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旅人算の比がわからない親子へ|同じなのは時間か距離か

2026/10/16

旅人算の比がわからない。式は立てられるのに、正比なのか逆比なのかで毎回手が止まる。この迷いの正体は、頭の良し悪しではありません。「いま同じなのは、時間か、距離か」という一つの問いを飛ばしているだけです。

旅人算で比が使えなくなる本当の理由

予習シリーズの5年後期あたりから、旅人算は「速さの比」を前提に進みます。ところが授業では、同時に出発したら時間は1対1、とあっさり流されがちです。ここで置いていかれると、比の問題が全部「勘」になります。

先日も、速さの比の問題を連続で正解していた小学生の生徒が、学校と駅の問題で急に失速しました。原因は計算力ではなく、ついた時という言葉を見て「距離が同じ」と思い込んだことでした。ついた時は、時間が同じです。この一語の取り違えで、答えは丸ごとひっくり返ります。

マンスリーや育成テストの前に直すべきは、計算練習ではありません。判断の順番です。

判断の軸は、実は二つしかない

一つ目。同じ時間なら、距離の比がそのまま速さの比になります(正比)。

兄と弟の速さの比が3対2で、100m離れた2地点から同時に向かい合って歩き、出会うとします。出会うまでの時間は2人とも同じなので、歩いた距離の比も3対2。全体を5とみなすと、兄が歩いた距離は 100 × 3/5 = 60m です。

二つ目。同じ距離なら、速さの比と時間の比は逆になります(逆比)。

行きは時速4km、帰りは行きの7/8倍の速さで往復したら、合計で7時間30分かかった。片道は何kmか。速さの比は 8対7、距離は同じなので時間の比は 7対8。合計7.5時間を15等分すると、行きは 7.5 × 7/15 = 3.5時間。片道は 4 × 3.5 = 14km です。検算すると、帰りは時速3.5kmで 14 ÷ 3.5 = 4時間、3.5 + 4 = 7.5時間で一致します。

迷ったら、問題文に戻って「同じなのは時間か、距離か」を先に決める。式はその後です。

出会いは和、追いかけは差

もう一つ、混ぜると事故が起きるのがこの区別です。

出会い算は速さの和で距離を割ります。たとえばAさんとBさんの速さの比が5対4で、Aさんが1人でBさんの家まで歩くと36分かかる。距離は 5 × 36 = 180(丸)。2人が向かい合って歩けば、速さの和は 5 + 4 = 9 なので、180 ÷ 9 = 20分後に出会います。

追いかけ算は速さの差で、先に出発した分の距離を割ります。弟が12分先に出発し、弟と兄の速さの比が1対4。弟の速さを1とすると、12分で差は12。兄が縮める差は 4 - 1 = 3 なので、12 ÷ 3 = 4分後に追いつきます。

出会いなら和、追いかけなら差。この対応だけを先に口で言えるようにしておくと、図を描く手が止まりません。

出会った後は、逆比の出番

もう一段上の型です。Cさんは1人でDさんの家まで歩くと24分かかります。2人が同時に向かい合って歩くと14分後に出会う。2人の速さの比は?

出会った後、Cさんは残りを 24 - 14 = 10分で歩きます。その残りは、Dさんが14分かけて歩いた道のりと同じ距離です。同じ距離で、Cさんは10分、Dさんは14分。時間の比が 10対14 なので、速さの比は逆の 14対10、約分して 7対5 です。

出会う前は時間が同じ、出会った後は距離が同じ。軸が切り替わる場面を、自分の言葉で説明できれば、その単元は卒業です。

明日から使う3つの手順

  • 速さの比に丸、距離や時間に別の印を決め、図の上で印をそろえる。

  • 計算の前に「同じなのは時間か距離か」を声に出して言う。

  • 小数や割り算が混ざったら、早めに分数へ直す。18 × 7.5 対 9 × 12.5 のような形も、約分すれば 150対125、つまり 6対5 に落ち着きます。

綺麗にノートを取りながら、毎回ゼロから考え直す親子は、残念ながら良質な養分です。今日からやめるべきは、問題数を増やすことではなく、判断の順番を飛ばす癖です。

結論と、次の一手

旅人算の比は、時間が同じなら正比、距離が同じなら逆比。この二択を、式より先に決めること。それだけで、偏差値の壁の手前で止まっていた問題が動き始めます。

この単元を5年生のうちに型として固めたい方には、マナリンクのプロフィールにある【予習シリーズ5年算数】割合・比・速さを先取り攻略がお役に立てるはずです。無料相談もありますので、お子さんが今どちらの軸で迷っているかを一緒に確認するだけでも構いません。

明日から親がすべき非情な決断は一つ。解き直しの前に、「同じなのは何?」と聞く習慣をつけてください。答えを教えるのは、その後で十分です。

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