秋の受験生に伝えたい。“焦り”を”成長”に変えるためのやること整理術
こんにちは。オンライン家庭教師のゆうじです。
秋が深まり、入試までの残り時間が気になってくると、
「このペースで間に合うのかな」
「まだ覚えていないことがたくさんある」
「周りはもっと進んでいる気がする」
そんな不安が出てくることがあります。
すると、新しい参考書を買いたくなったり、一日の予定をぎっしり埋めたくなったりするものです。
でも、焦ったときこそ、一度立ち止まって整理してほしいと思います。
今の自分に必要なのは、何を増やすことなのか。それとも、何かを減らすことなのか。
今回は、手元の教材、今の弱点、使える時間を整理して、今日の一歩を決める方法をお伝えします。
〇まずは「今はやらないこと」を決めよう
受験勉強では、やることを探そうと思えば、いくらでも見つかります。
だからこそ、この時期は「何をするか」と同じくらい、「何をしないか」を決めることが大切です。
・不安を埋めるために、新しい参考書を増やさない
新しい参考書を買うと、少し安心することがあります。
「これをやれば、苦手を克服できるかもしれない」
その期待は自然なものです。ただ、取り組む時間を確保しないまま教材だけを増やすと、終わっていない本が増え、かえって不安になることもあります。
まず確かめたいのは、今使っている問題集です。
以前解けた問題を、解答を見ずに解けるでしょうか。解説を読んで納得した問題を、自分で最初から説明できるでしょうか。
「一度やった」と「本番で使える」の間には、まだ練習できるところが残っているかもしれません。
私が教材やチェックテストを考えるときも、今使っている教材と、生徒がどこで止まっているかを出発点にしています。
知識を思い出せないなら、その知識を整理して取り出す練習をする。計算の一部分で崩れるなら、その操作に絞って練習する。
今ある教材の中で、あと少しで自力で解けそうな問題を見つける。
まずは、そこから取り組んでみましょう。
もちろん、必要な範囲が手元の教材にない場合など、新しい教材が役立つこともあります。その場合は「何のために使うか」「どの部分を、いつまでにやるか」を決めてから選ぶとよいですね。
・他人の進み具合を、今日の課題にしない
友達が難しい問題集を始めた。SNSで、誰かが一日十何時間も勉強している。
そんな話を聞くと、気になるものです。
ただ、その人と自分では、得意科目も、志望校も、今必要な練習も違います。
考えたいのは、志望校の配点や過去の合格最低点を参考にしながら、自分がどの科目で、あと何点を目指すかです。合格最低点は年度によって変わるので、過去の数字ぴったりを目標にせず、余裕を持って考えます。
例えば、数学の難問に時間をかけるより、まだ確認が浅い理科の基本事項を固める方が、今の自分には必要かもしれません。
他人がどこまで進んだかよりも、自分の答案を見てみましょう。そこには、次に取り組む場所が具体的に残っています。
・同じ受験情報を、何度も見返さない
模試の判定や合格最低点を、気付くと何度も確認していませんか。
不安になると、もう一度見たくなる気持ちは分かります。でも、同じ結果を見続けても、次の行動が決まらなければ勉強は進みません。
模試の結果を見たら、
どこで失点したのか。
今週、何を復習するのか。
いつ、できるようになったかを確認するのか。
ここまで決めて、いったん閉じましょう。
出願期限や入試の変更点など、必要な情報は公式情報で確認します。一方、同じ判定を繰り返し眺める時間は、次の一問に回していきたいところです。
・焦って生活リズムを大きく変えない
「受験生だから、明日から朝5時に起きよう」
そう決めても、寝る時間が変わらなければ、睡眠時間が短くなるだけです。
今の生活が安定しているなら、無理に大きく変える必要はありません。ただ、試験当日に必要な起床時刻と普段の生活が大きく離れている場合は、前日だけで合わせようとせず、余裕を持って少しずつ整えていきましょう。
目指したいのは、早起きそのものではなく、必要な時間に起きて、落ち着いて問題に向かえる状態です。
〇一日の優先順位は、「得点につながるところ」から
やらないことが決まったら、次は取り組む順番です。
ここで大切なのは、苦手科目という大きなくくりだけで考えないことです。
「化学が苦手」なら、どの分野でしょうか。知識を覚えていないのか、計算の進め方が分からないのか。それとも、問題文から条件を取り出せないのでしょうか。
「何ができないか」を小さく分けると、一日の課題に変えやすくなります。
・手薄な範囲と、あと少しで取れる問題を見つける
現役生では、理科や社会の後半範囲など、学習してからの演習回数がまだ少ない部分が残ることがあります。
後から習った範囲だからといって、そのままにしておくわけにはいきません。志望校や受験科目の出題範囲を確かめ、基本事項の確認と演習を重ねる時間を取りましょう。
また、全部間違えた単元だけでなく、「途中まではできた問題」にも注目してみてください。
あと一つ知識があれば解けた。式は立てられたけれど、計算で崩れた。そうした問題は、取り組む内容を絞りやすいところです。
私も指導では、チェックテストの結果から、復習する部分と次へ進める部分を分けて考えています。全部を最初からやり直す必要があるのか、特定の弱点だけを補えばよいのか。その判断で、時間の使い方は変わります。
