数多くの生徒と接してきて思うこと
2024/1/3
先生の仕事 子供の自己肯定感をはぐくむ姿勢
数多くの生徒と接してきて思うこと
前も書いたが、人間が生きていくときに大切なことは、自分自身が自分自身の最大の味方になってあげることだ。
大親友が落ち込んでいる時、失敗した時、悲しんでいる時、勇気を失っている時‥‥いったいあなたはどうふるまうか。
きっと一生懸命慰める、共感する、励ます、勇気づけるというような行動をとるのではないだろうか。
それが他人である親友に対してはできるのに、自分自身という一生つきあう最大の仲間に対してできないのである。
◆平均点より大きく悪い点を取った君は、ばかだね
◆また失敗、いつもいつも失敗ばかりだね
◆どうせできないんだから、やらないほうがいいんじゃないの
◆みんな笑ってるよ、ばかにしているよ、顔や言葉にださないだけ
こんな厳しい言葉をなげかけて、自分を傷つけて、その失敗という傷に塩を塗り込んで、最大の仲間を痛めつけていくのである。
そうして、勇気を失っていくのである。やる気を失っていくのである。そうして自己肯定感をますます下げていくのである。
例えば勉強についても、ずっとうまくいかず、劣等感に凝り固まってしまうと、もう勉強に取り組むのが怖くなってしまっているのか、梃子でも動かないというような現象が生まれてくる。
それは本人が自分の意志で梃子でも勉強しないぞっていう感じではなく、自分でもわからないけど心と体が無意識のうちに拒否しているというふうに私には見える。
見ていてとてもつらくなってくる。それ以外は全く真面目で人当りもいいのに、勉強になると貝のようになってしまうのである。
我々の責任
ただこういった生徒の自分を責める心の声。これは、周りの人間が作ってきた部分も大きい。お父さん、お母さん、我々のような学校の教員などもそこに大きく加担している部分があろう。
もちろんそこに悪い意図はない。子供がよくなるようにということを願って様々な言葉を投げかけていく。良かれと思ってのことである。また、厳しい言葉なども、「ここでちゃんと言っておかないと、しっかり育っていかない」という思いから出たものが大半だろう。子供を傷つけてやろうと、成長を阻害してやろうなんて気持ちから出た言葉ではないと思う。
しかし、結果としてそういった言葉で成長するどころか、勇気をもつどころか、かえって傷つき、自信を失わせることにもなってしまっている場合がある。そしてその言葉が子供の中に内在化し、無限ループのように自分自身の中で再生し続けてしまうことにもなるのである。
時には、その言葉を悪い方向にデフォルメしていき、毎日自分を傷つけつづけるということにもなりかねないのである。
大事な事
冒頭に書いた
「人間が生きていくときに大切なことは、自分自身が自分自身の最大の味方になってあげることだ」
このことが、できるように援助していくことが教育の本質であると思う。したがって子供の教育に携わる人間は、常にこのことに寄与する指導ができているか否かを厳しく点検していく必要があると思う。
◆子供を勇気づける指導になっているか。
◆今の言葉がけはいったいどんな効果、結果を導くのか。
◆子供の自己肯定感を高める指導になっているか否か。
◆子供にどんな影響を与えるかを、十分に吟味したうえでの言葉になっているか。
このようなことを常に頭において、子供に接していくことが大事なのではないだろうか。
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