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不登校は「問題」ではなく「個性」から始まる―― 高校生への学習支援と教育の視点から

2025/9/18

私は高校時代、学校が肌に合わず、半分不登校のような生活を送っていました。ですから、不登校を「問題」とは考えていません。人にはそれぞれ違うリズムや感受性、知的好奇心があり、学校という枠組みに合う人もいれば、合わない人もいる。ただそれだけのことだと思うのです。(ちなみに、私の場合は、中学の教員の「思想」や事情などにより、進学する高校を選べなかったというのが原因で、今でいう適応障害みたいになりました。拙著にも書きましたが、刑務所のほうがマシではないか、というような高校時代でした)


現在、私はオンライン個別塾を主宰し、マナリンクを通じても30名以上の高校生や大学生を担当しています。カウンセリングの会社も経営しています。学力の高低にかかわらず、不登校や不登校気味の生徒さんも少なくありません。彼らと接していて感じるのは、「普通から外れている」ことが欠点なのではなく、むしろ「少し不器用な生きざま」という特徴を持っているということです。哲学的に言えば、それは生まれ持った個性であり、尊重すべきものです。たとえば、精神科医にして哲学者であるフランスのジャック・ラカンはそう書いています。無論、個性とは書いていません。生まれ持ったなにか=私たちの人生を根底から支配する何か、とラカンは言います。


ここで思い出すのは、私の哲学の先生である中島義道先生です。先生もまた不登校の経験を持ち、普通から大きく外れて孤軍奮闘された青春を歩まれました。その体験は著作の中に克明に記されています。学校や社会に馴染めず、自分だけが取り残されていく感覚の中で、「なぜ生きるのか」「普通とは何か」と問い続けたことが、現代の哲学界の巨人としての先生の思想の源泉になったのです。私は先生の生きざまから、不登校は「失敗」ではなく「思想や個性を育てる入口」になり得ることを学びました。


したがって、不登校問題を考えるときに必要なのは、「社会が強制する“ふつう”のほうがおかしい」と再定義することだと思います。そこからしか、生徒一人ひとりの「個性=生まれ持ったもの」は見えてきません。日本の教育は「ふつうの人」を量産する仕組みに流れがちですが、それがどれほど不自然なことかを知る必要があります。


私が大切にしているのは、生徒のペースに寄り添いながら、その個性を尊重しつつ、大学受験という「締め切り」にどう歩調を合わせるかを共に考えることです。不登校専門の教員を名乗るつもりはまったくありません。不登校であってもそうでなくても、多くの高校生は「普通」から少し離れているものです。その生きざまに理解を示し、安心できる居場所をつくれる教員こそが、本当に不登校に向き合えるのではないでしょうか。


私は心理カウンセリングの会社も経営しています。保護者さんのカウンセリング(!)もしています。そこでも学んだのは、勉強の指導もカウンセリングも、「方法」より「姿勢」が大事だということです。生徒の不安や迷い(や、やる気のなさ)を否定せず受け止め、現実との折り合いをつける道筋を一緒に見つけること。「こっちに楽しいことがあるよ」とインヴァイト(invite)すること。ざっくばらんにspeak outすること。教員然とするのではなく「ああ、ぼくもおちこぼれたことあるよ」「ああ、それ、くだらないとぼくも思う」と自分が思っていることを正直に生徒に話すこと。それが私の役割だと考えています。


不登校は問題ではなく、個性=生まれ持ったものを見つめ直すきっかけです。教員の役割は型にはめることではなく、一人ひとりの個性=生まれ持ったものが未来につながるように橋をかけること。その橋を安心して渡れるよう伴走すること――それが、私の不登校支援の根本的な姿勢です。だから、集団塾ではなく家庭教師を職業として選択したのです。


※現在、平日の午前中~夕方のみの募集です。マナリンクも私の塾も同じです。11月初旬から徐々に空き枠が生じます。受講を検討なさっている方が40名以上おられるのは承知しており、申し訳なく思います。受講をご希望の方はウエイティングリストに載せますので、お申し出ください。

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