「何を選ぶか」より「今選べるか」が合否を分ける
テーマを受け取りました。「保護者の選択(二教科か四教科か、英語入試かBタイプかなど)において、何を選ぶかより、いつ決めるかが勝負を分ける」という意思決定速度の話ですね。2000〜3000字の単発論考として執筆します。
「何を選ぶか」より「今選べるか」が合否を分ける
毎月のように、保護者の方とお話しする機会がある。
テーマはだいたい決まっている。「二教科にすべきか、四教科にすべきか」「英語入試を使うべきか、B問題タイプで勝負すべきか」。みなさん、本当に真剣に悩んでいる。それ自体は悪いことではない。
ただ、僕がいつも内心で思っていることがある。
この相談、答えが出ていない理由は情報不足ではなく、決断の先送りそのものが目的化していないか、と。
安全圏の回答が子供を殺す
正直に言う。
講師やコンサルタントが「ギリギリまで四教科の可能性を残しましょう」「英語もB問題もどちらも最後まで粘って考えましょう」と言うとき、それは多くの場合、アドバイスではない。免責である。
どちらに転んでも「あなたが最終的に決めたのだから」と言える状況を作るための、プロの自己防衛だ。
僕は自分の子供でない限り、そういう言い方をしがちな大人の一人でもある。だから、あえて言う。
答えが明らかなときは、答えを言う。明らかに四教科が有利な子には「四教科です」と言う。英語入試に向いていない子には「やめておいた方がいい」と言う。
では、どちらに転んでも合格可能性がほぼ同じというケースはどうするか。
これが今日の本題だ。
どちらを選ぶかは、実はほぼ関係ない
二教科受験と四教科受験で合格可能性がほぼ変わらないとする。英語入試とB問題タイプで五分五分とする。
そのとき、最終的な合否を分けるのは選択肢の中身ではなく、決断した時点から戦略に集中できた期間の長さだ。
四教科に決めたなら、四教科を徹底的にやる。英語入試に決めたなら、英語と作文に全振りする。どちらを選んでも、その選択の中で最大効率を出す戦略を組むことができる。
逆に言えば、決断を先延ばしにし続けた家庭は、どちらの戦略も中途半端になる。四教科を念頭に理科社会も触れながら、でも英語も捨てられないからと英単語も並行して。その結果、何一つ尖らない仕上がりになる。
中学受験は情報戦だ。そして情報戦において、戦略なき全方位防衛は自滅への最短ルートである。
小6になって悩んでいる親御さんへ
今すぐ決めてほしい。
今日この記事を読んでいるあなたのお子さんが小学6年生であれば、特に強く言う。
「どちらがより正しいか」を考えることに使える時間は、もうほとんど残っていない。今から使える時間のほぼすべては、決めた戦略を実行することに充てなければならない。
悩んでいる間も、過去問を解き込んでいる家庭は前に進んでいる。計算練習を積んでいる子は偏差値を上げている。選択肢を比較検討している時間は、勉強に使えたはずの時間の裏返しでもある。
二教科でも四教科でも、英語でもBタイプでも、そこに「正解」はない。あるのは「早く決めた家庭が有利」という、ゲームの構造だけだ。
非情な結論
決断力のある家庭の子は伸びる。
これは精神論ではなく、単純な算数だ。早く決めた分だけ、集中できる時間が増える。集中できる時間が増えた分だけ、習熟度が上がる。習熟度が上がった分だけ、本番で点が取れる。
「どちらにしようか」と悩んでいる時間に、良質な養分となっている家庭はひたすら演習を積んでいる。
クスッと笑えるような話だが、これが現実だ。
今日の相談でまだ答えが出ていないなら、明日には決めてほしい。どちらでもいい。決めたことを信じて、そこに全力を注ぐ。それだけが、今のあなたにできる最善の一手だ。
個別に戦略を組みたい方は、マナリンク上のヒロユキのプロフィールページからご連絡ください。「どちらを選ぶか」ではなく「選んだ上でどう戦うか」を一緒に考えます。