中学受験はいつから本気?6年からでは遅い高校受験との違い

中学受験はいつから本気を出せばいいのか。6年生になったら本気で、と考えているご家庭は、計画を見直した方がいい。中学受験では、6年からの本気はたいてい間に合わないからです。
高校受験の感覚で中学受験を考えると、計算が狂う
ご自身が高校受験を経験した保護者ほど、こう考えがちです。まずは塾の授業についていく。最後の1年で追い込む。
高校受験では、この作戦が成り立ちます。入試問題は中学校の学習内容から作られるので、学校の勉強をしっかり積み上げた延長線上に合格がある。土台はすでにできていて、最後に追い込めばいい。
中学受験は違います。小学校のテストで満点を取り続けても、それだけで合格できる学校はまずありません。入試問題は小学校の教科書の延長線上にはない。合格への道は、塾のカリキュラムの上にしか敷かれていないのです。
「塾についていく」こと自体が、すでに全力疾走
多くの家庭が見落とすのが、塾のカリキュラムの速さです。予習シリーズでも、SAPIXでも、日能研でも、4年・5年のうちに入試範囲のほとんどを一通り学びます。5年の後期には、比・割合・速さといった重い単元が立て続けにやってきます。
高校受験なら、授業についていくことは、普通に勉強すれば届く最低ラインです。中学受験では、ついていくこと自体がかなりの努力を要する目標です。普通にやって、ようやく置いていかれない。最低ラインのつもりが、実は全力疾走なのです。
だから、まずはついていく、本気は6年から、と構えた家庭は、4年・5年の間に少しずつ置いていかれます。その遅れは、6年でアクセルを踏んでも取り戻しにくい。6年には6年で、志望校対策と過去問という新しい仕事が押し寄せるからです。
中学受験を6年から本気にした家庭が、秋に陥ること
4年・5年をのんびり過ごした家庭が6年の秋に陥るのは、4教科すべてが不安という状態です。算数を立て直したい。でも国語も理科も社会も足りない。どれも追い込みたいから、どれにも時間を集中できない。
そして最後は、出そうなところに絞るという賭けに出ることになります。僕に言わせれば、それは万馬券を買いに行くようなものです。当たる家庭もあります。しかしそれは作戦ではなく、運です。
4年・5年で全開、が中学受験の標準
中学受験の正しいエンジンのかけ方は、4年・5年の時点で、すでにアクセルを深く踏み込んでいることです。目指すのは、6年生になる時点で、4教科のうち最低2教科を、このまま続ければ大丈夫と言える状態にしておくこと。
そうしておけば、6年の追い込み期に、残りの1〜2教科へ時間を集中できます。追い込みとは、本来そういうものです。4教科全部を同時に追い込むのは、追い込みではなく消火活動です。
算数で言えば、5年のうちに割合・比・速さを、解き方を覚えたレベルではなく、手が勝手に動くレベルまで持っていけるかどうか。ここが6年の景色を決めます。6年の算数は、この3単元を組み合わせた問題の山だからです。
「燃え尽きたらどうするのか」という心配について
4・5年から全力で走らせたら、6年で燃え尽きないか。この心配もよく聞きます。
あえて率直に言います。4・5年の全力で燃え尽きてしまうなら、6年の本番はもっと厳しい。それは中学受験という競技の負荷が、今のその子に合っていないというサインかもしれません。受験しないという判断も、立派な選択肢です。
ただし、燃え尽きと、ただの疲れや気の緩みは別物です。休ませれば戻るものを燃え尽きと呼んで撤退するのは、もったいない。そこを見極めるのも、親の仕事です。
明日から親がすべき非情な決断
今が4年・5年なら、4教科を見渡して、6年までに仕上げる2教科を今日決めてください。そして、その2教科については、塾の授業についていくことを最低ラインではなく、毎週の勝負だと考え直す。
6年になってから本気を出す、という言葉は、聞こえはいいのです。ただ、中学受験ではその言葉を口にした時点で、すでに1周遅れでスタートラインに立っています。
中学受験の本気は、6年からでは遅く、4年・5年の全開で初めて間に合います。算数で特に差がつく割合・比・速さを、予習シリーズに沿って5年のうちに固めたい場合は、僕のマナリンクのプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」をご覧ください。事前のご相談から始めることもできますので、今の立ち位置を一緒に確認するところからどうぞ。
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