【数学ⅠA】共通テストの過去3ヵ年の傾向と所感です。

0

2023/9/5

9月に入りいよいよ受験生の顔も真剣になってきました。これから毎月のように模試が続きますし、受験生にとっては正念場となります。来年1月には「大学入学共通テスト」が迫っています。センター試験から共通テストに替わり、4回目の実施となります。この3ヵ年で傾向もだいぶ見えてきたので、本日はあと数カ月後に迫る共通テストについて過去3ヵ年の傾向について書かせていただきますね!


本記事ではまず数学ⅠAについてです。試験時間は70分の100点満点で問題と配点は下の表にまとめています。私の担当する生徒さんたちは口をそろえて「時間が足りない」と言い、「時間に余裕がある」と言う生徒さんは一人もいません(笑)数学的な思考力を問うというコンセプトがあるので、もうすこし考える時間を与える問題の量にすべきだと強く思います(言い切ります)。

「共通テストはセンター試験と比べて難易度が高い」という言われ方をよく見聞きしますが、共通テストは決して教科書内容からは逸脱していません。教科書の基礎内容がしっかりと固まっており、その知識を問題に応じて正しく使うことができる受験生が得点を伸ばせるという設計になっています。

多くの人数の受験生が受ける数学ⅠAのつくりは、数学Ⅰの単元(数と式、集合と命題、2次関数、図形と計量、データの分析)が必答となり受験生全員が解く必要がある問題です。数学Aの単元(場合の数と確率、図形の性質、整数の性質)は3問の中から2問を選択して解答します。

表のとおり傾向は3年間同じような出題と配点になっています。「2次関数」についてはセンター試験時代と比べ大きく変わった印象があります。100m走やバスケットボールを題材とした日常生活を関数的に捉えた問題が出されています。問題作成の意図として日常社会と数学との繋がりを重視して出題されたものと考えていますが、私の感想としては”2次関数の本質的な内容からはすこし外れているのかな”というところで(全体的なバランスを考えての作問かもしれません)、2022年度のような論理的な思考力を問う問題が好きです(笑)

選択問題については、こちらもあくまで個人的な意見となりますが、「図形の性質」が解きにくく感じます。限られた時間の中で複雑な図を速く精度が高く描く必要があるという点において難易度が高いと感じました。もちろん生徒さんによって得意不得意も異なりますし、単元の性質は違うので単純比較はできないということを承知でここには私の所感を書かせていただきました。

共通テストは2021年度からはじまりましたが、実施当初に比べ表や図が見やすくなる配慮があると感じており、問題を解くためのストレスは軽減されてきているなと思います。問題が物理的に見にくい(やりにくい)と生徒さん自身がもつ実力が反映されにくいのでその点で改善されていると感じます。共通テストがはじまり来年度が4年目になりますが、生徒さん自身のほんとうの数学力が測れる(勉強した成果が出やすい)良問を期待します。次回は数学ⅡBの共通テストの傾向について書きますね。本日はここまでです。

0

この先生の他のブログ