人生はやり直しの効かない「ゲーム」という真実
2023/3/30
私はゲームが好きです。
小学生の頃から、あらゆるゲームをしていました。
今ではPlayStation5が販売されておりますが、小学1年生の時には初代PlayStationで遊んでいたのが懐かしく感じます。
ゲーム、特にRPGは好きでした。
モンスターを倒し、経験値を稼ぎ、レベルアップし、更なる強敵を倒し、新たな武器そしてお金を手に入れる。自分が成長している実感が得られていたんですね。
また、勉強は嫌いでした。理由は「めんどくさい」から。
とはいっても、勉強はできた方だと思います。嫌いながらも頑張っていました。
今や数学や物理を教える立場に立っていますが、学生の時もそれらの科目が得意でした。
学生の時から同級生に教えていたほどです。
だんだんと勉強が嫌いではなくなり、楽しさを感じていた部分も確かにあります。
それでも、ゲームの方が楽しかった。
社会人になってからある日、私はふと思ったことがあります。
「どうしてゲームは楽しいのに、勉強は楽しくないんだろう、仕事は楽しくないんだろう。」と。
ゲームだって勉強だって、方向性は違えど、どちらも成長はしているはずなんです。
まして勉強や仕事の方が、現実で意味ある成長を感じられている。
なのに、ゲームの方が面白い。
考えた末、私は以下の3つが原因だと気づきました。
①成長するための努力量があまりにも異なる。
②「経験値バー」がなく、成長の実感を感じにくい。
③都合の悪い状況も受け入れなくてはいけない。「セーブ&リセット」が効かない。
①について
ゲームでは1日やり込めば、同じ人とは思えないぐらいに成長します。
倒せなかったモンスターが、いとも簡単に倒せてしまう。
現実世界で1日勉強しても、そこまで成長を感じられない。
数か月頑張っても模試の成績がなぜか下がってしまうことだってあるでしょう。
「努力が結果につながらない。やっても意味がない。楽しくない。逃げたい。」
そういう思考に陥る学生をたくさん見てきました。
ゲームでは努力する方向性や必要な量がすべて決まっています。
RPGであればストーリーを進めるだけでいつの間にか強くなっています。
②について
ゲームには経験値バーやステータス、装備などあらゆる指標が数値化されています。
①で述べた通り、ゲームでは成長スピードが速いので、強くなっていることが数値としてわかります。
「もっと強くなろう。」「もっと良い装備を手に入れよう。」
そういう願望が短時間で満たされていくのです。ドーパミンが大量に分泌されますね。
自分の強さを客観的数値で判断できるというのは大きい要素です。
③について
ゲームで負けてしまうと所持金が半分になったり、はたまたゲームが最初からやり直しになる。
そんな都合の悪い状況、誰も受け入れたくはありませんので、プレイヤーはもちろん事前にセーブをします。
セーブさえしていれば、状況が悪くなってもリセットをすることで、何度でもやり直しが効きます。
ですが、現実世界ではそうはいきません。
「大学に落ちてしまった、高校1年生からやり直したい。」
そう思って、セーブ&リセットができれば、どれだけ簡単なことでしょう。
タイムマシンがあればそういったこともできるかもしれませんね、でも存在しません。
時間というものは良くも悪くも止まりません。一定の速度で進み続けます。
我々はその時間軸の中で過ごし、過去をやり直したくても、未来に行きたくても、今を過ごす他がないんですね。
人生をゲーム化する工夫
私はゲームの面白さをヒントに、人生をゲーム化しています。
私がやっていることは下記のとおりです。
- 人生のビジョンを考える。(何をしたいか、何にやりがいを感じるか等)
- 長期的(3~5年)、中期的(1年)、短期的(1~3ヵ月)の目標をつくる。
- 短期的な目標に到達するための必要な行動をリスト化する。
- リストの行動数をもとに自分だけの「経験値バー」を作る。
セーブ&リセットが効かないという現実世界のデメリットは受け入れざるを得ません。
しかし、「セーブ&リセットが効かないからこそ、成し遂げることに価値がある」と考えられませんか?
リセットできるのであれば、誰も失敗しません。全員が成功者であり、成功に価値はありませんね。
私が子供の頃は、「ゲームとは子供がするもの、男の子がよく遊んでいる」という印象でしたが、
e-sportsという言葉も流行り、今では老若男女問わずゲームを楽しんでいます。
世間がゲームに魅了されているという事実が、人生を工夫するヒントを私に与えてくれたのです。
ぜひ皆さんも人生をゲームとして捉え、攻略サイトにも載っていない自分だけの攻略法を考えて、過ごしてみてはいかがでしょうか。
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