英検2級と準2級の間に「準2級プラス」はいらない!
英検2級と準2級の間に「準2級プラス」はいらない! 31年ぶりの新設級が映し出す英検の迷走
英語指導に20年近く携わってきた立場から、あえて率直に書きます。2025年度に登場した英検「準2級プラス」は、受験生にとっても保護者にとっても、ほとんど必要のない級です。
まず事実関係を確認しておきましょう。準2級プラスは2025年度の第1回試験から導入された新しい級で、英検に新しい級ができるのは31年ぶりです。協会側の説明は、準2級から2級までには平均1年6か月分の学習期間が必要で、これを負担に感じる高校生が多いことが調査で分かったため、両級の橋渡しとなる級を設けたというものです。一見もっともらしい理屈に聞こえます。
しかし、この説明は教育現場の実感とかけ離れています。英語が少しできる中学生は、今や2級にかなりの数が合格しています。準2級にいたっては、中学2年生で取得する生徒も珍しくありません。準2級と2級の間の「壁」は、単語と文法を地道に積み上げれば中学生でも越えられる程度のものにすぎないのです。そこへ階段をもう一段増やすことが、本当に学習者のためになるのでしょうか。ネット上にはむしろ準2級を廃止して、3級の次をいきなり2級にしてもいいくらいのレベルだという声すらあります。
ネット上の批判で最も多いのが「なぜそこに作るのか」という疑問です。2級と準2級の難易度差は1級・準1級間の差より小さいのに、わざわざ新設級を作る意味が分からない、どうせ作るなら準1級と2級の間にしてほしいという指摘は、まさに正論です。早慶や医学部を目指す生徒を指導していると、本当の断崖は2級と準1級の間にあると痛感します。語彙の量も英文の抽象度も段違いです。ところが協会はそこには手を付けず、受験者層の厚い中間帯に新級を置きました。級別の受験者数が公表されていた2013年時点では準1級の受験者は2級の4分の1以下だったというデータがあり、採算の都合でこの位置になったのではないかと推測する英語ブロガーもいます。
二つ目の批判は、受験料ビジネスではないかという疑念です。準2級プラスの検定料は、本会場実施で8,700円に設定されました。2026年度からは全級一律で100円引き下げられましたが、それでも準2級が8,400円、準2級プラスが8,600円、2級が9,000円です。中身は「準2級と2級の中間」なのに、値段は2級とほとんど変わりません。準2級、準2級プラス、2級と一段ずつ刻めば、家庭の負担は単純に一回分増えます。そもそも英検の値上げについては以前から疑問の声があり、他の英語試験と比べて英検の値上げ幅が突出して大きいという分析もあります。さらに名称を汎用的なものにしたことで、今後「2級プラス」のような新設級が作られる可能性も示唆されています。級が増えるたびに受験回数と検定料が膨らんでいく構図が透けて見えるのです。
三つ目は、試験の中身の中途半端さです。ある学習塾の分析によれば、問題形式や試験時間を精査すると準2級の強化版というより2級のやや易しいバージョン、いわば「2級マイナス」であり、試験時間と設問数は2級と完全に一致、ライティングにも2級と同じ要約問題が登場したとのことです。つまり、形式上は2級とほぼ同じ試験を、少し易しい中身で受けるだけ。それなら最初から2級に挑戦したほうが、時間もお金も節約できます。
受験生にとって決定的なのは、大学入試での扱いでしょう。関関同立やMARCHの英検優遇は2級以上が最低条件になっています。準2級プラスを取っても、合否に直結する場面はまずありません。しかも新設級ゆえに教材や情報が少なく対策しにくいという難点まで抱えています。加えて、試験会場の運営体制への不満や、近年は合格率や受験者数が非公開になっている透明性の問題も指摘されています。新しい級を作る前に、まず情報公開を進めるべきだという声はもっともでしょう。 【大学受験】英検準2級プラスは意味ない?関関同立を目指す人が知るべきこと
そして、より根本的な問題があります。英検は、そもそも日本の中高生を主な対象とした国内検定だということです。基本的に日本人向けの試験であるため世界での知名度は高くなく、海外の大学に進学する際にはIELTSやTOEFLのスコアを求められることが多いのが現実です。欧米では就職・進学・留学の場面でほぼ認知されておらず、日本の中高生のための英語資格という側面が強いと指摘する海外留学系メディアもあります。国内の中高生という限られた市場の中で級を細分化し、受験回数を増やしていく。その姿は、英語力を測る国際的な物差しというより、学校や塾を巻き込んだ国内完結型のビジネスに見えてしまいます。
では、受験生はどうすべきか。準2級に合格したら、迷わず2級を目指してください。準2級プラスで回り道をする時間があるなら、単語帳を一冊完璧に仕上げ、毎日長文を一題読み、要約と意見文を書く練習を積むべきです。早慶・MARCH・医学部を見据えるなら、2級はゴールではなく通過点にすぎません。その先にある準1級、そして大学の個別試験で通用する本物の読解力と記述力こそが、本当の勝負どころです。検定の級を一つ増やして安心するのではなく、志望校から逆算した学習計画を立てることが何より大切です。
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
英検におすすめの指導コース
- 英検面接に合格したい方
- 面接に向け効率よく学習したい方
- 家庭学習のアドバイスも欲しい方
- 英検の面接対策をしたい人
- 音読、スピーキングに自信の無い人
- 面接対策の最終確認をしたい人
- 英検をパスしたい小学生
- 英検をパスしたい中学生
- 英検をパスしたい高校生、大学生、社会人
- 二次試験対策もしたい生徒さま
- 英検2級の壁にぶつかって伸び悩んでいる生徒さま
- ネイティブの発音での授業で、英語の楽しさを分かち合える授業を希望の生徒さま
- 初めてでも、何度目かのトライでもOK!
- いざ面接官を目の前にすると、頭が真っ白になってしまう
- 様々なケースを想定して、何度も練習&フィードバックしてほしい