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子どものやる気を育てる「ほめ方」の工夫~教育心理学の視点から~

2025/10/21

はじめまして、こんにちは。マナリンクで英語と数学を担当しているえりです。

これまで公立小学校や特別支援学級で多くの子どもたちと関わってきました。

その中で強く感じてきたのは、「ほめ方ひとつで、子どもの表情もやる気も変わる」ということです。

ほめることは一見シンプルですが、教育心理学の視点から見ると、

“どんなほめ方をするか”で、子どもの成長への影響が大きく変わります。

今回は、心理学の理論をもとに、すぐに実践できるほめ方の工夫をご紹介します!

💡1. 結果よりも“努力”をほめる

「よく頑張ったね」「最後まであきらめずに取り組めたね」

——こうした声かけは、子どもに“努力すれば成長できる”という信念を育てます。

これはキャロル・ドゥエック(C. Dweck)の提唱した「成長マインドセット(Growth Mindset)」の考え方。

「頭がいいね」などの能力ほめよりも、「その工夫いいね」「やり方がすてきだね」と、

努力やプロセスを認めるほうが、学びへのモチベーションが長続きすることが分かっています✨

✍ワンポイント:失敗したときも「ここまで考えられたのはすごいね」と“途中の努力”を言葉にしてあげると◎

💡2. 具体的にほめる

「途中で手を止めずに最後まで書けたね!」

「わからないところを質問できたのがよかったね!」

——このように“具体的な行動”を指摘するほめ方は、行動心理学でいう「強化(reinforcement)」の一種です。

B.F.スキナー(B.F. Skinner)の行動分析理論によると、

望ましい行動をほめることで、その行動が将来また起こる確率が高まるとされています📈

✍ワンポイント:「すごいね!」だけでなく、“どんなところがすごいのか”を具体的に伝えると効果倍増!

💡3. 子どもの言葉を使ってほめる

「さっき言ってた通りにやったらできたね!」

——このように、子ども自身の言葉や考えを引用してほめると、

「自分でできた!」という感覚が強まります。

これはバンデューラ(A. Bandura)の「自己効力感(Self-efficacy)」の理論に基づいています。

“自分の力で成功した”という実感があると、その後の挑戦意欲が高まるのです💪

✍ワンポイント:「頑張ってね! 」ではなく、「この前出来たみたいに、またやってみよう!」と伝えることで、過去の成功体験を思い出し、挑戦する意欲に◎

💡4. 内面や姿勢を認める

「あきらめずに最後までやりきったね」「うまくいかなかったけれど、挑戦できたのはすごいよ」

——こうした声かけは、自己肯定感(self-esteem)の土台をつくります。

特に、ロジャース(C. Rogers)の「無条件の肯定的関心(unconditional positive regard)」という考えでは、結果に関係なく、その子の存在や努力を受け止めることが大切だとされています。

✍ワンポイント:“出来たときだけ褒める”ではなく、「失敗しても大丈夫、あきらめずに考えようとしているところが素敵だよ」とありのままの自分を受け入れてもらえる感覚が、安心できる学習環境へ✨

💡5. 比べるのは“他人”ではなく“過去の自分”

「前よりスラスラ読めるようになったね!」

「この前より自信をもって話せたね!」

——このような“自己比較”のほめ方は、内発的動機づけを高めます。

これはデシ(E. Deci)とライアン(R. Ryan)の「自己決定理論(Self-Determination Theory)」でいう有能感とも関係があり、

子どもが“自分の成長”を感じることは、学びへの自律的なモチベーションを支えるとされています💪

✍ワンポイント:「あの子よりできたね」ではなく、「昨日の自分よりできたね!」が一番の励ましに✨

おわりに🌈

ほめ方は「魔法の声かけ」です。

でもその魔法は、根拠のある優しさと一人ひとりへの理解があってこそ、

本当の力を発揮します。

私の授業では、教育心理学の知見を取り入れながら、

子どもたちが“自分の力で成長できる”と実感できるようにサポートしています。

安心できる場で、「できた!」を一緒に積み重ねていきましょう🌸

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