたいと思います。

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