中学受験の国語「文章がわからないから解けない」は嘘です

中学受験の国語で点が取れなかった理由を聞くと、子どもはかなりの確率で「文章がわからなかったから」と答えます。はっきり言います。それは嘘です。悪意のある嘘ではなく、本人も信じ込んでいる思い込みです。
国語の入試問題は、文章の意味が完全にはわからなくても解けるように作られています。今日は、この思い込みを壊すところから始めます。
中学受験の国語で「文章がわからない」と言う子の答案で起きていること
面談でよく聞く相談があります。テストの正答率がひどく低く、理由を聞いたら文章の意味がわからなかったと言う。語彙が足りないのか、読書量が足りないのかと、保護者は頭を抱えます。
ところが答案を見ると、わからなかったのは文章全体ではないことがほとんどです。知らない単語が2つか3つ出てきて、そこで思考が止まり、そこから先を「全部わからない」と錯覚している。一部にかかった霧を、景色全体の霧だと思い込んでいるわけです。
学年相応の入試問題で、まったく読めない文章はまず出ません。8割は読めているのに、残りの2割で手を止める。わからないから解けないのではなく、わからない部分があると解いてはいけないと思い込んでいる。問題の正体はそこです。
入試問題は、わからない文章でも解けるように作られている
国語の設問には、必ず本文中に根拠があります。傍線部の前後、段落の冒頭と末尾、接続語のあと。答えの材料は、決まった場所に置かれています。つまり国語の得点は、文章全体の理解度ではなく、根拠の場所を探す手順で決まるのです。
難関校ほど、大人でも一読では飲み込めない文章をわざと出してきます。学校が探しているのは、わかる文章をすらすら読める子ではありません。わからない文章の中からでも本質を見抜ける子です。わかる文章しか解けない子は、最初から求められていません。
「わからない」を3つに分ければ、手は止まらない
わからないと言う子には、どの大きさでわからないのかを分けさせます。
単語がわからない:前後の文から、良い意味か悪い意味かだけ推測して先へ進む
一文がわからない:その文は飛ばし、段落が何の役割をしているかだけつかむ
段落ごとわからない:設問を先に読み、聞かれている場所だけを探しにいく
どの段階でも、やることは「止まらないこと」です。わからない部分を確定させようとするほど時間を失い、確定しなくても解ける問題まで落とします。
記述でも、わからないまま部分点は取れる
記述も同じです。文章の意味がわからないと言う子でも、聞かれていることがだいたいこのあたりの段落に書いてある、という見当はつきます。そこから重要だと思われる言葉を拾い、つなぎ合わせれば、満点でなくても部分点が取れます。
読解力は精神年齢に左右される部分が大きく、小学生がすべての文章を腑に落とすのは無理があります。だから今は、場所を探して言葉をつなぐ手順で戦う。それが現時点での最善手です。
「わからなかった」を免罪符にさせない親の一言
子どもが「文章がわからなかった」と言ったとき、「ちゃんと読んだの?」と返すのは最悪手です。わからない=解けない、という回路をさらに太くするだけです。
返す言葉はこれだけで十分です。わからなくていい。で、答えはどのあたりに書いてありそう? 冷たく聞こえるかもしれませんが、この一言で、わからないは言い訳から作業の出発点に変わります。読書で語彙を増やす計画は、その作業ができるようになってからで遅くありません。
まとめ:文章がわからなくても、国語は解ける
文章がわからないから解けない、というのは思い込みです。中学受験の国語は、わからない部分があっても、根拠の場所を探す手順があれば点が取れるようにできています。
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