高校数学

高校数学の新課程についての所感です。

1

2023/8/19

2022年から高校数学が新課程になり学習内容が新しくなりました。現在の高校1年生と2年生は新課程で数学を勉強し、大学入試も新課程の内容で受験することになります。変更点はいくつかありますが、大きく変わったのは「数学C」の復活ですね。今まで数学Bで学ぶ「ベクトル」が数学Cに移行されました。

特に私が注目したのは、「統計学」の色が強くなったことです。数学Ⅰの「データの分析」では「仮説検定の考え方」を学ぶことになります。例えばボールペンを製造している会社が、既に販売しているボールペンAを改良して新製品Bを開発したとします。ランダムに選んだ30人の消費者に実際にこれらのボールペンを使ってもらい、AとBのどちらが書きやすいと感じるかを回答してもらったとき、この回答結果のデータから「Bの方が書きやすいと評価される」と判断する際の判断基準を学ぶ学問です。モノを生産する会社やサービス業で働いている社会人がリアルに直面する課題解決方法ですよね!とっても実用的だと思います。

また数学Bの「統計的な推測」は必修化されました。共通テストで選択する受験生も多くなると思います。近年は、ビッグデータの活用など社会の中にある現象を数学的に考えようという時代の流れになっています。大学でも「データサイエンス学部」を新設した学校が増え、文系理系を問わず医療や経済の状況を予測したり、AIを活用するスキルを身につけた人材の育成に力を入れています。数学を学ぶことを単なる通過点とせず、将来社会をより良くするために、どのように使うかということも重視された新課程の内容だと思います。私自身の授業の中でも数学と社会がどのように繋がっているのかを伝えていきますね!

1

この先生の他のブログ