「一歩踏み出す勇気に、私が力をもらった」〜教え子の成長エピソード〜

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2025/4/26

今日は、最近ある生徒さんとの関わりの中で、私自身が力をもらった出来事をお話させてください。


彼女と出会ったのは彼女が中学1年生の3学期のこと。

中学入学当初からほとんど学校に通えておらず、たまに保健室に顔を出す程度。

授業には出られなくても、定期テストは毎回きちんと受けている、まじめで頑張り屋の女の子でした。


でも、授業に出られない時間が続くうちに、学習内容はどんどん先へ進み、彼女はついていくことができなくなっていました。

テストの点もほとんど1桁で、「どうせできない」と、自信をすっかり失ってしまっていたのです。


私が関わりはじめた当初も、正直なところ彼女の表情は硬く、言葉数も少なめでした。

でも、「それでも受けよう」と思ってくれた気持ちが、もうすでに彼女の中にある“前を向く力”の証だと思います。


少しずつ、彼女と一緒に1年生の内容から復習を始めました。

1か月、2か月と回を重ねるごとに、わからなかったところが「わかる!」に変わっていく。


そして2ヶ月後の定期テストでは、数学も理科も約50点まで点数を伸ばすことができたんです。


このときの彼女のうれしそうな顔。


その表情を、私は今でも忘れられません。


現在、彼女は中学2年生になりました。


理科の授業には出るようになり、数学は引き続き1年生の内容をコツコツと復習中。

そして最近、こんな会話がありました。


私が「今もし授業に出たとして、〚先生何言ってるかいっこもわからないんだけど…〛とは絶対ないから大丈夫だよ!やべー超余裕!ではないかもだけど、わかるよ、保証するよ!」と声をかけたところ、

彼女は笑顔でこう返してくれました。


「そうだよね、何もわからないってならないよね??授業出てみる!」


本当に授業に出られたかは、今の時点ではわかりません。


でも、出る出ない以上に、「出てみようかな」と思えた彼女の気持ちが、私は何より素晴らしいと思っています。


時には私の授業を突然お休みすることもあります。

でも、そのたびに彼女はまた前を向こうとする。


迷いながらも、自分のペースで前に進もうとする姿に、私は何度も胸を打たれました。


これは私の力ではありません。


彼女自身が、自分の力でつかみ取ってきた、小さな勇気の積み重ねです。




私はきっと「応援すること」が好きなんだと思います。


そして、そうやって応援しながら、気がつけば私の方がたくさんのものをもらっている。

彼女の頑張りが、私にとって何よりのご褒美です。




今、お子さんのことで不安を抱えている保護者の方がいらっしゃるかもしれません。

でも、どうか焦らないでください。

子どもたちは、時間はかかっても、自分の力でちゃんと立ち上がっていけます。


その一歩を信じて、見守ってあげてください。

そしてぜひ、その応援を私にもさせていただけましたらたいへん嬉しく思います。

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