行動経済学と勉強
こんにちは。
今回は、「行動経済学」と「受験勉強」の関係についてお話ししてみたいと思います。
「経済学と勉強って関係あるの?」と思われるかもしれません。しかし、皆さんの勉強のやる気や習慣に直接関わる重要なヒントが隠れています。
行動経済学とは?
簡単に「行動経済学」についてご紹介します。
行動経済学とは、人間がどのように意思決定をするかを心理学の視点から分析する学問です。経済学と聞くと、理論的で合理的なイメージがありますが、行動経済学は「人はそんなに合理的じゃないよね」という前提からスタートします。
「先延ばし」も、立派な研究テーマ
たとえば、こんな経験はありませんか?
• 「今日は疲れてるから、明日から本気出す」
• 「やる気はあるけど、スマホ触ってたらいつの間にか時間が…」
これは、行動経済学では「現状維持バイアス」や「時間割引」と呼ばれています。
つまり、「今の快楽>将来の得」の構図です。将来の合格より、目の前のYouTubeやゲームの方が魅力的に感じてしまうのは、人間の自然な傾向なんですね。
ナッジ(nudge)でやる気を後押し
行動経済学には「ナッジ理論」という考え方もあります。直訳すると「そっと背中を押す」という意味ですが、これは人が自然に良い選択をできるように、環境を整えるというものです。
受験勉強でも、このナッジを活用できます。
たとえば…
• 机の上に教科書だけ置いておく → スマホは別室に。
• 予定を「勉強する」ではなく「17時〜18時は英語長文」と具体化
• 小さな成功体験を記録する → 「今日30分集中できた!」だけでも◎
これらはすべて、自分の脳に「やる気が出る環境」をつくってあげるテクニックなんです。
受験は知力だけじゃない、「選択」の積み重ね
結局、受験は毎日の小さな選択の積み重ね。
やるか、やらないか。今日やるか、明日に回すか。
それらの選択を、「自分に有利な方向にナッジ」してあげるだけで、結果は大きく変わります。
行動経済学は、受験生の「サボりたい」「やる気が出ない」といった悩みを、責めるのではなく「それって普通なんだよ」と受け入れながら、どう対処するかを教えてくれるヒントに満ちています。
努力だけでなく、仕組みで自分を動かす。
そんな勉強法が、いま求められているのかもしれません。