#2「認知の歪み」とは?①

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2022/4/3

            

人間の性格は多岐にわたっており、同じ人はいません。誰しもが持っている「クセ」というのは行動に出るものから考え方に至るまで実に様々で、日常生活にそれほど影響がないものからいわゆる「強迫的な」行動が伴うものまで至るほど多様であり、日常生活に支障をきたすほど強くみられるケースもあります。まったく同じ人間は存在しないものの、ある集団や社会においては一定の幅のある思考や行動が求められ、それが「普通」や「定型発達」といったような表現がされます。特に日本では、島国であるためなのか同調圧力が強くまた保育園や幼稚園、小学校において「集団行動」が幼い時からカリキュラムに組み込まれており、社会に求められる行動が刷り込まれていきます。

そして、「周りと同じ行動ができない」と「普通とは違う」「不適合」といった扱いがされることも多くみられます。

脳科学の研究が進むにつれてそのような「普通とは違う」人達の脳がどのよう認知がってきているのか解明されつつあります。2000年代に入り「発達障害」というキーワードが出現したなかで、研究において脳の機能が定型発達と異なった働きをするために「できること」と「できないこと」が極端になってしまいます。

「認知の歪み」はアメリカの精神医アーロン・T・ベックが体系化した「認知行動療法」のなかで提唱されており、「考え方のクセ」の中でも極端な思い込みや自分の考え方のクセが平均的にみられる状態より強いものを指しています。

誰でも考え方や行動に「クセ」があるものの普段生活をしていて困ることはめったにないです。それは、その「クセ」は社会生活を送る中で最適化、適応化されているためであるともいえます。逆に、普段生活していて人間関係がうまく築けなかったり自分や周りにイライラしたりパニックになったりすることが多い人に対しては「認知の歪み」が大きくみられるといえます。

換言すると、「認知の歪み」は自閉症スペクトラムにおける「こだわり」などにも当てはまるといえます。「こだわり」は自閉症スペクトラムの方によく見られる現象です。例えば、予定が決まっていてそれに逸脱した出来事が起きるとパニックになったり癇癪を起したりします。これは、2つの考え方があって①不確定要素が多い場面の中で、自己の中にあるルーティンを行うことで安心させている考え方②ある特定のトリガーがあってそれに遭遇した時に制御できず行動してしまう、との考え方があると思います。

①については見通しの困難さが原因として挙げられます。このことに対して対応した考え方がTEATCHになります。時間や空間の構造化を行うことによって場所のラベリングや見通しを立てやすくすることにより不安を回避し、こだわりの回数を減らしていく考え方になります。

②では、特に自閉症スペクトラムの方に見られるもので認知特性として特定の場面を映像として記憶する傾向にあり、特定の条件でその記憶されていたものが再生され、行動が誘発されると考えられます。

①、②の考え方は基本的には仮設段階であり、この内容が全面的に正しいというわけではありません。ただし、なぜ「こだわり」があるのか「認知の歪み」とは何かを理解することによって対応ができるようになってくると思います。

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