塾に通っても成績が上がらなかった子が、家でやってた数学の“意外な習慣”
2025/6/29
「こんなに塾に通っているのに、どうして数学の点数が上がらないんだろう…?」
そんな悩みを抱えるご家庭は、実は少なくありません。
週3回以上通塾し、テキストも毎回こなしている。先生からは「理解できていますよ」と言われる。でも、模試やテストでは思うような結果が出ない――。
今日は、そんな“伸び悩み”状態から脱却したある学生の話をご紹介します。きっかけは、ある「意外な習慣」でした。
「真面目なのに伸びない」よくある生徒の特徴
彼は、とても真面目なタイプの生徒でした。
・ノートも丁寧
・宿題もきちんと提出
・先生の言うことも素直に聞く
でも、なぜか数学の点数がずっと60点台で止まっていたのです。
授業中の理解度は問題なし。小テストでは満点も取れる。なのに、本番のテストではミス連発。
親御さんも、「このままじゃ高校受験が不安です」と焦りを感じていました。
変化のきっかけは、たった1つの行動
ある日、彼がふと始めたことがあります。
それは――
「今日やった数学の問題を、お母さんに説明する」
という習慣です。
彼は自分の部屋で、ホワイトボードを使ってこう言いました。
「ねえ、今日の塾で習った“連立方程式の文章題”、説明してもいい?」
はじめは聞いていたお母さんも「へえ〜なるほどね〜」と軽く聞き流していたそうですが、
それを毎日5分続けたところ、驚く変化が起こりました。
成績アップの理由:脳が“アウトプット仕様”になる
彼の成績は、わずか1ヶ月で偏差値が8上昇しました。
理由はとてもシンプル。
「説明する」ことで、脳が“理解したつもり”から“本当にわかった”に変わったのです。
これは教育心理学でもよく知られている現象で、
**「教えるつもりで勉強するだけで学習定着率が90%に近づく」**という研究もあります。
実際、彼自身もこう話してくれました。
「自分で言葉にして説明すると、どこが曖昧かわかる。で、そこを自分で調べたり、次の授業で質問できるようになる。」
「親に教える」は、最高のアウトプット
この習慣に特別な教材や道具は必要ありません。
必要なのは、**聞いてくれる誰か(=親御さん)**と、5分の時間だけです。
「そんなの聞いてもわからないし…」と思うかもしれませんが、大丈夫。
お子さんは、「聞いてくれる人がいる」というだけで、驚くほど集中して話そうとします。
忙しいご家庭でもできる3つの工夫
とはいえ、毎日説明を聞くのは難しい…というご家庭もあると思います。
そんな方のために、以下の工夫もおすすめです。
録音・録画する(スマホでOK)
→「今日のポイントを30秒で説明してみて」と頼むだけでも◎
ぬいぐるみや鏡に向かって話す
→実際に声に出すことがポイントなので相手は無生物でもOK
ノートに“人に教える前提”でまとめる
→説明口調で書くと、理解が深まります
最後に:塾だけでは足りない“思考のトレーニング”
塾では「教えてもらう」「解いてみる」までしかできません。
でも、成績を本当に伸ばすには、
「自分の言葉で説明する」=思考を深める訓練
が不可欠です。
点数が伸び悩んでいるときこそ、
“ノルマ”や“問題数”を増やすのではなく、**「説明する習慣」**を試してみてください。
数学が「わかったつもり」から「できる」に変わる――
そのカギは、意外にもリビングでの5分の会話にあるのかもしれません。
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