学校へ行けなくて困っている生徒さん、保護者の方へ。不登校を経験した私が、いま伝えたい「心の守り方」。
こんにちは!数学講師のサコです。
7月に入り、梅雨のジメジメした暑さや期末試験のプレッシャーなど、心にも体にも一番疲れが出やすいタイミングになりました。
「なんだか、急に学校へ向かう足が重くなってしまった」 「本当は行かなきゃいけないのに、どうしても朝、体が動かない」
もし今、そんなお子様の姿を前にして、暗闇の中にいるような不安を抱えている親御様がいたら、どうか焦らないでほしいのです。なぜなら、私自身もかつて、同じように深い暗闇の中で、一人で足が止まってしまった経験があるからです。
「キモい」「うざい」「学校来るな」
高校生だったあの頃、私の耳に突き刺さっていたのは、そんな刃物のような言葉たちでした。
周りの生徒からの嫌がらせ。ゴミを投げられる。自分より体格の大きい生徒に、わざとすれ違いざまにぶつかられる。体育の時間に携帯電話を奪われ、いたずらされた挙げ句にトイレに捨てられる。
今でも、教室へ向かうときの階段の一歩一歩が、鉛のように重く、ものすごく苦痛だったのを鮮明に覚えています。
今日は、かつて「学校に行けない自分」に絶望していた私が、16年の教育キャリアを経て、今、行き渋りや不登校について思うことをお話しさせてください。
■ 「学校に行かない=人生を諦める」だった時代
当時の私には、今の時代ほど選択肢がありませんでした。「不登校」という言葉に馴染みはなく、通信制高校という存在も遠く、ただ「学校に行かない=先の人生を諦めること」だと本気で思い込んでいました。
親にSOSを出しても、返ってきたのは「昭和的」な一喝でした。
「学校に行かないならば行かなくていい。それならば学校は辞めなさい」
逃げ場を失った私は、学校に行くふりをして家を出て、あてもなくふらふらと街を彷徨い続けるしかありませんでした。あのときの孤独感と、未来が見えない暗闇は、言葉では言い表せません。
結果的に、私は出席日数ギリギリで高校を卒業しました。高3の担任の先生が、私の「極端な性格」を面白がって、温かくサポートしてくれたお陰で大学へ合格。なんとか「学校の先生」という、納得のいく人生のレールに乗ることができました。
■ 令和の現場で感じた「選択肢」の光
その後、私は通信制高校やオンラインでの指導の現場で、多くの生徒たちをサポートする側になりました。そこで目にしたのは、私の時代にはなかった「光」でした。
「今はこんなに選択肢があるんだ」 「『頑張らなくていいよ』と、正面から言ってくれる場所があるんだ」
正直、感心すると同時に、少しだけ羨ましくもなりました。 もし、あの頃の私に「学校に行かないという選択」を認めてもらえる環境があったら。 あんなに一人で彷徨わなくて済んだかもしれない。あの時だけの私の心は、きっと救われただろうな、と。
■ 私の正解が、みんなの正解とは限らない
一つ、正直なことを書きます。 私の場合、結果として「無理やりにでも卒業しなさい」と言われたからこそ今がある、という側面も否定できません。私にとっては、それが結果的な救いになった可能性もあります。
だからこそ、「本当は学校に戻りたい」「みんなと同じように通いたい」と強く願いながらも、どうしても今は足が止まってしまって、激しい葛藤や焦りの中にいる生徒さんや親御様の気持ちも、痛いほどよく分かるのです。
本当は復帰したいのに、どうしても動けない。そんな時は、心が自分を守ろうとしている「防衛反応」の真っ最中なのかもしれません。
人には、絶対に壊してはいけない「たった一つしかない心」があります。 今、目の前がどれだけ暗く見えても、それは一時的なエネルギー切れに過ぎません。一度立ち止まって、心をしっかりと休ませてあげること。それこそが、また学校へ元気に復帰して、明るい未来へ進んでいくための、大切な充電期間になります。
■ 「頑張る」じゃなくて「顔晴(がんば)ろう」
不登校や行き渋りは、決して悪いことではありません。
まずは、心を安定させること。 少し落ち着いたら、そこから先の学校復帰への道のりや、人生をどう歩むか、伴走者と一緒に考えていけばいくらでも間に合います。今の足踏みで、未来が閉ざされることなんて絶対にありません。
私が生徒たちによく話している言葉があります。
「『頑張る』じゃなくて、『顔晴(がんば)ろう』」
頑(かたく)なにならなくていい。 心を張り詰めなくていい。
顔が晴れやかに、元気になるような道。そんな「ガンバリ」を、私は全力でサポートしたいと思っています。
身近な大人には心配をかけたくなくて、本当の本音や「学校に戻りたい焦り」を一人で抱え込んでしまうお子様もたくさんいます。そんな時、少し離れた「オンラインの先生」という立ち位置だからこそ、評価や利害関係抜きで、ふと心を開いて、また一歩ずつ前を向くきっかけを作れることがあります。
もし今、お子さんのことで、あるいは自分自身のことで、先の見えない暗闇の中にいるなら。どうか、一人で階段を登ろうとしないでください。
一番の「困り者」で、一番「孤独」に街を彷徨った私だからこそ、その気持ちに寄り添い、明るい未来へ繋ぐためにお手伝いできることが、きっとあります。
いつでも、この画面の向こうでお待ちしております。
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