・「今日は化学」から、終わりの分かる課題へ
一日の予定は、取り組む姿が浮かぶくらいまで具体的にしてみましょう。
【大まかな予定今日取り組める形】
・無機化学を復習する塩素の性質・製法・捕集法を白紙に書き、抜けた部分を確認する
・数学の苦手をなくす前回間違えた通分の問題を3問解き、どの行で間違えたか確認する
・生物で今日の範囲の重要語句を覚えて、教材を閉じて説明する
時間だけでなく、「何ができたら一区切りか」を決めるのがポイントです。
その日の最優先課題は、まず一つか二つ。余力があれば追加するくらいから始めてみてください。
〇計画は「85%くらい進めばよい」と考える
毎日、予定を100%終わらせるつもりで組むと、少しの遅れが翌日に積み重なってしまいます。
学校の課題が増える日もあれば、思ったより難しい問題に出会う日もあります。予定通りに進まないことまで含めて、計画を立てておきましょう。
一つの目安として、**「85%くらい進められればよい」**と考えてみてください。この数字は絶対の基準ではなく、予定を詰め込みすぎないための考え方です。
例えば、週に一日、新しい課題を入れない調整日を作ります。
一日空けるのが難しければ、日曜の午後など、まとまった時間でも構いません。そこで、残った課題や、もう一度確認したい内容を扱います。
予定通りに進んでいれば、軽い復習で終えて、しっかり休みましょう。
ただし、毎週大量の課題が残るなら、調整日に詰め込むのではなく、元の計画を見直します。量が多いのか、一問に必要な時間の見積もりが短いのか。原因を確かめて減らしていくことも、立派な計画の修正です。
〇勉強を続けるために、体調管理を予定に入れる
入試が近づくほど、休むことに後ろめたさを感じるかもしれません。
でも、休息は勉強が全部終わった人だけのものではありません。翌日も学習を続けるために、先に確保しておきたい時間です。
・体調が悪い日は、回復を優先する
発熱や強いだるさがあるときに、いつもと同じ量をこなそうとしなくて大丈夫です。
集中できない状態で机に向かい続けるより、課題を減らして休みましょう。症状が強いときや長引くときは、医療機関に相談してください。
休んだ分を翌日にすべて上乗せする必要もありません。回復の様子を見て、優先順位の高いものから戻していけばよいのです。
・水分補給と、基本的な感染対策を
勉強に集中していると、基本的な予防を忘れがちです。
とくに乾燥は大敵です。
例えば休憩のたびに飲み物に手を伸ばすなど、無理なく水分補給できる習慣を作りましょう。
感染対策としては、手洗いや換気などの基本も大切です。
・課題が残っていても、睡眠を削らない
「あと少しだけ」と続けているうちに、毎晩寝る時間が遅くなっていないでしょうか。
睡眠は、体調を整え、学習を支える大切な時間です。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、中学生・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが
勧められています。必要な時間には個人差があるため、「全員が7.5時間で十分」などと一律には考えず、日中の眠気や休めた感覚にも目を向けましょう。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
寝る時間を後回しにするのではなく、まず確保し、その中に収まる課題を選ぶ。
予定が入りきらないときに減らす候補は、睡眠ではなく、課題の量や優先順位です。
〇一人で決められないときは、一緒に整理してもらおう
「全部必要に見えて、何を減らせばよいか分からない」
そんなときは、信頼できる先生や指導者に相談してみてください。
相談するときは、今使っている教材、最近の答案、一週間の予定を見せると話が具体的になります。
「何をしたらよいですか?」に加えて、
「今週は何を優先して、何を後回しにしてよいですか?」
と聞いてみるのもおすすめです。
私が一緒に考えるときも、まず現在地を確認します。そして、細かく計画を立てる必要がある部分と、目標を決めて本人に任せられる部分を分けていきます。
自分で選んで進めることが合う場面もあれば、今日やる問題まで具体的にした方が動きやすい場面もあります。今の自分が取り組める形にすることが大切です。
相談しても具体的な整理につながらない場合は、別の先生の意見を聞いてみてもよいでしょう。一人で抱え続ける必要はありません。
〇焦りがあるままでも、今日の一歩は決められる
不安を完全になくしてから勉強を始めようとすると、なかなか動けないことがあります。
まずは紙に、三つだけ書いてみてください。
今週はやらないこと
今日、最初に取り組むこと
今日は勉強を終えて休む時刻
例えば、「新しい参考書は増やさない」「昨日間違えた3問の原因を確かめる」「決めた時刻には切り上げる」。それくらい具体的であれば十分です。
秋の受験勉強では、時間を長くすることだけでなく、限られた時間をどこに使うかが大切になります。
手元の教材を見直す。弱点を小さく分ける。必要な課題を選び、できるようになったかを確かめる。
その積み重ねを、今日から一つずつ進めていきましょう。
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